12/26版
夜が明けて外を見ても雪の気配はなし。地面が濡れていたので、「雨だったのかな?」と思ったしばらく後、屋根の上にうっすらと積もっている雪に気が付きました。 今年初めての雪でした。京都の初雪の平年値は12月14日ですが、昨年(30日)に続いて遅い初雪となりました。 境内に出てみましたが、雪は本堂などの屋根にうっすらと積もっているだけで、雪景色とはいえない程度。セスナが飛びまわっている音がしました。きっと雪景色の取材でしょうが、‘不発’に終わったでしょう。 その後は、時には吹雪いたり、時雨れたり、またパッと青空が広がったりの不安定なお天気。最高気温6.2度の寒〜い1日でした。
今日は17人と急増! 雪景色を期待して来られた方に違いありません。せっかく来てくださったのに、残念でした。 紅葉の頃がきれいなことは申し上げるまでもありません。それから比べると、今は極端に見どころが少ないでしょう。でも、本当に心が落ち着くのは今ごろの季節です。 寒さに震えながら、本堂の廊下に座って境内を眺めていると、澄んだ空気が体の奧までしみ込んでくる気がします。冬ならではの凜とした感触です。 何もない冬にお越しになる方は、そんな感触をご存知なのでしょう。「来てくださってありがとう。冬の境内を存分にお楽しみくださいね」と、心の中で声をかけたくなります。 雨 に 来 て 霙 に 帰 る 別 れ か な 山手樹一郎
濡れた石がキラキラと光る様子は、とても綺麗でした。 石は、濡れた時、乾いた時、朝の光、夕の光、それぞれいろいろな表情を見せてくれます。あたたかそうだと思って触ってみると驚くほど冷たかったり、見た目以上にツルツルしていたり、奥深さを持っています。 「この石はどこから運ばれてきたんだろう・・・。いったい何人の人がこの上を通っていったんだろう・・・」 屋外でそんなことを考え始めると、すっかり冷え切ってしまいそうです。 11月に修復を終えた蔵の壁に、木々の枝の影がくっきり写っていて、実物以上に‘芸術的’でした。 漫然と歩いていると何の変哲もない境内ですが、「何かおもしろいものないかなぁ・・・」という気持ちでいると、玉手箱のようにも感じられたりします。見る人の気持ち次第です。
2月にボク自身の環境が大きく変わって以降、このページの更新に十分な時間を使うことが出来なくなりました。 今までは何度も境内に出かけて、しゃがんだり寝そべったりしながら写真を撮っていましたが、それも出来なくなり、費やすことのできる時間もめっきり減ってしまいました。自分でも「つまらなくなったなぁ・・・」と思うことがあるのに、いつも見てくださって、心から御礼申し上げます。 当面こんな状態が続きますが、少しでも折々の真如堂の様子を皆さんにお伝えしたく、また来年も続けていきたいと思います。 100年に1度の不況とやらで、あまりいい話は聞こえてきませんが、少しでも皆さんにホッとしていただけるページを作っていきたいと思います。 来る年が皆さんにとって幸多き年となりますようお祈り申し上げます。今年もありがとうございました。 大 晦 日 こ こ に 生 き と し 生 け る も の 高浜虚子 |