10/30版 




    十夜の「善の綱」の準備ができた本堂前 / 境内は緑なりき   マウスを載せれば写真が変わります
 おだやかな秋の日でした。
 霜降を過ぎたのに寒さはそれほどではなく、昼間は汗ばむことさえあります。
 「いきなり寒さが来るのかなぁ?」と思っていたら、案の定。来週は冷たい強風が吹き荒れて、冬の寒さになるとのこと。もう11月ですもの。
 境内の木々は少しずつ色付いてきています。先行して赤くなっている桜の葉が紅葉のはしりを演出していますが、全体的にはまだまだ緑です。
 それでも、訪れる人の数はずいぶん増えて来ています。
 境内に来て、「あっ、まだ紅葉していない! でも、あそこは真っ赤!」などと話しておられるのは、毎年のことです。
 北海道や東北、日光などとは違うのですから、10月に紅葉しているわけがありません。
 そんな方に限って、「紅葉はいつごろからですか?」と、真っ青なもみじを見た後にお尋ねになります。調べてからお越しになったらいいですのに・・・。


                   夕暮れ近づく頃        マウスを載せれば写真が変わります
 こうして写真を見ると、じっさいの境内よりもずいぶん赤く写っている気がします。
 なんの変哲もない境内の光景よりも、少しでも色付いている場面のほうがフォトジェニック。どうしてもそういうところを写してしまいます。そして、「これでは紅葉していると思われてしまう。緑のところも撮らなければ」と意識して、ごく普通の景色を撮ります。
 ちょうど今は、緑から赤に移行しつつある時期だということでしょう。
 紅葉は、1日の最低気温が8℃以下になると始ります。さらに5〜6℃以下になると一気に進みます。京都市の過去の平均気温では、最低気温が8℃を以下になるのは11月15日、6℃になるのは11月23日、5℃になるのは11月28日です。最近は温暖化で、この数字はもっと遅くなっているでしょう。
 重ねて申し上げますが、紅葉はまだまだです。でも、ところどころ色付いた景色で満足できて、空いているのが何よりという方は、今の間にお越しください。日に日に人は増えていきますので。




     セ  ー  タ  ー  を  手  に  提  げ  歩  く  頃  が  好  き          副島いみ子






             桜紅葉と晩秋の空 / 色付くもみじは訳あり   マウスを載せると写真が変わります
 今日一番の紅葉は、鐘楼回りの桜の紅葉でした。
 鐘楼の回りには「関山」などの八重桜が植わっていて、4月末に豪華な花を咲かせます。その木の紅葉が、薄青く晴れた空とマッチして、とても綺麗でした。
 桜はずいぶん前から、ハラハラと葉を落としています。もう半分以上は落ちてしまっただろうと思われますが、それでも十分に綺麗でした。
 縣井観音堂の前のもみじも、日を透かしてみるととても綺麗でした。
 今の時期に綺麗なのは、正直いってあまりうれしいことではありません。この木も、少し弱っているから、こんなに早く色付いているのです。複雑な気持ちで、カメラを向けました。


    去来句碑回りの整備をする植木屋さん / 肩落とし反省する?猫 マウスを載せれば写真が変わります
 先日来、境内ではチェーンソーの音やトラックに搭載されたクレーンの音などが、絶え間なく、あちこちから聞こえています。
 紅葉シーズンまでにと、駆け込みの手入れが行われているのです。
 松食い虫で枯れてきた、総門を入ったところの直径40センチほどの松の伐採作業。本堂脇の二股になった直径80センチほどの椎は上の方から腐ってきていて、切ってみたところ、主幹の大半が腐っていました。放っておけば倒れてくるところでした。
 茶所の横では、去来の句碑の回りを整備する作業が行われています。こちらは見る見るよくなってきていて、植木屋さんの技に魅せられています。乞うご期待です!
 先週末は、どんどん増える地域猫(野良猫)の去勢避妊に追われました。
 いま、真如堂に‘出入りする’猫は10数匹。家族構成はニャンとも知りませんが、今年生まれて育った子だけでも10匹。4匹は貰っていただいたりしましたが、このままでは残った子たちがまた子供を産んでしまいます。しかも、どんどん血が濃くなって行くことは確かです。
 そこで、先週末、猫たちを捕獲して、5匹を避妊、1匹を去勢しました。少なくとも、あと4〜5匹は施術しなければなりませんが、今週は休憩です。
 写真の猫は、去年のうちに去勢が済んでいるのに、今回2度も捕獲された雄猫。‘檻の中’で、1回目は囮餌の竹輪を、2回目は地鶏のもも肉を完食していました。落ち着いたものです。今日は後ろ姿が、どことなく反省モードでした。
 さぁ、もう11月。今夜は十三夜の月を愛でながら、スウィートポテトでお茶でもしましょう。




      静   か   な   る   自   在   の   揺   れ   や   十   三   夜          松本たかし