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            景観一新! 新緑の正面参道     マウスを載せれば写真が変わります
 天気予報では午前中の降水確率10%。少々時雨れていましたが、「大丈夫だろう…」とバイクで出かけたら、すっかり濡れてしまいました。大工さんは、「仕事にならない」と帰ってしまいますし・・・。
 雨は一時的でしたが、どんよりした曇り空から時たま日が差してくる程度。お昼の天気予報では、予報が外れたことを詫びておられました。
 午後からは、快晴とはいえないものの、晴れる時間がかなり多くなり、素晴らしい新緑が楽しめるようになりました。
 境内は全域がスッポリと新緑に浸かっているような、みずみずしい生気に溢れていました。
 日が差すと、新鮮で、清々しく、何とも言い難いような世界が眼前に広がります。鴬は啼き、花々も咲いています。目を転じると、山も笑っています。
 そんな世界を五感で感じるだけではなく、自分の体の中にまで取り込むことができれば、心身共に清浄になれるに違いないと思いました。


        赤、緑、桃 / 緑一色!     マウスを載せれば写真が変わります
 紅葉のシーズンにはたくさんの方が訪れる境内。確かに紅葉はそれはそれは綺麗です。でも、新緑の境内は決してそれにひけを取りません。
 訪れる人は普段よりも少し多い程度。それだからこそ、この美しさ、清々しさを満喫できるのかも知れません。
 今年の新緑はいつもの年にも増して綺麗に感じるのはなぜでしょう?
 昨年から、植木屋さんに依頼したり、自前で剪定をしたりして、境内のあちらこちらにかなり手を入れました。境内は明るくスッキリして、少しずつ整備が進んでいます。
 実は、冒頭の写真のような景色や‘裏写真’のような角度で塔が見えるのは何十年ぶりのことなのです。‘境内を美しくする運動’の成果がこの新緑の時期に見えてきた。そんな達成感が、「今年の新緑はいつもより綺麗だ」と感じさせるのかも知れません。




   故   郷   や   ど   ち   ら   を   見   て   も   山   笑   う          正岡子規





       笑う大文字山と普賢象桜 / 花の木の新芽・種と新緑  マウスを載せると写真が変わります
 他府県から車でお越しになった方は、口々に「京都東インターからすごく混んでいた」とおっしゃっていました。「連休でもないのに、どうしてあんなに混んでいるのだろう」と不思議がっておられました。どうしてでしょう? 境内はのんびりしたもので、そんな気配を微塵も感じませんでした。
 今日は感動のあまり、たくさんの写真を撮りました。
 剪定作業をするために木に登ったりしながら、晴れ間が出てくるとカメラを持って一目散に被写体を探しました。
 目で見たようには撮れません。目は本当によく出来ていると、いつも感心します。カメラで覗いた世界よりも、実際の目で見た世界のほうが、何十倍、何百倍美しいことでしょう。
 それでも、何とか皆さんに今日の境内の様子をお伝えしたいと思い、‘植木屋’と‘カメラマン’を掛け持ちしました。


             息苦しいほどに咲く八重桜      マウスを載せれば写真が変わります
 鐘楼の周りの八重桜は今が盛り。息苦しく、窒息しそうなほど圧倒的な花を咲かせています。
 風情や品性には欠ける気がしますが、‘ゴージャス’好きな方にはお気に召していただけるでしょう。
 木の下から眺めるのもよし、鐘楼の基壇の上に登って、目の高さで見るもよし。
 ただし、木の下は墓地ですから、素行にはお気をつけください。先日、墓石の上に三脚を立てて写真を撮っている人がいたので、叱りつけました。罰当たりな・・・。
 この季節も境内全域で三脚を使用禁止にさせていただいていますが、1年中禁止にしないとダメなようです。本当に困ったものです。


        垂れない藤の房 / まだわずかにしか咲かないつつじ  マウスを載せれば写真が変わります
 本堂右横では藤の花が咲き出しました。通り道にあるので、八重桜よりも人目を引いています。
 でも、この藤、房が少しも垂れてこず、棚の上だけで咲いている‘のぼり藤’です。
 ボクの子供の頃には立派な藤が生えていたのですが、台風で倒れ、惜しいことに切られてしまいました。しばらくして今の藤が植えられましたが、品種選びに失敗した模様。
 長く垂れる藤を植えましたが、まだまだ細いので、皆さんに楽しんでいただけるのはまだ当分先です。
 平戸つつじも咲き始めました。
 植木屋さんによると、今年は芽吹きなどが例年よりも遅いそうです。つつじの開花も、去年よりも遅れています。


          自坊の花水木 / 光の当たった白山吹の花      マウスを載せれば写真が変わります
 自坊の新しい庭では、花水木が満開になりました。街頭でもこの花をよく見かけるようになりましたが、もともとは東京からアメリカワシントンD.C.へ桜を贈った返礼として1915年に日本に伝来したものだそうです。
 自坊の庭では三ツ葉つつじが終わり、これから蓮華つつじが開花してきます。花いっぱい、塀の外の借景は新緑いっぱいです!
 その他、境内では白山吹、シャガ、椿(そろそろ終わりです)、灯台躑躅どうだんつつじ、馬酔木(もうすぐ終わり)などが咲いています。
 いま、境内では花木をどんどん植えていますので、数年後にはもっとたくさんの花が咲くようになります。お楽しみに!
 お天気が安定せず、晴れる日は少ないようですが、束の間の晴れ間に、ぜひ新緑の境内にお越しください。心身共にスゥーッとしますよ!




   一   つ   づ   つ   花   の   夜   明   け   の   花   み   づ   き        加藤楸邨