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どうやら、寒くなるのは今夜から。強い寒気がドッと押し寄せてきて、冷たい風が強くなり、一気に冷え込んでくるそうです。そして、土曜日からは市街地でも雪模様とか。 5日は「小寒」。これからは寒さも本格化します。明日からの寒さは、まずその先鞭といったところでしょうか。 それにしても、そんな冷え込みを予感させることのない今日のお天気でした。
雨に洗われた木々は、空気が凜としているせいもあってか、透明感が増して見える気がしました。木々の‘形’を見るには絶好の季節です。 そんな境内に見える人影は、犬の散歩に来られた方など、いつもの「常連さん」。 気候のいい頃にはベンチに座ったりしながら、のんびり犬の散歩をされている方も、冬の寒い時期には少し駆け足のような気がします。散歩に来ては去り、また来ては去りと、何人もの人が境内にたむろしている景色は見られません。 犬も‘裸足’では寒いでしょうし、飼い主が長話に興じてくれないほうが、犬は大助かりでしょう。 に ん げ ん の 重 さ 失 せ ゆ く 日 向 ぼ こ 小倉涌史
猫たちは何をするでもなく、それぞれに適当な距離を保ちながら丸くなり、時おり毛繕いをしたり、日が当たると気持ちよさそうに目を細めたりしながら、平和な時間を送っています。そんな光景をのんびり見ることができる時間も、また平和です。 冬の境内の何よりもの‘お接待’は、そんな静かで心安まる時間を過ごしていただけることではないでしょうか? 「冬の境内が好き」とおっしゃる方は、冬の境内にはそんな世界が広がっていることを、きっとご存知なのでしょう。 温かい缶コーヒーで手を温めながら、猫たちのそばで過ごす時間。猫好きの方なら、なおさら至福の時でしょうね。
どうして真冬に咲く水仙や蝋梅は、あんなに芳しい香りを放つのでしょう? 虫を引きつけるためでしょうか? 梅はまだかな? 馬酔木は咲いたかな? と境内を回ってみましたが、まだどちらも咲いていませんでした。 気のせいか、千両の実が少し少なくなってきたように感じました。お正月明け以降、鳥たちの食指が南天や千両などの実に伸びていきます。そして、あっという間に、せっかくの綺麗な実がなくなってしまいます。 花が咲いたり、実がなったりということばかりではなく、実が消えていく様子に季節の移ろいを感じるのは冬ならではでしょう。 さぁ、寒さの到来。ご用心ご用心。 水 仙 や 束 ね し 花 の そ む き あ ひ 中村汀女 |