4/5版
桜は満開。昨日今日頃から散り始めました。満開前の少しピンクがかった花色と比べると、今日はすっかり白々としてしまいました。でも、お越しになる方のほとんどの方には、その違いがわからないでしょう。昨日の桜も最高、今日の桜も最高です。 朝からたくさんの人が境内に訪れ、写真を撮ったり、お弁当を食べたり。雑誌などでは、いつのまにか、真如堂も桜の名所にされてしまいました。 「真如堂にこんなに人が来られるということは、哲学の道はきっとすごい人だろうなぁ。東山は大渋滞かな」などと想像しながら、お越しになる方たちの百態を観察。ベンチに陣取って、一升瓶のお酒を紙コップで呑むグループ、本堂に腰掛けてくつろぐ人、静かにお弁当を食べる老夫婦、携帯を桜に向けてかざす人、必死に撮影ポイントを探す人など、それぞれ思い思いに過ごしておられました。 桜も満開の今日が、お天気もよく、風もなく、絶好のお花見日和でよかったと、みなさんを見ていてつくづく思いました。
その一方、昨日はゴミ箱がいっぱいになるほどのゴミが捨てられていて、今朝はその分別に手間取ったと聞いたので、ゴミ箱を撤収しました。紅葉期と違って、桜見物の人はお弁当のケース、飲み物の缶など、たくさんのゴミを出されます。ゴミ箱があると、それらはそこに捨てられることになります。でも、やはりそれらは、各自でお持ち帰りいただかなければならないものでしょう。 百人百態に対して、いろいろな対応・対策をしなければならないことにも、春の観光シーズンが本格的にやってきたことを感じます。 君 を 待 た し た よ 桜 ち る 中 を あ る く 河東碧梧桐
染井吉野はもちろん、山桜。山桜にも葉が茶色い系統と緑色の系統があります。「縦皮桜」や枝垂れ桜の江戸彼岸系の桜。「関山」のような八重咲きの桜。「普賢象」かなと思われる桜もあります。 桜の種類を知っているだけでも、お花見はずいぶん奥深いものになるだろうにと思いますが、ほとんどの方は興味なさそうです。 枝垂れ桜が一番に咲き出し、わずかに遅れて「縦皮桜」、そして染井吉野の順に咲いていきます。今は遅咲きの「関山」などを除いてすべてが満開。散り出すのは染井吉野が早い気がします。 今年の桜は、途中で寒くなったこともあって、長持ちしました。月曜日に雨が降る予報ですが、まだ散ってはしまわないでしょう。ボク自身は、桜は散ってもいいから、もう少し静かに花を楽しめる季節が早くやってきて欲しいと願っています。
それは「ウソ」という鳥の仕業だと思っていましたが、よく観察してみると、犯人はヒヨドリでした。 ヒヨドリが満開の花の中の枝にとまって、一所懸命に花を突いていました。どうやら花の中を突いて蜜でも吸っているようです。突いている時、花が丸ごと落ちてきましたから、現行犯です。 メジロも花を突いていますが、メジロのくちばしには花を落とすほどの力はなさそうです。 「せっかくの花を・・・」と思われる方もおられるでしょうが、落ちている花はハッとするほど印象深いものがあり、ハラハラと落ちてくる花びらとはまた違った風情があります。 桜の枝が大きく揺れて、花がポトリと落ちてきた時は、花の中を探してみて下さい。きっとヒヨドリがいます。
一重の山吹が咲いてきました。葉の緑と花の黄色の取り合わせが何とも素晴らしく、風に揺れる姿もゆかしくて、この花を‘作った人’に賞賛を送りたい気がします。 先日、山吹の名所である松尾大社に行く機会がありましたが、真如堂よりも開花は遅い目。洛東よりも、嵐山〜松尾は寒いのかも知れないと感じました。 今日はシャガが咲いているのに気が付きました。中国原産でかなり古くに日本に入ってきたようですが、繁殖は人為によるしかないらしく、境内にあるシャガもほとんどはボクが移植したものです。繁殖力が旺盛で、グランドカバーにももってこい。花も葉も美しいアヤメ科の植物です。 自坊の中では、「十月桜」が満開。去年の10月からずっと咲き続け、2月末になって花が少なくなったので、そろそろ終わりかと思っていたのですが、いまは絶好調、満開です。 新芽が伸びて花も咲く頃には、雑草もよく伸びます。庭はあっという間に草だらけ。「これも春か」と、ぼんやり草引きをしたい陽気です。 まだまだ春をお楽しみください。 山 吹 の 一 重 の 枝 の 重 な り ぬ 高野素十 |