8/8版
夕方の青空と本堂 / もみじ葉を通して刺してくる日の光 マウスを載せれば写真が変わります |
少し早い目のお盆の棚経に回っていて、「今日は今年最高だ」と肌で感じました。
これまでの暑さとは‘質’が違います。ジリジリと焦げ付くような日差しが、肌に突き刺さるような感じでした。
今日の京都の最高気温は36.5度。もちろん、この夏一番の気温でした。
今年の近畿地方の梅雨明けは8月3日。近畿は平年より15日遅く、冷夏の影響で梅雨明けを特定できなかった1993年を除くと、観測史上、最も遅い梅雨明けでした。
梅雨明けが遅かった分、真夏の到来も遅くなったのでしょうか? すでに立秋を過ぎているにもかかわらず、暑さの本番はまだこれからとか。例年、立秋を過ぎてお盆を迎える頃には暑さも一段落するのですが、今年はそうではなさそう。坊さん泣かせの今年の気候です。
最近、昼間は棚経に出かけているので、お寺にいるのは早朝か夜。今日は夕方にいったん帰ってきて、何とか写真を撮ることができました。
夕方とはいえ、厳しい日差しに少しも容赦はありません。扉が閉まった本堂の階段を素足で上ると、熱せられた木が飛び上がるほど熱く、『熱いトタン屋根の猫(Cat on a Hot Tin Roof)』という戯曲のタイトルを、即座に思い出しました。
本堂の階段は、夏は熱く熱せられ、冬は雪が吹き込んで凍てつくこともあります。そんな中を300年以上も保ち続けているのですから、本当に大したものです。屋根はさらに過酷なこと、間違いありません。
話は少し逸れますが、この階段には鉄の金具が鋲で打ち付けてあるのがおわかりいただけるでしょう。素足であがる階段なら、こんなものは要りません。かつては本堂の上まで土足で上がって参拝できたそうで、その頃の名残として、摩耗除けの鉄が貼り付けてあるのです。
板も熱いですが、この鉄の金具はさらに熱く、数時間経った今でも、足の裏がヒリヒリしています。
猛暑日の夕方、市内は他府県ナンバーの車がたくさん走る中、境内にはほとんど人影もありませんでした。
ほ ら ご ら ん 猛 暑 日 な ん か 作 る か ら 中原幸子
立秋を過ぎた今ごろ本格的な‘夏’がやってきたためか、自坊の百日紅はまだ満開になりません。枝にはたくさんの蕾が付いていますから、これから咲いてくるのでしょう。
百日紅は暑い夏が大好きです。やっとこれからが出番なのかも知れません。
去年の今ごろは咲いてくれていた西洋朝顔のヘブンリーブルーですが、今年はまだ1輪も咲きません。咲くのは、フライングソーサーばかり。それも今日は1輪のみ。鮮やかさでは断然ヘブンが上で、今のところちょっと期待はずれな茶所前です。
ヘブンリーブルーの盛りは10月。去年も暑い盛りには花数も減りましたから、これからに期待することにしましょう。
境内を歩くと、桜やもみじの枯葉が結構落ちています。弱った葉や病葉を落として暑い夏を乗り切る植物の知恵かも知れません。完全に枯れてしまった枝も目立つようになりました。何度刈っても生えてくる草刈りなども含め、結構たくさんの作業がある真夏の境内です。
暑さのピークは来週とか。皆さん、どうかご自愛ください。ボクもお盆に倒れないようにしないと・・・。
炎 天 の 地 上 花 あ り 百 日 紅 高浜虚子
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