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           灯ろう準備中の本堂前の光景      マウスを載せれば写真が変わります
 蒸し暑い1日でした。
 今年の天気は予想不能。梅雨明けが遅れた上に、本格的な夏はいまだ来ず。梅雨の延長のような、ちょっと秋めいてきたような、釈然としない天気が続いています。
 週間予報ではしばらく雨は降らない様子。これがせめてもの「夏」なのでしょうか、「夏空」というものを今年はほとんど見ずに、立秋を過ぎてしまいました。
 今日はお盆に帰ってこられたご先祖の霊を送る日。
 境内の駐車場は、墓参に来られた檀家の方の車がひっきりなしに出入りしていました。
 お迎えしたご先祖を送るために来られた方もあれば、初めてお盆のお参りするという方もあり、皆さん様々。でも、墓参の方々の多くは、本堂へお参りされずに、墓地へ直行・直帰。せめて本堂へはお参りしていただかないと・・・。
 本堂のあたりを歩いておられる方は、ほとんどが観光客。送り火までの時間を散策して過ごしておられるのでしょう。
 「大文字は見えますか?」という問い合わせの電話も、何件かかかってきました。「真如堂からはすべての送り火が見える」と書かれた無責任なガイドブックのせいかも知れません。真如堂からは、それほどきれいに送り火が見えるわけではありませんので、「○○に行かれたほうがいいですよ」と、ガイドしてさしあげました。


         供花も灼ける墓所 / 供物は段ボール箱へ  マウスを載せれば写真が変わります
 お墓では、ほとんどの墓石にはお花が供えられ、多くは色褪せて干からびつつありました。
 お彼岸、お盆と様々な行事がありますが、最も多くの方が墓参されるのはお盆でしょう。
 でも、お盆の棚経に回っていて、「足が痛くてお墓にお参りできません」「誰も一緒に行ってくれる者がいないので・・・」という声を、何人もの方から聞きました。
 親子、孫と3代が揃って墓参しておられる姿はほほえましいものです。お墓にお参り出来る人は、たとえ様々な困難があったり、満たされているわけでなくても、まだある意味幸せなのかも知れないと思いました。
 総門前の道端には段ボール箱がいくつも並んでいました。お盆の時期、京都市内の社寺や公園近辺で見られる光景です。
 側に張ってあるポスターには、「お精霊送りのお供物は川に流さずに指定場所へ 収集は8月17日に行います。問合せ先=まち美化事務所、まち美化推進課」などと書かれています。精霊送りの済んだお供物は、この「お供物入れ 京都市」と書かれたダンボールの中に入れることになっているのです。川に流したりしたら大目玉です。
 この段ボールに入れられたものとゴミ収集で集められたものの行き先は同じ? 別? お盆ならではの光景です。




     ひ  と  り  来  て  お  盆  の  過  ぎ  し  墓  を  掃  く          清崎敏郎






          精霊送り灯ろう供養会       マウスを載せると写真が変わります
 今日の午後7時半からは、「精霊送り灯ろう供養会」。本堂で精霊送りの法要を行うと共に、本堂の前庭に紙灯ろうを「大」の字に並べて蝋燭の明かりを灯し、精霊をお送りしようという法会です。
 一昨年までは本堂脇の池に灯ろうを浮かべていたのですが、あまり見栄えがせず、また池の中でクルクル回っているだけなので、昨年からこの方法に変更しました。
 午後から、前庭に木っ端を使って「大」の字を書き、「そのラインはもっと曲がっているほうがいい」「それはちょっと長過ぎ」などとシミュレーションをして、灯ろうを並べました。
 皆さんが寄進された灯ろうは、約90基。「私の灯ろうはどこですか?」と尋ねる人も多いので、「大」の画数3にあわせて、「ア−15」「イ−8」などと番号を付けて張り出しました。
 法会には結構たくさんの方がお参りくださいました。暗闇に浮かぶ「大」の字は、スケールこそ‘本物’には到底及びませんが、なかなか美しかったですよ。
 お盆の行事、これですべてお仕舞い!!


     日々花数の増える茶所前 / 今年最後から2つ目の蓮の花  マウスを載せれば写真が変わります
 立秋を過ぎてから、茶所前の西洋朝顔がよく咲くようになってきました。
 種の袋に書かれている説明では、開花時期は8月半ばから10月末まで。これからがお楽しみの時期です!
 植えてある2種の「フライングソーサ」と「ヘブンリーブル」のうち、今たくさん咲いているのは圧倒的に前者です。「フライングソーサ」は青と白の絞り、「ヘブンリーブル」は鮮やかな青。いまは白がちな花、青と白の花、真っ青な花が混ざり合って咲いています。
 これからが大いに楽しみです。境内にお越しになった時は、ぜひともご覧ください。
 自坊の蓮も、もう終わり。この花が最後から2つ目です。
 今年の蓮は、日照不足のせいでしょうか、不調でした。葉が伸びすぎて、花が隠れてしまいそう。花の色にも今ひとつ冴えがなかったように思います。
 木槿も元気がなかったように思いますし、百日紅もそうかも知れません。夏に咲く花は、お暑いのがお好き?
 蓮さん、また来年! 今年もありがとう。




      送   り   火   の   あ   と   束   の   間   の   月   明   り          飯田龍太