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ガラスに遮られた部屋の中にいるとポカポカ陽気。でも、一歩外に出ると、容赦なくビュービュー冷たい風が吹き付けてくるので、思わず風下に顔を向けました。 気温は上がらず、最高気温は10.2度。最低気温は4.7度。体感的には、もっと温かかったような、逆にもっと寒かったようにも思えました。 天気がいい割には、境内は閑散として、行き交う人の姿も稀。お天気がいいとはいえ、まだ人が動き出したくなるには少し早いのかも知れません。 人が少なくてのんびりでき、風を遮ることのできるところにいさえすれば眠たくなるほどのポカポカ陽気。なかなかステキな浅春の日でした。
夜が明けて、明るんでくるのが日一日と早くなってきました。 暦を見ると、京都の場合、最も日の出が遅かったのは1月6〜8日の7時5分。それから少しずつ早くなって、今では毎日1分ずつ早くなり、今日は6時52分。実際には6時15分頃には少し白んできます。もちろん、日の入りも日々遅くなり、1日が長くなって、ずいぶん得をした気分です。 庭に鳥の餌台を作って、お仏飯のお下がりを施していますが、最近のご飯の減り具合の早いこと! たくさん置いておいても、ヒヨ、メジロ、スズメなどが入れ替わり食べに来て、気が付くとすっかりなくなっています。鳥たちの食欲が旺盛になってきたのでしょう。こんなところにも春の訪れを感じます。 今日のような快晴の日は、日差しの‘色’も違って見えます。どう違うのかうまく言えませんが、キラキラ‘春めいてきた’気がするのです。 あー、いろいろなものに春を感じることが出来る! 何だかすごくうれしいなぁ! 春 立 つ と 古 き 言 葉 の 韻 よ し 後藤夜半
ふと見ると、扉の落とし金具を飾っている「蝉」が、日差しを受けてとてもあたたかそう。 何回も真如堂を訪れたことのある方でも、本堂の扉に蝉がとまっていることをご存知の方はほとんどおられないでしょう。扉の落とし金具は、扉が開いている時は折った扉の影になっていて簡単には見ることが出来ないのです。 落とし金具に河童や亀、蝉などの装飾があるのは、知恩院の御影堂などでも見られます。水生の生き物は火難除けとして、蝉は人が近づくと逃げることから忍び除けだとか。なかなか洒落ていますし、職人の遊び心も感じられます。 「どこにあるのだろう?」と扉をガタガタ触っておられると、きっと本堂の堂守さんに叱られます。蝉を探される時は、許可を得てからにしてくださいね。
北野の天神さんの梅園も7日から公開。見頃は 2月下旬〜3月中旬とか。随心院、梅宮大社、御所、植物園などの梅の名所も、にぎわってくるでしょう。 本堂北側の馬酔木も、また少し咲き進みました。でも、まだよほど目を凝らして探していただかないと、どこに咲いているのかわかりません。 「あっ、こっちの蕾も膨らんできた!」と、開花を待ちわびつつ観察するのも楽しみです。満開になってしまった時よりも、むしろ咲いているかどうかと何度も見に行ったり、咲きつつある様子を見ている時の方が、ずっとワクワクする気がします。 しばらくは、ワクワク、あるいはがっかりしながら、春の訪れの‘験’を探す日が続きそうです。 心 に は 咲 き 満 つ 日 あ り 梅 三 分 稲畑汀子 |