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近畿地方は6月2日頃に梅雨入りしたようです。平年よりも4日、去年よりも12日早いそうです。雨の日や雲が低く垂れ込めた日は、「さぁ、起きよう!」という気が湧いてきません。梅雨を口実に、毎朝寝坊をしたいものです。 何とか布団から這いずり出して、朝のルーチンの後、境内に散歩に出ましたが、赤土や石畳はよく滑って、思わず足をすくわれるところでした。梅雨時分の境内はとても滑りやすく、散歩にも注意を要します。大股歩きは御法度! 時には前に出した足がズルッっと滑って股裂き状態になりかねません。小股でそろりが梅雨の境内歩きの鉄則です。 昼間は時おり日も差しましたが、基調は「どんより」。「梅雨寒」というほどでもなく、蒸し暑くもなく、まずまず過ごしやすい日でした。
静かな境内は緑もすっかり落ち着いて、曇天の木陰は少し薄暗いくらいです。緑の他に見える色は、 鶯が上手に、しきりに啼いていました。せっかくの美声をかき消すかのような草払機のけたたましいエンジン音。雨がよく降るようになったので、草が一気に伸びたのです。草を刈り取った場所を通りがかると、干し草のような匂いがプンプンしてきて、とても爽快な気分になりました。 何もないと思えるような今の内でも、感じ方次第ではパラダイスになるのです。 暁 の 西 よ り 晴 る ゝ 芒 種 か な 後藤昭女
「あんなところに寝転んでいたら、蚊に食われるのに。それにちょっと涼しすぎるのと違うかなぁ」と思って見ていたら、その男性は肘まで上げていた服を降ろしてボタンを留め、またしばらく寝続けました。帰り際に大きく片手を上げて挨拶。誰に? 茶所の前で寝ていた猫に・・・。 猫の寝方も次第に大胆になってきました。いつ見ても寝ている猫たちですが、曇天の日はなおさら眠たいようです。日の光にあたためられた石の上や、かろうじて日が当たっている場所を探してゴロ寝。少々近付こうが、逃げる気配はありません。 近所のおばあさん、タクシーの運転手さん、若い夫婦などが入れ替わり持ってきてくれるキャットフードを食べたり、観光客の‘求めに応じて’ポーズを取ったりと、もうすっかりアイドルとなってしまいました。 見ている者の心に癒しをもたらしてくれる野良猫たち。その寝姿を見ながらボーッとしていたら、どんなに気持ちが安らぐでしょう。今の季節の主役は、この猫たちかも知れません。
今春定植した紫陽花も、もう花を咲かせてくれています。小さな株は花泥棒に狙われやすいので、もう少し大きくなるまで咲かないでいて欲しいのですが・・・。どうか、もっともっと大きく育って、皆さんを楽しませてくれますように。 もう一つ待ち遠しいのは、本堂前の菩提樹と沙羅の木の花。毎日、「まだかなぁ」と見に行っています。 今年は いろいろ楽しみのある梅雨の境内です。‘何か’を見つけにお越しください。 紫 陽 花 や 白 よ り い で し 浅 み ど り 渡辺水巴 |