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                夕刻の境内         マウスを載せれば写真が変わります
 全国的に暑い日となった今日、京都もご多分に漏れず暑い日でした。
 今日の最高気温は31.8度。でも、33.3度だった昨日と比べれば、まだ少しマシでした。
 京都では30度を越える日が、今日を入れて6日続きました。今月に入ってからでは、すでに9日目。何だか少し慣れてきた気さえしてきます。
 「6月って、こんなに暑かった?」と、今後の酷暑を案じる声も聞かれました。
 木の多い境内は、地面の照り返しなども市街地より少なく、木陰にいるとそれほど暑く感じません。木々の有り難さを改めて思いました。
 日の傾いた境内を散策すると、常連さんたちがいつもと変わりなく、ゆったりと犬の散歩をされていました。床机で寝そべっている人、ベンチで話し込んでいる人、虫取り網を持った親子連れ、ジョギングをして駆け抜けていく人など、みなさん思い思いに過ごしておられました。
 週末になると、遠ざかっていた梅雨前線が段々近づいてくるとのこと。週間予報はまるで当てにはなりませんが、どうやら日曜日頃からは雨。
 晴れが続くと雨を求め、雨ばかりだと晴れて欲しいと願う。勝手なものですが、雨に降られるよりは暑いほうがマシだと思える、真夏日の今日でした。




      半  袖  や  シ  ャ  ガ  ー  ル  の  娘  は  宙  に  浮  く          三井葉子






       朝一番の沙羅 / 実も大きくなってきた菩提樹   マウスを載せれば写真が変わります
 沙羅も菩提樹も、咲き出すまではまだかまだかと何度も見に行くのに、咲いて盛りを過ぎてしまうと薄情なもので、また新しい花を求めて境内を探します。
 毎日本堂の前を通り、沙羅から10メートルほどのところを横切っているのに、花に近づいてみるのは数日ぶり。沙羅の花は、少し盛りを過ぎたようでした。
 花が終わると同時に付いていた菩提樹の実は、数日見ないうちに結構大きくなっていました。
 ボクは、清楚さやはかなさを‘装う’沙羅よりも、渾身の力を振り絞って無数の花を咲かせる菩提樹が好きです。「そんなに咲かせて大丈夫かい?」と言ったのも束の間、すぐに結実させ、その実を大きくしています。この絶え間ない営みには、いつも感激させられます。
 沙羅も菩提樹も、真如堂の6月を彩るシンボルツリー。そろそろ7月がやってくることを思わせる、沙羅の花の散り具合でした。


      咲き始めた木槿 / 初擬宝珠の花と‘金の雨粒’  マウスを載せると写真が変わります
 沙羅や菩提樹が6月の花ならば、盛夏の境内の主役は木槿むくげの花です。
 総門付近には10種類ほどの木槿が植わっていますが、その中の1本、毎年いち早く花を咲かせる木には、もうたくさんの花が開いていました。他の木の蕾も、もうかなり大きくなっています。
 この、いち早く花を咲かせる木に絡まった屁糞葛へくそかずらに花が付くようになると、夏休みがやってきます。
 自坊の新しい庭には、いま絶え間なく‘Golden rain tree’の花粕が降ってきています。栴檀葉せんだんばの菩提樹(モクゲンジ)の花です。
 その‘雨’の中に、擬宝珠の花が咲きました。5月に出来たばかりの庭ですので、咲くのは初めてです。その横の方には、桔梗の花がもうすぐ咲き出そうとしています。
 「折々の花が咲き、秋には紅葉が楽しめるように、庭師さんが工夫をしてくれたのだなぁ」と思います。
 晴れてもよし、雨もまたよし。四季折々、朝な夕なの境内それぞれに趣があります。どの光景に心を惹かれるか、それはまた自分の心を写す鏡のようなものかも知れません。
 境内の紫陽花も、もうしばらく楽しめます。




    足   裏   を   見   せ   て    あ   し   た   は   き   っ   と   雨        福本弘明