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「春風駘蕩」とは、『広辞苑』よると、「春風がのどかに吹くさま。転じて、性格・態度がのんびりしているさま」をいうそうです。 朝のうちは結構肌寒かったですが、午後の屋外はまさに春風駘蕩。春風駘蕩とはほど遠い性格のボクも、しばしその雰囲気に浸っていたいと思いました。 境内の新緑は25日のこのページとさほど変わらず、みずみずしい若葉色で、そこを渡ってくる風は「薫風」と表現するにはまだ少し早いものの、実に爽やかです。 境内を行き来する人ものんびり。こんな日に部屋の中にいるのは勿体ない。野や山に出て、自然を満喫するに限ります。新緑が実に清々しい日でした。
「春眠暁を覚えず」とはまるで反対のボクは、薄ら明るくなってくると、寝ているのがもったいなくなって起きてしまいますが、まだ肌寒く感じることが多い、ここ数日です。 朝は、鴬がよく啼いています。鳴き声に自信を持つようになったのか、最近はかなり饒舌です。 朝日のさす頃の境内、真っ昼間の境内、夕刻の境内。それぞれ趣があって、境内を1周するだけでも、飽きずに楽しめます。 今や真如堂のアイドル的存在となった野良猫たちは、朝は餌を持ってきてくれる人を待ち、昼はのんびり昼寝。今日の夕刻は散歩に来ていた犬と大喧嘩。リードに繋がれて自由な動きができない犬を小馬鹿にしたように立ち向かっていき、猫パンチをお見舞いせんがばかりの剣幕。猫の本性を見た思いがしました。 朝 顔 を 蒔 く べ き と こ ろ 猫 通 る 藤田湘子
いまは平戸躑躅も綺麗です。平戸が咲くと、初夏という感じがしてきます。シャガも満開。お隣の黒谷(金戒光明寺)まで足を伸ばすと、紫雲石(西雲院)の境内では牡丹を楽しむことができます。さすがに豪華ですね。無料です! 自坊の前では、 今日、本堂裏のナンジャモンジャが咲いているのを見つけ、職員や拝観に来られていた方々と、「どこですか?」「あそこですよ!」と一頻り楽しみました。名前でも得をしている感のする花です。 花ではありませんが、「花の木」の種が朱く色づいてきて、日が当たると、なおさら綺麗に見えるようになってきました。そろそろ種が飛び始めるでしょう。 それもまた見事。2センチほどの赤い翼果が、クルクル舞いながらいっぱい落ちてくる光景は、何とも美しい! 落ちた種が敷き詰められた地面もまた綺麗です。 延々と降り続ける樫の木など広葉樹の落葉をカサコソと踏みながら歩くのもまた愉快です。 いっぱい楽しみのある、今の境内。もうすぐ八十八夜、そして初夏です。 先 人 は 必 死 に 春 を 惜 し み け り 相生垣瓜人 |