12/12版
9時頃から1時過ぎ頃にかけては、青空が広がる文句なしの晴天。いつまでも、どこまでも歩いていたい気分になりました。 斜めに差し込んでくる朝の光を受けて、夕べの雨に濡れたもみじの落ち葉がより美しく見え、少し靄もかかって幻想的。見飽きることのない光景でした。 かつて境内に住んでいたことのあるオランダ人の男性が、昨日、境内に散歩に来られました。彼は、「いつもの真如堂が戻ってきたねぇ。これが‘ボクの真如堂’です」と、嬉しそうに話してくれました。そう、いつもの真如堂が戻ってきました。 紅葉の境内ももちろん綺麗ですが、静寂とのどかさに包まれた境内こそが真如堂の真骨頂。そういう雰囲気がようやく戻ってきて、しかも今日は素晴らしい天気。それを誰にも邪魔されずに存分に味わえるのですから、実に贅沢です。
とても12月半ばとは思えない光景でしたが、境内でお弁当が食べられることをご存知とは、きっと真如堂通の方々に違いありません。 ボクもこの天気&陽気に誘われて、屋根の上に登りました。「○○と煙は高いところにのぼる」といいますが、‘谷’や樋に溜まった落ち葉の掃除をするためです。念のため。 でも、あまりに気持ちがいいので、棟にまたがって、しばし休憩。次第に冬色になってきた東山を眺めたり、境内をウオッチングしたり、「あー、爽快!」 屋根の上は最高! やっぱり、○○かも知れません。 そ れ ぞ れ の 性 も あ ら わ に 冬 木 立 飯沼しほ女
「5日の雨が・・・・」「あの雨で・・・」と、もう少し紅葉を楽しみたかった人の恨みをずいぶん買ってしまったようです。 今日もまだ紅葉見物と思われる人の姿を見かけます。貸し切りタクシーなども時折来ています。以前から予約をされていたのでしょう。 紅葉の盛りはもちろん綺麗ですが、今日の光景も捨てたものではありません。 冬木立になった木々の中に、落ちるのを忘れたかのような木がポツンとあったりします。その葉が、光を浴びて素晴らしい色に輝いていたりします。 たくさんの色付いた木々の中にあった時は、色とりどりの葉の中に埋没してしまって、その美しさは目立つことはありませんでした。最後まで頑張って葉を落とさなかったおかげで、今はわずかに残った葉でさえ、訪れた人の絶賛を浴びています。
例年、‘敷き紅葉’が見られる本堂裏は、それを楽しみに来られた人のために、まだほとんど落ち葉を回収しないままに保たれています。 夕べの雨のお陰で、カラカラに乾きつつあった落ち葉にも少し生気が戻り、今朝はずいぶん綺麗に見えました。 今年は決して綺麗とはいえなかった本堂裏の紅葉と‘敷き紅葉’ですが、今日の光景しか知らない人には、それなりにお楽しみいただけたのではないでしょうか? 今年の紅葉はよかったという人、悪かったという人、長かった、短かったなどと、人によってその評価はまちまち。毎日同じ木を見ていても、お天気や時間、日の当たり具合によって、綺麗であったり凡庸であったり、様々です。
人慣れして臆せず、多くの人に囲まれて写真のモデルになっていた「シロクロ」。茶店の人に水を掛けられて追われたりもしていましたが、また平和の日が戻ってきました。 雄の「クロ」は、今日は子連れで散歩をしていました。子供に野良猫としての生活訓練を施しているかのようでした。 「ブサイク」は、臆病ですが探求心と茶目っ気にあふれ、いつもちょこちょこ動き回っています。 猫たちが思い思いに過ごす、とても平和な冬の日でした。 本堂のすす払いも11日に終わり、これからは落ち葉の回収作業が急ピッチで行われて、迎春準備に向かいます。 例年困っていた落ち葉の処理も、JAの堆肥場に持ち込んだり、近くの養護学校の農場が引き取ってくださったりと、一気に問題が解決 しました。落ち葉も、焼却されるのではなく、新たな命を育むために役立つのなら本望でしょう。 今年も残すところ20日足らず。いよいよ押し迫ってまいりました。 冬景色の真如堂にも、ぜひお越しください。紅葉の頃とは違う魅力がきっと見つかりますよ。 我 が 生 は 淋 し か ら ず や 日 記 買 う 高浜虚子 |