3/8版
雨が多く、温かかったり肌寒かったりの不安定なお天気が続いていましたが、10日頃からはお日様も出て、春らしいポカポカ陽気になるとか。週後半には雨の日もあるようですが、寒くはならず、季節は一気に春本番へ! 当たるといいなぁ〜 天気予報。 今日は、まずまずのお天気だった割には、人出はそれほど多くはありませんでした。もう少し温かくなって、1日中春の日差しが照るようにならないと、人の活動意欲は活性化してこないのでしょうか? 服装を見てもまだ春らしくはなく、コートも冬用で、色もダーク。そんな中、和服の女性のピンク色が、境内で際立っていました。
開花予想も出そろってきました。 日本気象協会は、京都の桜の開花予想を3月21日、満開日は30日と発表しました。ウエザーニュースは、嵐山が3月27日開花、六分咲の見頃が30日。気象庁は3月27日開花と、それぞれ発表しました。 ボクの予想では、境内で一番早く咲く枝垂れ桜の開花は3月24日。春日局お手植えの「縦皮桜」もほぼ同時。染井吉野は26日頃。さぁ、当たるでしょうか? もみじの枝先はいっそう赤みを増してきました。芽もわずかに膨らんできているように思います。
梶井基次郎の小説『桜の樹の下には』で、主人公は、桜の樹が美しいのは下に屍体が埋まっているからであるという空想に駆られます。春になると、実際にそう思わせるような臭いがしてくるのです。あたたかくなって、土中のバクテリアが活性化するのが原因です。 この臭いは、ボクにとっては春を感じる大きな要素です。今年初めて、その臭いを嗅いだのです。近いうちに境内の日当たりのいい場所でも、フワッと漂ってくるでしょう。 自坊のサクランボも、6日に咲き出し、今日はもう3〜4分咲きです。例年よりも10日ほど早い開花です。 少しずつ確実に春はやってきています。 森 霞 む 日 付 け の 赤 き 日 曜 日 櫛原希伊子
いまは涅槃図の特別拝観をしていて、拝観料は「花供曽」付きで600円。花供曽の値段を考えると、涅槃図も見ることができ、あられももらえる今の期間はお得です。 でも、せっかく庭を楽しみにお越しになった方には申し訳ないという思いがあり、それには替えられませんが、今日は特別にもう1幅涅槃図を公開させていただきました。大涅槃図と小さい涅槃図が並んで公開されていたのです。 小さい方の涅槃図は、明兆(兆殿司)作と伝わるもので、南北朝時代のもの。大涅槃よりも300年ほど古いものです(福井県剣神社の「八相涅槃図」と、中央部分が酷似していると言われています)。 中央に、薄く眼を開け、右腕を枕に左手を身体に添って延ばした釈迦如来が横臥されています。衣全体に載金が施され、枕もとには衣鉢が置かれ、錫杖が沙羅樹に立てかけられています。お釈迦さまの母麻耶夫人が侍女に囲まれて画面右上に飛来しています。お釈迦さまを取り巻く菩薩・天部・羅漢も多く描かれています。 色鮮やかで大きい大涅槃図の横では少し霞んでしまう感じもあり、一瞥するだけの人もいましたが、明兆は東福寺の大涅槃図の作者であり、涅槃図の値打ちとしては決してひけを取りません。比較して見てみても面白いでしょう。 この涅槃図の‘そろい踏み’は、庭園拝観が中止になる14日にも行われます。ぜひどうぞ!
満開にならないとあまり目立たない花ですが、今日は遠目にも鮮やかな黄色が引き立って見えていました。 例年は彼岸の頃に咲くのですが、やはり今年はずいぶん早目の開花。山茱萸の花も、ボクにとっては春の訪れを実感させてくれる花です。 馬酔木、山茱萸、椿、白梅、紅梅、さくらんぼ、侘び助、水仙・・・と指折り数えてみると、すでにもうたくさんの花が咲いています。 境内をウロウロして、「あっ、こんなところに!」と花を見つけるのも楽しみになってきます。下を見たら、タンポポやハコベなども、もう咲いています。 そろそろ春物を着て、お出かけになってみませんか? マスクも要りますね? 枯 色 に 山 茱 萸 の 黄 の 新 し や 高木晴子 |