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一昨日から降っていた雨も、朝のうちにあがり、午後からは少し晴れ間もありました。昨日はよく降りましたが、また一歩春に近づいた気がして、雨も嫌ではありませんでした。 今日の最高気温は8.2度。9日の17.2度に比べたらまるで違いますが、日差しもあたたかく、もう冬ではないことを感じさせられました。朝は少々寒くても、真冬とは寒さが違います。 朝、明るくなるのも次第に早くなり、日が暮れるのも遅くなりました。‘明るい’ことを身にしみて有り難く感じられるのは、今の季節ならではかも知れません。
境内には目立った動きはありませんが、春が近付いていることを‘気配’で感じられるようになってきました。 いままではモノトーンだった境内が、少し赤みを帯びてきたように思います。木々の枝先に力が蓄えられ、「発芽の準備が出来たぞ!」と赤みを帯びてきているのでしょうか? 植物たちは、もちろん私たち人間よりも、季節の移ろいに敏感です。 先日、もみじの苗を植え替えましたが、根は芽吹きに先立って既に動き始め、新しく白い根が伸びていました。「もっと早く植え替えてあげればよかった」と、もみじに申し訳ない気がしました。 せっかく早春を味わっていたのに、午後からサイレンとヘリコプター数機のホバーリングの音がけたたましく聞こえて来ました。近くの京大病院のトイレで、不審なリュックサックと「ダイナマイト5本」と書いたメモが発見され、周辺の東大路通が封鎖されたり、機動隊爆発物処理班が出動したりしたそうです。 木 々 の み な 気 高 き 春 の 林 か な 塩谷康子
紅梅は早咲きで、もう盛りを過ぎた感があります。白梅は5分咲程度。ここ数日で一気に咲き進みました。 桜もいいですが、清楚さや気品では梅には適わない気がします。 梅は中国原産。奈良時代に中国からもたらされたそうです。「万葉集」の頃には白梅が、平安時代になると 紅梅がもてはやされたといいます。万葉集でも、萩に次いでよく詠まれているのが梅です。 日本に自生していた桜を差し置いてよく詠まれているのは、当時の日本人が‘中国かぶれ’だったからでしょうか? 今は花屋さんに行けばいっぱい花が並んでいますが、春真っ先に咲いてくれる梅の花は、冬の終焉を実感する有り難い花だったのかも知れません。 ボクは桜よりも梅、特に白梅が好きです。滋賀県長浜の盆梅展に今年も行きたいなぁ〜
肥料をやらないほうが楚々とした趣のある株立ちになる気がして、境内の斜面地などにはうってつけ。花が咲いているのもお構いなしに植え替えたりしています。花は可愛いですが、性は実に強健です。 水仙には毒があり、食べると食中毒症状を起こし、また接触性皮膚炎を起こす場合もあるとか。水仙を切り花にしようと鋏で切ると、切り口から粘っこい液が流れるように出てきて、服などを汚すことがあります。この液がかぶれるのでしょうか? いきなりですが、水仙って「ヒガンバナ科」なのですね。 椿の花も次々と咲いてきていますが、盛りはもう少し先です。やはり、赤い花はインパクトがあります。馬酔木はまだ1分咲程度。咲いている花を見つけるのは、宝探しのようなものです。 今日は久々に地面に寝転んだりしながら、猫を撮ったり、水仙を撮ったりしました。雨後で湿っていたので服が濡れましたが、それも何となく気持ちよく思える早春の日でした。 1週間先は「雨水」です。ますます春ですよ! 早 春 の 庭 を め ぐ り て 門 を 出 で ず 高浜虚子 |