11/6版 




                 順調に紅葉が進む境内        マウスを載せれば写真が変わります
 テレビの天気予報では、「小春日和でした」と、今日の天気を評していました。
 小春日和とは、「晩秋から初冬にかけて、移動性高気圧に覆われた時などの、穏やかで暖かい天候のことである。小春とは陰暦10月のこと」。明日は立冬。まさに今時分の、ピッタリはまった気候でした。
 11月に入った途端、2・3・4日は急に冷え込み、3日の最高気温は13℃、4日の最低気温は4℃。京都盆地の西北にそびえる愛宕山(標高924m)の上のほうが白くなっていました。もちろん、今季初めての冠雪でした。
 今日の最高気温は21.3℃。あたたかいことの有り難さ、日の光の温もりをしみじみ感じました。  


                   先週とはずいぶん違います!        マウスを載せれば写真が変わります
 11月になってから、境内を訪れる人がずいぶん増えました。といっても、ピーク時とは比べものにはなりませんが・・・。
 電話での問い合わせもひっきりなし。大半の方が、もうすぐ紅葉の見頃を迎えるのだろうと思っておられるようです。
 毎日見ているので、変化に疎くなってしまっていましたが、今日撮った写真を先週のものと比べてみると、色合いがかなり違っていました。確実に紅葉は進んでいました。
 写真をご覧になると、ずいぶん紅葉していて、「今すぐにでも行かないと!」と気持ちがはやる方もおられるかと思いますが、今日の写真はちょっと‘誇張ぎみ’。どうしても綺麗な光景を写真に撮ってしまう傾向があって、誤解されるのが分かりつつ、載せてしまいました。
 日を透かしてみる木の葉はとても美しい! 青葉はもちろん、夕陽に透かしてみる紅葉はなおさらです。

             夕暮れの紅葉一枝 / 山茱萸の青葉と赤い実   マウスを載せると写真が変わります
 この季節になると、新聞社や観光関連業者などから、紅葉の進み具合を尋ねるFAXが届きます。
 「青葉」「色づき始め」「色づく」「一部見ごろ」「見ごろ」などという覧に印をして返信するのですが、今の真如堂はこの区別でいうと「色づき始め」です。まだまだ真っ青なもみじもあれば、すでに真っ赤に色づいている葉っぱもありますが、全体的にはまだまだです。
 「ひょっとしたら、今年の紅葉はいいかも・・・」と、密かに期待しています。
 真如堂の紅葉のピークは、11月20日を過ぎてから。フライングにご注意くださいね。くれぐれも、この写真をご覧になって、慌てて来られませんように!



     音   た   て   て   立   冬   の   道   掃   か   れ   け   り          岸田稚魚





         境内に延びる回向柱 / 鉦を打つ講員      マウスを載せれば写真が変わります
 境内には太い柱(回向柱)が2本立てられ、それに向かって本堂から白い布が延びています。「善(縁)の綱」と呼ばれ、その先は本堂の中に入って、さらに御本尊の御厨子のほうに向かっています。
 御厨子をよくご覧いただくと、その扉が開いていて、御本尊のお姿が見えます(写真には写っていません)。
 5日、真如堂最大の法要、「十日十夜別時念仏会(お十夜)」が始まり、その開闢法要の時、綱の先が御本尊阿弥陀如来の右手に結ばれました。回向柱に触れたり、善の綱を持つことは、御仏の御手に触れるのと同じで、篤いお慈悲をいただけると言われています。御本尊のお慈悲が、境内まで差し伸べられているのです。
 お十夜は、足利義教公の執権職をしていた伊勢守貞経の弟、平貞国が真如堂に参籠して阿弥陀さまを念じたところ、大変な御利益を得たという故事に始まります。後に、後土御門天皇の勅命により鎌倉光明寺でも行われ、全国の浄土宗寺院に広まりました。真如堂は、お十夜法要の発祥の地です。
 夜になると、「鉦講」と呼ばれる信者たちが、直径30センチ程の鉦を打って阿弥陀仏を念じます。
 晩秋から初冬へと季節が移ろう中、真っ暗な境内に本堂の明かりが見え、鉦の音が聞こえて来ます。真如堂に紅葉の兆しが見えてくる頃です。
 さぁ、お天気も良さそうですし、色付き始めた紅葉を見に、鉦の音を聞きに、ぜひお越しください。




      十   夜   鉦   障   子   灯   る   を   待   ち   か   ね   て          草間時彦