2/20版
今朝になってあちこちを点検してみると、本堂裏の回廊は、北東からの風雨が吹き込んで、びしょ濡れ。書院はまた雨漏り。 「こんなに吹き込むのは初めてです」と、去年6月から勤め始めた職員さんも驚いていました。 自坊では、暗闇の中、バタバタと風に煽られ続けていた屋根のトタンが、1枚飛ばされていました。 軽微な実害がいろいろありましたが、「また一足、春に近づいたなぁ」という気のする夜半の嵐。少しうれしくもありました。 今日は夕方になってやっと晴れ間が出てきましたが、まだ時々、強い風が吹いています。 明日の朝まで風が強いそうですが、午後の日差しには春の気配を感じられるようになるとか。やっぱり、確実に春がやってきています。
「下萌」という菓子もありましたが、野はまだ萌えていません。でも、苔の色が少し鮮やかになってきたように感じます。苔は草などに比べて、少し早めに春の営みをスタートさせるのでしょうか。 1日の平均気温が5度を上回るようになると、木々の根が動き始めるそうです。‘外見’からはあまりわかりませんが、もうすでに植物の春は始まっているのですね。 超曇天、時々時雨の境内。訪れる人はほとんどなく、本堂の床を修理する大工さんの槌音が、時々聞こえてくるぐらいでした。 タクシーの運転手さん曰く、「雑誌を持って歩いている人の姿が少し多くなってきました」。人も春を感じ始めているのですね。 春 服 の 人 ひ と り 居 り や は り 春 林 翔
ちょうど椿の木の下だったので、「あっ、鳥が椿の蕾を突いて落としたんだな。せっかくこれから咲こうとしているのに、もったいない」と鳥を責めつつ、緑にピンクのコントラストがあまりにも綺麗で、思わず写真を撮りました。 帰ってから写真を編集していて、これが椿ではなく、桃の蕾であることに気が付きました。おそらく、墓参に持って来られた桃の花の蕾が、何かの拍子で落ちたのでしょう。なぁーんだ・・・。でも、きれい。 去年新調したベンチの上には、今どき珍しい完全な形のもみじの葉が、濡れてくっついていました。 落ち葉の時期からもう2ヶ月以上経った今、もみじの枯葉はほとんどなく、落ちていたとしてもボロボロになっています。こんなに綺麗な形で、しかもベンチの上にのっているなんて、信じられないほどです。 「きっと誰かが置いたに違いない」と思いましたが、夕べの強風の中、よくも飛ばされずに張り付いていたものです。 落ち葉の時期にこんな光景を見ても何とも思いません。今ならではの驚きだと、またそんなところにも季節の移ろいを感じました。
境内の木々のことは、誰よりも早く敏感に察知しているつもりでしたのに、ちょっとショックでした。 山茱萸の花は咲いているというほどではありませんでしたが、蕾がかなり膨らんで、もうあと数日で開きそうでした。 20本ほどある山茱萸の木の中でも、毎年、一番先に花が咲く木は決まっています。今朝も境内をぐるっと一周して、その木を一瞥したつもりでしたが、咲きかけている木はその木とは別の、いつも‘普通に’咲く木なので、注意を払わなかったのです。この木だけ飛び抜けて早く蕾が大きくなっていました。 「ぜんぜん知りませんでした。負けました」と、完敗を認めざるを得ませんでした。 山茱萸も馬酔木も、いつもの年よりも数日早い開花です。 民間気象会社「ウェザーニューズ」が16日に発表した桜の開花予想では、暖冬の影響で、開花は全国で過去5年の平均より3日ほど早く、近畿は3月25日となっていました。 6日に日本気象協会が発表した予想では3月31日でしたが、ボクの予想はウェザーニューズ寄り。今年はきっと早いですよ! これからは春の話題をお届けするのが楽しみです。 熊 の 子 も 一 つ 年 と り 穴 を 出 づ 三橋敏雄 |