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               あたたかい陽のさす境内      マウスを載せれば写真が変わります
 霜の降りた朝でした。でも、氷は張っていません。気象台発表の最低気温は1.3度ですが、境内では0度近くになっていたでしょう。
 「お天気は下り坂」という予報は外れ、日中はあたたかい日の差す、おだやかなお天気でした。
 紅葉の頃、あれだけ人に溢れていた境内も、今ではひっそり。ほとんど人の姿を見ません。
 紅葉の時に来られた方は今の境内を見て、普段の真如堂しかご存じない方は紅葉期の境内を見て、それぞれビックリされることでしょう。
 今日の本堂内陣〜書院の拝観者は8人。先日はゼロという日もありました。人が少なくて静かで広々としているのは真如堂の魅力ですが、こう少なくては堂塔や宝物の修理も・・・。


            朝日に波打つ涅槃の庭 / 土蔵の壁に枝の影   マウスを載せれば写真が変わります
 先日、本堂や書院のすす払いをしました。10人ほどの僧侶と10人ほどの職員が、葉っぱのついた長い竹やさい払い(はたき)、ブロア、掃除機、雑巾などを使って、大掃除。ずいぶん綺麗になったような気がします。
 境内の落ち葉掃除は、ちょっと停滞気味。
 境内をざっと一周して落ち葉の大きな塊を回収した後、ちょっと気が抜けてしまったのか、小さな塊や後から落ちた葉っぱの掃除には意気が上がりません。お正月までに何とか片付けてしまわないといけないのですが・・・。
 これからは、注連縄やお飾りの準備、大晦日の除夜の鐘の用意など、年末〜迎春準備に忙しくなってきます。今思い返してみると、1年って、あっという間ですね。




      冬   日   和    心   に   も   翳   な   か   り   け   り        星野立子





  植木屋さんから山茶花だと聞いた自坊の木 / 美味しそうな山茱萸の実 マウスを載せると写真が変わります
 落葉樹が葉を落として枝も露わになり、樹形がよくわかるようになりました。葉の付いている時とは、境内の景色がまるで違い、曇りや雨の日には、とても殺風景に思えることもあります。
 そんな境内を華やかにしてくれている貴重な存在が、山茶花や寒椿、そして次第に咲き始めた椿です。
 山茶花と寒椿、この区別がなかなか難しい。いま一般に流通している「寒椿」の主流は、中国原産の本来の寒椿と山茶花の交雑種(寒椿群)だそうですから尚更です。
 花期は、山茶花、寒椿群、寒椿の順。♪ 山茶花山茶花 咲いた道 焚き火だ焚き火だ 落ち葉焚き ♪という歌がありますが、落ち葉の頃に咲くのが山茶花だということですね。
 山茶花や寒椿群は背が高く、寒椿は大きくなりません。また、山茶花にだけ、子房と新葉の葉と枝に微毛があります。
 見分けは難しいですが、紅や白い花などが冬木立の向こうに見えると、何だか救われた気がしてきます。紅葉の真っ盛りに咲いていればほとんど見向きもされなかったでしょうから、なかなかいい時期に咲いていますね。
 本堂裏の苔の上には、山茱萸の赤い実がポツリポツリと落ちています。枝には、まだたくさんの実が付いています。日の光に透かして見たこの実はとても艶やかで美しく、しばし見とれてしまいます。


      放射状に飛行機雲 / 今年生まれた猫もまもなく数え2歳  マウスを載せれば写真が変わります
 「何か面白いものはないかなぁ」とカメラ片手にウロウロしていたら、本坊の屋根の上、大文字山のてっぺん辺りから、放射状に飛行機雲が出ていました。
 雲の散り散りになる具合から見て、それぞれの雲は時間をおいて引かれたことがわかります。「飛行機雲が残るときは、明日は雨」とか言うそうですが、ドンピシャですね。
 大文字山の頂上の奧には、飛行機のための電波灯台があり、飛行機はそれを目印に飛ぶので、こんなにたくさんの飛行機雲が出来ては消えを繰り返していたのでしょう。
 見ていて、とても爽快でした!

 「今日の散歩道」も、今年最後の更新となりました。
 昨年から多忙になり、更新に使う時間がなかなか思うように取れません。内容的にもどんどん薄くなってしまっている気がしますが、真如堂の様子を少しでもリアルタイムにお伝えしたくて続けています。
 来る年が皆さんにとって幸多き年となりますようお祈り申し上げ、今年最後の更新とさせていただきます。今年もありがとうございました。




     凍   雲   を   縫   ひ   て   飛   行   機   雲   速   し          稲畑廣太郎






「長寿不動護符」の授与は締め切らせていただきました。