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                いかにも梅雨らしい境内        マウスを載せれば写真が変わります
 夜来の強い雨も、朝にはたくさんの雨粒を木々の葉に付けてあがりましたが、今日は1日中いつ降り出してもおかしくないような空模様でした。
 夜になって、またすさまじい雨。今度は‘雷付き’。最近の雨の降り方は、何だか‘スコール’っぽいです。
 この先1週間の天気予報は、傘マークがいっぱい。お日様マークは1週間後までありません。梅雨もいよいよ本格的になってきたようです。
 湿気をたっぷり含んだ空気が澱んでいる今日の境内は蒸し暑く、まだ陽が照らずに気温が上がらなかっただけ救われましたが、じとじと感はぬぐえません。
 今日は夏至でしたが、どんよりして、木の下に入ると薄暗いほどだったので、昼が長かったという実感は味わえませんでした。
 午前中の拝観者はわずかに3人。今日1日でも20人未満。いつ雨が降るかわからないので、出控えた人も多かったのでしょう。職員さんも、「今日はお給料が出ませんねぇ」と諦め顔でした。
 こんな日でも、ボクは境内をうろついて雨の流れた跡を見たり、溝に引っ掛かったゴミを取ったりと、それなりに楽しませて貰っています。でも、今朝は客殿で雨漏り騒動があって、大工さんや瓦屋さんに電話をしたりと、楽しむどころではありませんでした。




        蝸   牛    充   電   時   間   殻   閉   ぢ   て            塩川雄三





               かわいい実の付いた菩提樹          マウスを載せれば写真が変わります
 7日に開花し始め、13日頃に見頃になった菩提樹の花に、実がなり始めました。
 「すぐに実が付きますから」と、いろいろな方に強調して説明するほど、菩提樹の結実のスピードには定評があります、ボクの中では。
 今は一つの房に終わりかけの花と小さな実が同居して、少し複雑な様相ですが、その小さな実の可愛いこと! 愛しくなってしまいます。
 去年も異常なほど多くの実が付きましたが、今年もかなり多そうです。花の咲いている間に雨が少なかったからでしょうか? 熟すまでには多くの実が生理落花しますが、次第に育っていくのを見るのは楽しみです。
 ボクはこの菩提樹の花が咲いて小さな実が付いていく頃が大好きなのですが、訪れる人はそれほどでもなさそう。沙羅のほうが人気があるのです。菩提樹、いいのになぁ・・・。今年もありがとう。

                もうすぐ見頃の沙羅         マウスを載せると写真が変わります
 ‘人気者’の沙羅も13日に木の天辺に1輪咲いてから、次第に下の方に向かって咲き進んできました。今日は顔の高さの花も数輪咲いて、そろそろ見頃です。
 沙羅の花は、朝開いて夜にはポトリと散ってしまうので、朝、木の下に行くと白い花がたくさん落ちています。今朝も、雨に濡れた花がいっぱい落ちていましたが、昼頃に行ってみると、もうほとんどありませんでした。どうやら、拾って帰る人がおられるようです。茶色くなってあまり綺麗ではないのですが。
 今年は菩提樹と沙羅それぞれに説明文を書いて、木の近くに掲示しました。変装して様子を見ていると、「へぇ〜」といって感心しながら読む人やデジカメで写して帰る人もいれば、一瞥しただけで読もうとしない人もおられます。
 ちょっと解説を。菩提樹、沙羅、無憂樹は、仏教の三大聖樹と呼ばれています。菩提樹は悟りを開かれた時、沙羅は涅槃に入られた時にそれぞれまつわる木だというのはよく知られていますが、無憂樹のことを知っている人は多くないでしょう。お釈迦様の生母摩耶夫人は、無憂樹の樹の美しい花に手を伸ばした時にお釈迦さまをお産みになったと伝えられ、出産が軽かったために「無憂樹」と命名されたとも言われます。
 日本でいう菩提樹も沙羅もインドのそれとは全然違う木で、無憂樹はそれに代わる木がありません。
 そんな、木とお釈迦さまに関わることを説明した文章なのですが・・・読んで欲しいなぁ。

         あっさり系のベニガク / こちらはこってり系?    マウスを載せると写真が変わります
 紫陽花も見頃になってきました。
 雨に濡れた紫陽花の花はとても重たそうで、それに耐えようとして、それぞれにあっち向いたりこっち向いたり。もう少しきちんと整列してくれていれば、なお一層綺麗だったのですが。
 昨年、皆さんから送っていただいた紫陽花の挿し穂は、ほとんどが無事に根を出し、20〜30センチほどに育っています。中には、花を咲かせてくれたものまであります。
 でも、まだ小さいうちに地植えすると、また泥棒に取られかねませんし、夏の渇水時の水やりも大変なので、まだ‘深窓’に留め置いてあります。冬までに大きく育てて、来年にはご披露したいと思います。
 今の境内は蚊が多く、特に墓地に近い紫陽花園の蚊には耐え難いものがあります。耐え難きを耐え、忍び難きを忍んでご覧になるのも結構ですが、腰に蚊取り線香をぶら下げてお越しくだされば少しは快適かと思います。
 濡れた参道は滑りますので、ご注意くださいね。梅雨の境内をお楽しみください。




        紫  陽  花  を  挿  す  雨  粒  を  そ  の  ま  ま  に         木内怜子