12/5版
雨は一気に本降りになり、雷鳴までとどろき始めました。こんなことアリス? 必死で枝にすがりついていた葉が、この雨で一気に落とされてしまいました。せっかく掃除をした参道は、また落ち葉だらけ。 地面に降り注いだ雨はやがて集まって、落ち葉を押し流し始めました。流された落ち葉は境内の溝や排水管を塞ぎ、麻痺状態。落ち葉を取り除いてやると、水はゴォーッと音を立て、一気に流れました。「堰を切ったように」という表現がピッタリな光景でした。 雨は昼過ぎにはあがって少し青空が見えては来ましたが、一向に気温は上がりませんでした。
ただ、雨も少しは恩恵をもたらしてくれました。それは、落ち葉を生き生き、艶々と見せてくれたことです。 今年も例に漏れず、色付いた葉は乾燥気味で、枝に付いている時からカラカラに乾いているものが少なくありませんでした。そんな葉が落ちても、綺麗な‘敷き紅葉’にはなりません。 ところが、今日の雨が落ち葉に潤いを与えてくれたので、落ち葉も少しは元気で綺麗。雨で訪れる人も少ない境内。人に踏まれるまでの間、‘敷き紅葉’を楽しませてくれました。
真如堂は、まず11月初旬からカエデが色付いて楽しませてくれ、続いてもみじへと移行していきます。ですから、もみじだけの紅葉スポットに比べて、ずいぶん長い間、紅葉を楽しむことができます。しかも、カエデはもみじよりも安定した美しさを見せてくれますから、実に有り難い助っ人です。 最後は本堂裏の‘敷き紅葉’で締め括りと思っていたのですが、今年も本堂裏の紅葉や敷き紅葉はあまりパッとしませんでした。今日は雨の力を借りて、何とか最後を飾ってくれました。 いまの境内で紅葉が名残の紅葉が楽しめるのは、正面参道、塔の南西、本堂裏。本堂裏はほとんど終息。正面参道、塔の南西は、ピーク時の美しさとは比べようがありませんが、まだ何とかお楽しみいただけるのではないでしょうか。 遠 い 木 が 見 え て く る 夕 十 二 月 能村登四郎
これからは落ち葉掃除が本格化します。 落ち葉を掃除していると、いろいろなものがその中から出てきます。他の寺の拝観券、ポケットティシュー、ハンカチ、電池、カメラケース、イヤリング・・・。先日はシャワーキャップが落ちていました。何だか宝探しのようで、愉快です。 去年までは境内に捨てていた落ち葉ですが、1年経っても落ち葉は完全には腐らず、まだ去年のものが山積み状態。これ以上、積むことはできないので、今年からは焼却場に持ち込むことにしました。 落ち葉を詰め込んだ「フレコンバック」と呼ばれる大型の袋が、もうすでに境内にたくさん保管されています。これからはその何倍もの落ち葉が集められます。 野焼き禁止の条例ができてからは、落ち葉で焼き芋を焼くということが出来なくなり、落ち葉掃除の‘ご褒美’がなくなってしまいました。残念・・・おいしかったのになぁ、落ち葉で焼いた焼き芋。
紅葉に気を取られている間に、今年も残すところ3週間余となりました。 真如堂では、11日に本堂や書院のすす払いが行われます。葉の付いた竹で高いところの埃を落としたり、拭いても拭いても切りがないような何十枚もの畳を雑巾掛けします。 14日には恒例の「年行事」。いろいろな重要事項が協議されます。 自坊でも、正月に向けてのたくさんの作業が山積みです。年賀状の優先順位は先の先。「今年中に終わるかなぁ・・・」。 「今年もお世話になりました。少し早いですけど、どうぞ佳いお年を」と挨拶を交わすことも多くなりました。今年もいよいよ押し詰まってまいりました。 皆さん、風邪やインフルエンザにご注意なさってください。名残の紅葉、まだ間に合います!! セ ー タ ー に も ぐ り 出 ら れ ぬ か も し れ ぬ 池田澄子 |