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                 真っ赤な椿、一気に満開       マウスを載せれば写真が変わります
 「明日は今日の最高気温と同じくらいの気温の、あたたかい朝になるでしょう」と天気予報が告げたとおり、気温11度のあたたかい朝でした。地面が少し濡れていたので、昨日からの雨が夜中まで残っていたのでしょう。コートを着ずにバイクに乗っても、少しも寒くありませんでした。
 お天気が安定しません。晴れの日も続かず、晴と雨を繰り返すここ数日。10〜11日頃はまた寒くなるという予報です。毎日、何を着たらいいのか迷いますね。
 6日の啓蟄を前に、松に巻いているこもをはずして焼いているシーンが、今日のテレビに映っていました。着実に季節は進み、本格的な春は確実にもうすぐそこです。


          苔も緑鮮やかに / 紫陽花の芽、膨らむ       マウスを載せれば写真が変わります
 境内の様子も、先週とは明らかに違ってきました。「色」が変わってきた気がします。
 全体的に赤っぽくなってきたように思えるのは、もみじなどの枝先が赤みを増してきたからでしょうか?
 苔の色は鮮やかな緑に変わってきました。近づいて見ると、鮮やかな新しい緑色の苔が古い苔を圧倒してきていました。1週間でこんなに違うものかと、驚きました。
 木々の芽も出てきました。紫陽花の新芽は大きくなって、少し開いて来ました。深く剪定した枝の切り口あたりからも、小さな芽が吹いてきていました。
 桜の蕾も、少し大きくなってきたように思います。あと3週間ほどすれば、咲き始めるに違いありません。
 椿の花も、今までは少しずつ開いてきていましたが、ここ数日で一気に開花が進みました。正面参道の石段下の背の高い椿は、今まさに見頃です。今日はたくさんの方が写真を撮っておられました。
 今まで万を持して待っていた木々や花々が、「もうそろそろいいですか! 我慢しきれないよ!」と一気に動き出してきた感がする今日の境内でした。



      啓  蟄  や  こ  の  世  の  も  の  の  み  な  眩  し          桂 信子





         山茱萸の花。遠景に大文字山 / 自坊の桜ん坊    マウスを載せると写真が変わります
 山茱萸さんしゅゆも、一気に見頃になってきました。
 「これは何の花ですか?」と聞く人が多いので、説明書きを木にぶら下げてあります。自分で作ったその説明書きを今日改めて見てみると、「この花の咲いている様子からハルコガネバナ、秋に紅熟した果実の様子からサンゴバナなどとも呼ばれています」と書いてありました。
 花が小さくまばらなので、それほど強い印象はありませんが、春を告げる山茱萸の花。「春黄金」とは、なるほどと思わせるネーミングです。
 自坊の桜ん坊も、一昨日頃に咲き出したかと思ったら、今日はもうほぼ満開です。今年はかなり早く開花しました。
 せっかく咲いた花を、メジロやヒヨドリがやってきて突いています。その仕草が何ともうれしそうに見えるのは、春を待つ人の心のなせるわざでしょうか?


  すみれがいっぱい咲いてきたぁ! / 何種類もの椿が境内に咲いています マウスを載せれば写真が変わります
 3月に入って、本堂では涅槃図を公開しています。
 例年公開する大きな涅槃図は去年の4月から修復中のため、今年は畳2畳分ほどの小さな涅槃図をお見せしています。小さいといっても、南北朝の頃に兆殿司が描いたとされている逸品です。ぜひご覧いただければと思います。
 涅槃図を見に来られる方で、例年3月は拝観者が増えます。といっても、たとえば今日は40人程度ですから、ゆっくりご覧いただけます。
 せっかく境内にお越しになったのなら、ゆったりと散策をしてお帰りいただきたいと思います。いろいろな花が咲いていますし、猫たちのくつろぐ姿も‘癒し系’です。
 目を草むらなどにやると、可憐なすみれが咲いていたりします。1輪のすみれを見つけただけで、その日はとてもうれしい気分になるかも知れません。
 さぁ、境内へお越しください!




    山  茱  萸  に  け  ぶ  る  や  雨  も  黄  と  な  ん  ぬ           水原秋桜子