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今朝は雨を案じながら、一山の僧侶や職員で、本堂前にテントを立てました。 いよいよ15日はお十夜(十日十夜別時念仏会)の結願大法要。僧衆や稚児のお練り法要があります。このテントの中では、歳を取ってから下の世話をして貰わなくて済むという「たれこ止め」の十夜粥などが接待されます。 このお粥を炊くのは、僧職である執事の役目。5升炊きの釜3台をフル稼働させて、最低12釜のお粥を炊きます。今年は日曜日で人出が多いかも知れないので、ひょっとしたらあと1〜2釜増やさなければなりません。今夕、3釜分の仕掛けをしてきました。法要で忙しい上に、お粥炊きで大騒動です。
寒かったのは文化の日頃だけで、紅葉が進む条件が揃っているようには思えないのですが、今年の紅葉は例年と比べて1週間ほども早く、もう十分楽しめるほどになりました。 本堂前などの「花の木」はすでにピークを過ぎ、毎日たくさんの落ち葉を降らせています。もみじも、木によっては真っ赤に色付き、晴れた日などは本当にきれいです。 今は、紅く色付いた木もあれば、まだまだ緑の葉っぱもあり、そのまだら模様が色合いに深みをもたらして、美しさを演出しています。 同じ木でも、光の当たり具合によって、朝見るのと、昼、夕方と、また違っています。同じ道を行き来する度に、「今度はどんなふうに見えるかなぁ」と楽しみです。 今日は雨はほとんど降りませんでしたが、一日中曇天。残念ながら、晴れた日に比べて美しさは減じていますが、それでも一瞬一瞬の出会いに心が弾みました。
このフェンスを取り払って竹垣にしてもらうように植木屋さんに依頼し、いざ実際に撤去してみると、その空間のなんと広々としたこと! 「垣根はやめましょう!」と、即、植木屋さんと意見が一致しました。 今までフェンスの内側にあった春日燈籠を、女性職員さんの意見を取り入れて移動すると、庭に深みが出てきて、「おお、いいやん!」と、また植木屋さんと感動しました。 今日、その場所に出てみましたが、かたや本堂や廊下がバックになり、反対から見ると萬霊堂の白壁が背景に入ってきて、背の高いもみじなどの紅葉が天を覆うように見えました。 書院の「涅槃の庭」などは人工的に作った美しさですが、こっちの庭は自然の広さ、美しさが味わえます。この光景を見た時、ふと国木田独歩の『武蔵野』を思い浮かべました。行ったことも見たこともないのですが・・・。 真如堂に名所が増えたような気がして、うれしいなぁ〜。 お越しの際には、廊下脇にある履き物を履いて、ぜひとも庭に出てみてください。有料拝観区域の中ですが・・・。 濃 紅 葉 も よ け れ ど 雑 木 紅 葉 か な 星野立子
10日の間には、46歳にして子供を授られお父さんとなった人がおられたり、消防団と鉦講を掛け持ちして忙しい人がおられたりと、いろいろな‘ドラマ’がありました。そのドラマも、15日、御本尊の扉が閉められる「御閉帳法要」で終幕です。 お十夜は、ボクの一番好きな法要です。幼い時から、夜になると聞こえてくるお十夜の鉦の音が大好きでした。僧侶になってからは、御本尊にお目にかかれるこの法会が待ち遠しく思えました。 全国の浄土宗系寺院で行われているお十夜の起源が、570年ほど前の真如堂にあることも、大変誇らしく思えます。 さぁ、14・15日はお粥炊きです。終わった後は、必ず腰痛に悩まされますが、皆さんが健康を祈念しながら召し上がってくださると思うと、元気が湧いてきます。 15日、晴れてくださ〜い! お十夜が終わると、いよいよ紅葉本番です。普段とは打って変わって人だらけになる時なので、あまりゆったりとはできないかも知れませんが、錦に染まる境内へ、ぜひお越しください。 箸 つ た ふ 湯 気 も 法 悦 十 夜 粥 七里はる江 |