5/2版 





            緑が日々濃くなる境内     マウスを載せれば写真が変わります
 薄曇りの1日でした。
 先週は2日続けて最高気温が30度を超える真夏日になりましたが、それ以降は気温もそれほど上がらず、明日の予想最高気温はなんと16度! 何かの間違いではないかと思うほどです。
 「毎朝、今日は何を着たらいいだろうと考えてしまいます。年寄りにはついていけません」と、今日、お目にかかった方もぼやいておられましたが、この気温の乱高下に体調を崩している方も多く、かくいうボクも今日は何だかちょっと風邪気味です。
 明日は雨で、しばらくお天気もぐずつく様子。平年の降水量を調べてみると、5月初めから半ばにかけては降水量は増え、以後は下旬に向けていったん下がるものの、6月に入ると増加の一途を辿っていきます。
 「五月晴れのいい天気」などといいますが、その「五月」は旧暦のことで、「五月晴れ」とは本来は梅雨の合間の晴天をいう言葉だそうです。そういえば、「五月雨」も「五月闇」も、みな梅雨の様子をいうことですね。
 雨は緑を育ててくれます。雨もまたよし。


         「夏木立」というにはまだ若い緑      マウスを載せれば写真が変わります
 境内の緑も日に日に濃くなってきました。椎の木の花が盛りなのか、時々、フワッと香り立ちます。あまりいい香りではありませんが・・・。
 境内を、「もう少し早く来たら、もっと綺麗だったでしょうねぇ」と話しながら歩いている方がおられました。曇り空の今日は、なおさら新緑の色が落ち着いて見えます。雨でも降ったら、木の下では少し薄暗く感じることでしょう。
 今日は、境内を訪れる人の数が思いのほか多目でした。団体客でもなく、ほとんどは1〜3人連れ程度。「ウィークデイなのに、どうしてなんだろう・・・」と思うほどでした。連休に出控えていた人たちなのかも知れません。




      緑   陰   に   三   人   の   老   婆   わ   ら   へ   り   き          西東三鬼




       緑の上の赤い種 / 一面の「花の木」の種   マウスを載せれば写真が変わります
 つい先日まで小さく赤い花を付けていたもみじ。ボクの車の上にも、その花粕が毎日たくさん降り注ぎ、おまけに蜜まで落ちてきて、掃除をする気にもなりませんでした。
 今日はそれがピタリと止んだと思ったら、枝先にはもう小さな種が付いていました。驚くべき早業です!
 去年は異常なほどたくさんの実が付いたもみじでしたが、今年は例年並みのようです。
 本堂前の「花の木」はさらに進んでいて、早くも種がたくさん落ちてきています。花の木の種はヘリコプターの羽根のように両側に広がった格好をしていますが、それが真ん中から折れて、種を重りにしてクルクル舞いながら落ちてくるのです。
 風が吹くと、ワァーッと一斉にクルクル回りながら落ちてきて、かなり遠くまで飛んでいきます。片翼でも1センチ以上ある大きな種ですから、よく見えます。地面には、少し赤みがかった種がびっしり。でも、この種が発芽したのを見たことはありません。

          吉祥院前の大躑躅     マウスを載せれば写真が変わります
 自坊の門前の大躑躅つつじが、そろそろ満開を迎えます。
 他の躑躅よりも少し遅い目に咲き、いつもは連休の頃に満開になるのですが、今年は少し遅れていました。他の花なども今年は少し遅れ気味です。
 写真をご覧いただいてもわかるように、高さは4メートル以上あります。奧の大きい方は1株のように見えますが、2株を1株のように仕立てているのです。
 今年は躑躅の当たり年で、どの躑躅もたくさんの花を付けていますが、昨年、この躑躅の上を覆うように伸びてきた桜や梅の枝を思い切って剪定したので、日当たりもよくなり、なおさら今年はよく咲いているようです。
 大躑躅の花は、木の下のほうから咲き出して、だんだんと上に向かって咲き進んでいきました。そして、ようやく今日、木の天辺あたりまで開花が到達して、樹全体が花だらけになりました。
 この躑躅の裏側には唐種招霊からたねおがたまが咲いていて、甘い香りを漂わせています。門の辺りに立つと、躑躅と唐種招霊の甘い香りが一気に押し寄せてきて、むせ返るように感じる瞬間があります。
 その香りに、春ではない初夏を感じます。




        若  葉  風   背  中  見  て  い  て  い  い  で  す  か         中原幸子