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           日々、緑濃くなる境内     マウスを載せれば写真が変わります
 梅雨入りを予感させるような、1日中グズグズしたお天気でした。夕方には雨も上がりましたが、明日の天気予報も今日とほぼ同じ。明後日もすっきりはしないようです。
 近畿の梅雨入りの平年値は6月6日頃ですが、最も早いのは5月22日だったという記録もあります。
 「最近、<不快指数>という言葉をあまり聞かなくなったなぁ」と、ふと思いました。エアコンのお陰で、室内にいる限り、不快だと感じることが少なくなったからでしょうか? 今日は湿度は高かったものの、気温はさほど高くなく、不快さは感じませんでした。
 何と、今日の最低気温は19.8度、最高気温は22.7度。その差は3度ほどしかありませんでした。



             緑の重なりで色が変わる / ポッカリ開いた闇      マウスを載せれば写真が変わります
 先日お越しになった方が、「私、の下闇に行ってみたいのです!」とおっしゃいました。その時、ボクの頭の中には、トトロの住む森の景色がよぎりました。
 「木の下闇」とは「木が茂って、その下が暗いこと。また、その所。こしたやみ」(『大辞泉』)ということです。
 新緑の頃には暗く感じなかった場所も、緑の色も一層濃くなったために、次第に「闇」を感じるようになってきました。  今日は雨がちで、日照時間はわずか0.2時間。場所によっては、多少、それらしかったですが、「闇」というほどでもありませんでした。
 緑が重なったところは光が遮られて暗く、少しでも光を受けているところは緑が際立って、その陰影が織りなす景色が今の季節の醍醐味かも知れません。
 折り重なった緑の中のポッカリ空いた空間に、三界万霊の石仏がたたずんでいる様子は、とても幻想的。今日のお気に入りの1枚です!




       下   闇   に   ぽ   か   と   明   る   き   穴   あ   り   ぬ        勝又一透






        足場から見た山法師 / 鮮やかな皐月      マウスを載せると写真が変わります
 境内は、当分、工事ラッシュです。
 茶所横のトイレは立て替え中。正面参道の下から見ると、トラックが数台並んでいるので、違和感を感じます。
 書院の一角の「宗恭殿」は屋根の葺き替え工事中です。こちらは素屋根を架けての大がかりな工事です。
 その足場に登って工事の進み具合を眺めていたら、山法師の花がたくさん咲いているのが眼下に見え、ハッとさせられました。下から見るよりも、上から見たほうが綺麗な花です。
 色鮮やかな皐月の花も今が盛り。今日のような少し薄暗い日に皐月の花を見ると、沈みがちな気分が高揚して、救われる思いがします。
 塔の南側を歩いていたら、甘〜い香りが漂ってきました。「あっ、はぜが咲いたんだ!」とすぐにわかりました。木の下に行ってみると、「ブ〜ン」という蜜蜂たちの羽音が聞こえて来ました。羽音は、これから日に日に大きくなっていくでしょう。


    七段花 / 一番の早咲き、濃紫  マウスを載せれば写真が変わります
 紫陽花も5種類ほどが咲いてきました。七段花、濃紫、四季咲、白妙、舞妓など、すべて園芸種の早咲きです。
 紫陽花を増やそうと、挿し芽をして少し大きくなったのを地植えしたら根こそぎ盗られ、懲りずに植えたらまた盗られ・・・。そんな繰り返しでしたが、ようやく株も成長してきました。これからはどんどん咲き揃って行くでしょう。
 やっぱり、梅雨の花の主役は紫陽花ですね。
 もう1週間〜10日ほどすると、本堂前の菩提樹が咲いてくるでしょう。続いて沙羅の花も。
 咲いている花を見つけ出す、宝探しのような季節。思った以上にたくさんの花が咲いています。そんな楽しみ方もできる境内です。




      子  探  し  の  声  の  遠  ゆ  く  か  た  つ  む  り         上田五千石