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最高気温も、午後2時頃には31.3度を記録。さすがに暑い! 日差しはまぶしく突き刺すようで、境内では日傘をさす女性の姿がチラホラ。職員は麦わら帽子をかぶって、草引きをしていました。 湿度は低く、木陰にいると心地よい風も吹いてきて、ちょうどよい感じ。いつも通り、猫は無防備な姿で昼寝をしていました。 本格的な梅雨はまだまだこれから。近畿地方の今年の梅雨明けは7月19日頃と予想されていますが、週間天気さえ当たらないのに、そんな先のことが的中するとはとても思えません。 今日は太陽の光を満喫した日でした。頭と顔がヒリヒリします。
遠くから、けたたましいエンジン音が何台分も聞こえて来ました。いずれも墓地の方角。墓地の植木の刈り込みをする機械やゴミを吹き飛ばすブロアの音です。 新芽の伸びも少し一段落して、いまは刈り込みなどの好機。本堂裏の塀に囲まれた墓地では、植木職人さんが5人がかりで、大規模な剪定作業をしていました。剪定が済んだ墓地はきれいサッパリ。風の通りもよくなって、すっかり夏向きです。 一方、以前から依頼していた土蔵の補修工事に、何の前触れもなく左官屋さんが来て、足場を組んで傷んだ壁を剥がす作業を始めました。こんな梅雨の最中に・・・。トラックが行ったり来たり。本堂裏は1日中、騒々しい雰囲気でした。 万 緑 の 中 さ や さ や と 楓 あ り 山口青邨
7日にわずかに開花しはじめ、11日には香り始め、12日頃に見頃を迎えました。今日は8分咲き程度。花期は短く、見頃は月曜日頃まででしょう。 菩提樹の下で、頭にタオルを巻き、腰に剪定鋏と鋸をぶら下げながら写真を撮っていたら、いろいろな人に質問されました。 「仏教と菩提樹はどういう関係があるのですか?」などという質問をしておきながら、ボクが難なく答えると、「植木屋さん、よくご存じですねぇ」などと感心顔。ボクが頭のタオルを取って、「私はここの坊さんですから」と言うと、「まぁ!」と両手を口にあてて絶句しておられました。変装して人をアッといわせる、この快感がたまりません。 さらに、菩提樹の花期が短いことをお話しして、この機会に巡り逢えたことの有り難いご縁を、さも坊さんらしく吹聴しました。 菩提樹は、インドにおいてお釈迦さまがこの木の下で悟りを開かれたという仏教の聖木です。 でも、インドの菩提樹はクワ科。日本で「菩提樹」と呼ばれているのは中国原産のシナノキ科。真如堂のもこの種類です。 また、シューベルトの曲『菩提樹』などに見られるヨーロッパの菩提樹「リンデンバウム」は西洋種で、花は白く、日本ではあまり見られません。
甘い香りに誘われて、虫たちもたくさんやってきています。菩提樹の蜂蜜は、甘さは控えめで、さっぱりした味と繊細な香りがあるとか。菩提樹のハーブも西洋ではよく飲まれているようです。西洋では「聖樹」というイメージはなく、生活に密着した木なのかも知れません。 花が終わると同時に、すぐに小さな実が付きます。来週の更新時には、この実の写真を載せさせていただくことになるでしょう。 菩提樹の反対側にある沙羅の木は、11日に天辺に1輪だけ花が咲いていましたが、他はまだしっかりした蕾のまま。妙心寺東林院では「沙羅の花を愛でる会」が始まったそうですが、真如堂の沙羅の開花は18日頃ではないでしょうか。 年によっては両方一度に見ることができるのですが、今年は例年通り、沙羅のほうが遅れました。 菩提樹をご覧になりたい方は、お急ぎください! も し か し て 菩 提 樹 の 花 こ の 匂 ひ 飯島晴子
紫陽花の寺として知られる三室戸寺では、14日から週末夜間拝観が始まりますが、開花は例年よりも4〜5日早いのだそうです 真如堂では、昨年よりも開花は遅れ気味。それでもほぼ平年並みで、見頃はもう少し先。今年は種類によるバラツキが大きいようで、早咲き種はもう咲き終わり、遅咲きはまだ色が見えてきません。 今日のようなカンカン照りの日は、紫陽花もかわいそう。大きな花がしな垂れて、生気がありません。 紫陽花には雨が似合いますが、菩提樹を見るには晴れているほうがありがたい。両方うまくはいきませんが、晴れた日は晴れた日の楽しみ方を、雨の日にも雨の日の楽しみ方もあるものです。 晴れても降っても、なかなかステキな梅雨の境内です。 |