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天気予報ではポカポカ陽気になるだろうと言っていたので、さぞかし陽光が降り注ぐあたたかい日になるのだろうと期待していたのですが、最高気温は15.6度と3月末並みだったものの、体感的にはそれほどではありませんでした。 関東や北陸、中国、四国、九州では「春一番」が吹いたとのことです。近畿だけが放っておかれたようで、京都ではほとんど風も吹きませんでした。 どうやら、今夜に前線が通過して、春の嵐になる様相。土曜日は天気も回復し、朝から異様なほどの暖かさになるそうです。15日には黄砂もやってきそうです。いずれも春の兆しです。 こんなにあたたかくては、桜の開花は益々早くなるかも知れません。3月になると、ウェザーニューズは月曜日に、日本気象協会は火曜日、気象庁は水曜日に開花予想を発表します。桜を見に京都に来られる予定の方、目が離せませんね。
この暖かさを植物たちが感じていないはずはないのですが、軽率に動かないようにお互いに申し合わせて、じっと堪えているようにも思えます。そう考えると、春にすべてのものが一気に動き出す不思議が理解できるような気がしてきませんか? 18日は「雨水」。暦は、雨水、啓蟄、春分と移ろい、本格的な春へと向かうスピードは放物線を描くように上がっていきます。 相変わらず、人影のほとんどない境内。見るべきものは何もないのですから、訪れる人が少ないのも致し方ありません。 毎週、同じような写真を撮らざるを得ないボクの身にもなって欲しいなぁ・・・。 春 雨 や 人 の 言 葉 に 嘘 多 き 吉岡 実
有名な菅原道真の句です。 自坊前の梅も満開。折しも、今日は全国的に春一番が吹き荒れました。季節的には、ちょうど今頃に詠まれた句でしょう。もっとも、春一番は南から吹く風で、東から吹く風ではありませんが。 梅は、中国の長江流域が原産で、日本には8世紀半ばに渡来したそうです。平安時代以前は桜よりも梅が愛でられましたが、平安時代以降は桜に興味が移っていったようで、また、万葉集の頃は白梅が、平安時代になると 紅梅がもてはやされるなど、植物にも人気の盛衰があるのですね。 季節が徐々に春に向かう頃に咲く梅は、桜のように駆け足ではありません。花期も長く、ゆっくり楽しめます。枝振りも、梅のほうが面白く思えます。ただ、もう少しあたたかい時期に咲けば、もっと多くの人が見てくださるでしょうに・・・。 ボクは梅の清楚さが好きです、桜の色気よりも。
3週間前に咲き出した木はもう満開。別の木も咲き出しました。でも、見頃はまだ先。アップなら可愛いのですが、引いて撮ったらなかなか写真映えのしない花です。 彼岸の頃に見頃を迎える 自坊の庭の 樒は仏前を荘厳したり、墓前に供えるのに使うため、境内や墓所にもたくさん植わっています。葉の細長いものや丸いものなど、多少の違いがあるようです。 5本ほどの樒を見て回りましたが、花が咲いているのは自坊の1本だけ。桜のように一気に咲くのではなく、結構バラバラに咲くという印象があります。葉の形に違いがあるように、DNAに違いがあるのかも知れません。 花や葉、実、すべてに毒があり、特に実は食べれば死亡する可能性があるほど毒性が強く、「シキミ」の語源も「悪しき実」だという説もあります。 花の少ない時期、樒の花も貴重な‘ネタ’です。佳い香りもします。 村 人 の 見 ざ る 樒 の 花 を 見 る 相生垣瓜人 |