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        見た目はあたたかそうな陽光さす境内         マウスを載せれば写真が変わります
 この写真をご覧になると、「京都はお天気よくて、温かかったんだなぁ」とお思いになるでしょう?
 ところが、今日は大荒れのお天気で、コロコロ‘早変わり’の空模様。
 朝、道が濡れていたので、「雨に降られたら嫌だなぁ」と思って車で出かけたら青空。いったん帰って、「これだったらバイクにしよう」と乗り換えたら、みぞれ状の雨に降られました。
 午後は風が強くなり、一時は真っ直ぐ立っているのも難しいほど。京都市内では最大瞬間風速17・3メートルを記録しました。杉の枯葉やもみじの小枝〜大枝などが境内の至るところに散乱し、本堂の回廊にはもみじの種が吹き溜まっていました。
 気温は11時頃に12度ほどまで上がったものの、午後からはどんどん下がって、吹雪いていた5時頃は2度。日の当たるガラス越しの部屋にいると春のようにも思えましたが、外に出ると風に体温を奪われて、体感温度は急降下!
 体感温度は風速1メートルごとに1度下がるといわれていますが、今日は6〜7メートルの風が吹いていましたから、体感温度は氷点下。とにかく寒い! 風を遮るものを来ていなかったので、震え上がりました。


             夕方の吹雪 / ものの5分でこんなに白く      マウスを載せれば写真が変わります
 夕方4時過ぎ頃の吹雪は京都では滅多に体験できないほど激しく、雪が渦を巻いて押し寄せてくるという感じでした。
 斜め45度に降ってくる雪には、傘はまったく役に立たちません。‘雪中行軍’をされていたご高齢の参拝者を、思わず建物の中に招き入れて、タクシーを呼んでさし上げました。
 本堂から自坊への帰路は圧倒的な雪に向かって歩くことになってしまい、何度も雪を払いましたが、わずか数分の間に作務衣の前は真っ白。境内も見る見る白くなっていきました。自坊に飛び込んできた郵便屋さんも、前半分が真っ白でした。
 夜半、本坊のセキュリティーの警報が発報。雪を踏みしめて駆けつけましたが、どうやら枝に積もった雪が一気に落ちたための誤報のようでした。澄み切った空に、月や星がとても綺麗でした。
 明日の朝は、また雪かきでしょうね。節分以降、雪はこれで3度目? 4度目?




       春  雪  を  の  せ  て  一  枝  の  朱  ば  し  れ  り         赤城さかえ





          高みの見物? / 吹雪の夕、身を寄せ合う親子猫   マウスを載せれば写真が変わります
 真冬に逆戻りしたかのような気候でしたが、真冬とは違う気配がどことなく漂っています。「ここが違う」と言い切れるほど顕著な変化はないのですが、‘どこか’違うのです。
♪ どこかで雲雀が啼いている どこかで芽の出る音がする ♪
 「芽の出る音がする」という感じはまだまだ先ですが、鳥の鳴き声は確かに違ってきました。雲雀も鳴いている気がしますし、鳥たちの声も何だかうれしそうに聞こえます。生き物は、我々人間よりも季節の移ろいには敏感です。
 境内の猫たちの‘春’はもうすでに終わったようで、「ミャァー ミャァー」鳴いたり、すごんでみせるような声は聞かれなくなりました。
 本当の春がやってくる頃には、また可愛い子猫の姿が見られるかも知れません。今度はどんな毛並みでしょう? おっと! 楽しみに待ってはいられません。これ以上猫が増えると大変!

            咲き出した馬酔木 / 紅梅もそろそろ終わり   マウスを載せれば写真が変わります
 本堂北側の馬酔木の花が咲き出しました。まだわずかですが、かわいい花をぶら下げています。
 先日も、「もう馬酔木は咲いていますか?」という電話がかかってきました。皆さん、よくご存じです。
 自坊の前では、紅梅と白梅が並んで咲いています。紅梅はもうかなり色褪せてしまいましたが、白梅は今が盛りです。梅の下には水仙が咲いていて、時々、うずくまって写真を撮っている人の姿を見かけます。
 昨年の今頃の当ページを見てみると、すでに正面参道の椿や自坊の侘び助が咲き、本堂裏の山茱萸がほころびかけています。でも、今年はそのいずれもがまだ。節分以降の冷え込みなどで、今年は春の訪れが少し遅れているかも知れません。
 気象庁の染井吉野の開花予想は、今年は3月5日に発表される予定だそうですが、さて例年よりも遅いでしょうか? 早いでしょうか?
 わずかながらも着実に春が近づいている気配を感じる今日この頃です。




         白   梅   に   昔   む   か   し   の   月   夜   か   な          森 澄雄