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屋外で植木屋さんと長い打ち合わせをしましたが、植木屋さんは寒くて堪らないという素振り。ボクは密かに身にまとった発熱繊維保温ベストのお陰で、寒さ知らずでした! 20日は大寒。節分までの今が、1年中で一番寒さが厳しい時期です。午後には少し晴れ間が見えましたが、いつ時雨れてもおかしくないような空も共存。境内は人影もほとんどなく、拝観者も1桁。なおさら寒い感じがしました。 境内は、季節の移ろいがピタッと止まったような景色です。落葉樹はすべて葉を落として枝を露わにしています。セキレイやツグミでしょうか、ムクドリやヒヨドリなども、枝から枝へと飛び交っていました(鳥には詳しくないので、名前を間違っているかも知れません)。 冬 の 鳥 光 の 粒 と な つ て 去 る 仙田洋子
といっても、それほど花が目立っているわけではありません。 それでも、一番人目に止まりやすいのは椿でしょうか。まだ蕾の木が多いですが、少しずつ咲き始めています。 どうしたことでしょう、今年の椿は花が痛んでいるものが多いのです。「花腐れ菌核病」に罹っているのでしょうか、一重でも八重でも、無傷な花弁の花は一輪も見つかりませんでした。 芳しい香りを放っているのは蝋梅。鐘楼の基壇の下に生えていますが、これに気が付く人はまずいないでしょう。ボクはこの季節になると、必ず見に行きます。自坊にも蝋梅はありますが、鐘楼横のこの木の花のほうが黄色も濃く、蝋細工のように半透明で美しいです。
三重塔付近では、水仙が咲いています。こちらもとても芳しい香りです。 真如堂の事務所には、蝋梅や水仙が生けてあって、毎日、あふれんばかりの香りを楽しんでいます。 今、水仙を鐘楼周りの紫陽花の根元に移植しつつあります。数年後の今頃には、鐘楼の周りの斜面にたくさんの水仙が咲いていることでしょう。鐘楼に立つと、蝋梅や水仙の香りに取り囲まれるかも知れませんよ。 地味な花ですが、樒の花も咲いています。この花が咲いていることはぜんぜん予期していませんでした。たまたま「何かないかなぁ…」と探検していて見つけたのです。 境内や塔頭の庭、墓地などには何本もの樒の木が植わっています。仏前や修法をする檀に供えたりする、お寺にはなくてはならない木です。 実は、「毒物及び劇物取締法」で、植物で唯一の劇物に指定されています。この控えめな花がそんな実をつけるとは…。この木もいい香りがします。 龍の玉も‘ヒゲ’の中で蒼く光っています。これも宝探しが楽しめます。菫の花を探しても面白いですし、禽獣の糞にも興味が湧きます。冬は冬の境内の楽しみ方がありますね。 寒中、お風邪を召されませんように。 水 仙 を 接 写 し て 口 尖 り ゆ く 今井 聖 |