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京都市内も観光客が増え、観光バスも目立つようになってきて、今日も道が渋滞するところもあったようです。 東山の約5キロの石畳に、約2400基もの露地行灯を並べる「東山・花灯路」も今夜から。そろそろ春の観光シーズンの幕開けです。 涅槃図を特別公開している真如堂にも、普段よりも多い人がお越しになっています。 「今日は拝観者が100人を超えました! 紅葉シーズン以来です。いつもこれくらい来てくださればいいのですが・・・」と、久々の‘3桁’に職員さんも興奮気味でした。
‘春の臭い’は決していい香りではありません。湿った地面が春の日差しであたためられ、土中のバクテリアなどが活発に活動を始めた証の臭いです。 ここ数日はそれほどあたたかいわけではありませんが、2月下旬には最高気温が22度まであがり、雨も多くて土中の湿り気もたっぷりあって、いよいよバクテリアなども待っていられなくなったのでしょう。 境内では、もう一つ、春の兆しが日に日に目立つようになってきました。「花の木」の花が咲き始めてきたのです。 花の木はカエデの仲間で、新芽が吹く前に赤い花を咲かせるところから、その名前が付きました。 境内には10本ほどの花の木がありますが、三重塔に近い1本が最も開花が進んでいて、特に西日の差した時には真っ赤に輝いて、息を呑むほど美しいのです。 曇りがちの今日、夕方近くになって、ようやく花の木に光が当たる瞬間に出会えました。 春 の 土 う ら が へ し て は 土 の 春 坊城俊樹
他にも、境内のあちらこちらで、赤、白、クリーム色などの椿が咲いています。椿を見て回るだけでも、ずいぶん楽しんでいただけると思います。 本堂裏のオススメは 小さい花なので、それほど派手ではありませんが、この花も日が当たると黄金色に輝きます。ぜひ、ご覧いただきたい花です。 馬酔木もそろそろ見頃です。でも、近年、馬酔木は元気がありません。老木になったから花付きが悪いのか、気候の影響なのかわかりませんが、枝枯れも著しいので、先日、小苗を通販で取り寄せて補植しました。大きくなるまでには、まだ何十年もかかります。うまく‘引き継ぎ’ができるといいのですが・・・。
境内の染井吉野の見頃は、今月下旬でしょう。3月27・28日では満開前、4月3・4日では散り始めているのではないかと思います。その次の週では、確実に葉桜ではないでしょうか。 三重塔脇の枝垂れ桜は、染井吉野よりも早く、おそらく17・18日頃には開花。今月中には散ってしまうのではないかと心配です。 本堂脇の「縦皮桜」は、それよりも1〜2日遅いぐらいでしょう。 枝垂れ桜も縦皮桜も、近年、枝枯れが多く、かなり不調です。今日も、縦皮桜の結構太い枯れ枝を、何本も切りました。また、開花直前の緊急対策として、液肥を与えてみました。 ボクは染井吉野よりも枝垂れ桜や縦皮桜のほうがずっと好きなので、この2本の不調は心から心配です。何とか持ち直して欲しいと願うばかりです。あー、心配だ・・・。 さぁ、来週はもっと春! 日々移り変わる境内へどうぞ! 椿 落 ち て き の ふ の 雨 を こ ぼ し け り 与謝蕪村 |