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        両側から迫る柔らかい緑 / 緑の天蓋の如くに    マウスを載せれば写真が変わります
 新緑の木々を喜ばせるがごとくに、たっぷりと雨の降った昨日。その名残の時雨が、今朝もわずかに降りました。
 時々思い出したように日が差しましたが、本格的に天気が回復してきたのは夕方の4時頃。
 雨から曇り、曇りから雨。お日様の光は実に有り難い物だと、実感しました。
 この1週間で、緑がずいぶん色濃くなりました。立夏を過ぎ、木々たちも春から初夏へと衣替えをしたような感じです。
 季節に応じた適切な衣替えをする植物たち。植物それぞれに組み込まれている‘プログラム’が違うのも、自然の妙という他ありません。境内をグルッと1周するだけでも、その妙技を十分に堪能できますが、そこに禽獣や虫たちの営みが加わるのですから、境内は四季折々にパラダイスです。


           緑陰に子守しながら本読む女性 / 静かな境内    マウスを載せれば写真が変わります
 緑陰のベンチで、ベビーカーを横に置き、赤ちゃんの顔を見ながら本を読んでいる女性がおられました。
 木漏れ日が差すその空間は、時間が殊更ゆったりと流れているように見えて、何とも羨ましく感じられました。
 今は暑くもなく寒くもなく、蚊に悩まされることもなく、快適な時間が過ごせます。でも、水溜まりにはもうボウフラがたくさん湧いていますから、蚊対策が必要になってくる日はそう遠くないでしょう。
 こうしてベンチでゆったりしておられる人の姿を見るにつけ、「ベンチを新しくしてよかったなぁ」と思います。皆さんもお弁当やおやつ持参でどうぞ!
 連休は訪れる人もそれほど多くなく、皆さんどこへ行っておられるのだろうと思いましたが、今日は平日にしては人が少し多目でした。最近の人の流れは予想がつきません。




       新   緑   の   香   に   新   緑   の   風   を   待   つ        稲畑汀子






      花の木の雌花の種 / 可愛いもみじの種    マウスを載せると写真が変わります
 花の季節が終わると、結実の季節です。
 もみじ、花の木、そして桜などが実を付け、そしてそれを‘撒き’始めました。
 前回のこのページに載せたのは、雄株の花の木の実の写真でしたが、今日は雌株の種です。種も雄株のほうが綺麗です。
 長さ2センチ以上あるこの種が、クルクルと回りながら落ちて来始めました。風が吹いてたくさんの種がクルクル回りながら落ちる様子は、「ワァーッ!」と声を出しそうなほど愉快で美しいものです。
 もみじの赤い種も新緑の梢に目立つようになってきました。緑と赤のコントラストが美しく、とても可愛いいのですが、多くの方は見落としたまま通り過ぎて行かれます。
 「これがもみじの種ですよ」と教えてあげると、たいていの人は「もみじに種が出来るなんて知りませんでした」とおっしゃいます。「もみじだって、種を付けますよ!」
 せっかくの木々たちの営み、しっかりと見てやってくださいね!


    自坊の門より高い大躑躅 / 花の数はいくつ?  マウスを載せれば写真が変わります
 自坊の前の、大きな平戸躑躅つつじの花が見頃になってきました。自坊の木の中でも、最も人目に付く木の1つです。
 子供の頃、よくこの木の下に隠れて遊びました。今もこの花が咲く度に、「樹齢は何年ぐらいだろう?」「誰が植えたんだろう?」と思います。
 例年は連休の頃に見頃を迎えるのですが、今年は少し遅れ気味です。4月以降、暑かったりヒンヤリしたりした気候が影響しているのでしょうか?
 雨が降った後、水滴が乾かないうちに日が差すと、雨粒がレンズのような役割をして、花に白い斑が入ってしまいます。今日もそれを案じましたが、夕方から日が差してきたのは幸いでした。
 写真をよく見ていただくとわかりますが、躑躅は下の方から花が咲いていくのですね。上の方から咲いていく木もあれば、下の方から咲く木もあります。木それぞれに理由と工夫があるのでしょうね。
 新緑の落ち着いてきた境内、皆さんのお越しをお待ちしております。




      盛   り   な   る   花   曼   陀   羅   の   躑   躅   か   な        高浜虚子