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              雨の正面参道 / 人影のない境内    マウスを載せれば写真が変わります
 9時頃から降り出した雨は本降りとなり、1日中降り続けました。
 朝のうちはしとしと静かに降っていましたが、3時頃からは風が唸りをたてるほど強くなり、まるで嵐のよう。今まで枝先にしがみついていたもみじの枯葉も、辛抱しきれずに吹き飛ばされてしまいました。
 雨は明日まで残る予報。せっかくの3連休も最終日になってようやくお天気を持ち直すようです。
 最終日の24日、世はクリスマスイブ。また今年のイヴは満月ですが、見るのは少し難しそうです。
 紅葉の季節が終わり、落ち葉掃除に明け暮れていたら、今年ももうあと10日。矢の如く月日が過ぎていきました。もうすぐ年が改まるという実感は、まるで湧いてきません。


               静 か ・ ・ ・ ・           マウスを載せれば写真が変わります
 境内を歩いていて聞こえてくるのは、自分の足音。雨に濡れた石畳、土の上、苔の上、聞こえてくる足音はそれぞれ違っています。
 遠くの方から聞こえてきた風の唸りが、あっという間に近付いて、木々の枝を激しく揺すりながら通り抜けていきました。通り過ぎる時には、枝に付いていた雨粒が傘の上に一気に落ちてきて、「バラバラバラ」と音を立てました。
 遠く、近くに鳥の声も聞こえます。カラスの声は判別できますが、他に啼いているのは何という鳥でしょう。
 人影はほとんどなく、もちろん人の声も聞こえません。雨や風の音、遠くで啼くカラスの声。ただでさえ昼の短い今日冬至の日。少し不気味な気配さえ感じる境内。あの紅葉の頃の賑わいは、まるで嘘のようでした。




         し  づ  け  さ  の  音  と  な  り  ゆ  く  冬  の  雨          鈴木 元





            残された落ち葉も少し生気を取り戻し        マウスを載せれば写真が変わります
 境内にはまだ落ち葉がいっぱい積もっています。
 捨てる場所はすでに満杯。近隣への配慮や野焼きを禁止する条例もあって、燃やすこともままなりません。寄せ集められたまま行き場所を失った落ち葉が、積み重なって雨に濡れています。
 カラカラに乾いていたら強い風に飛ばされるところですが、濡れて互いが手を繋いでいるかのようにしっかり身を寄せ合っているので、風など平気。濡れたお陰で、少し生気さえ取り戻しています。
 溝は落ち葉が詰まって、雨水があふれてきそうです。落ち葉を寄せ集めて、とりあえず溝に突っ込んでおいたのがいけませんでした。雨を予想して回収しておくべきでした。
 落ち葉で詰まった溝は、なかなか愉快です。落ち葉の固まりが流されまいと必死で堪えていたり、辛抱しきれずに流された固まりが玉突き衝突のように前の固まりにぶつかって、一気にドッと流れて行ったりと、見ていて飽きることがありません。
 落ち葉掃除が済んだところでは、紅葉期に踏み荒らされた苔の痛々しい姿が見えます。これから厳冬期に向かうにつれて、時には霜柱などによって浮き上がらされたりと、しばらくは受難の時期が続きますが、次第に痛々しい姿は回復していきます。
 春が来るまでは景色に動きの少ない日々が続きますが、木々や草木などにとっては、ゆっくり休養することができる安らぎの季節のように思えてきます。人目には彩りの少ない季節も、木々には至福の時かも知れません。

       まだ残る菩提樹の実 / もみじの種もまだ梢にいっぱい  マウスを載せれば写真が変わります
 本堂のすす払いも21日に終わり、残すところの真如堂の公式行事も大晦日の「除夜会」と「除夜の鐘」だけになりました。
 真如堂の各塔頭も、それぞれ迎春準備で忙しいことと思います。
 ボク自身も、「あっ、まだあれをやらなければ」と思うようなことが、指折り数えられるほど残っています。残された時間はわずか。今年中に片付けることが出来るかどうか・・・。
 今日はゆっくり柚子湯に浸かって、これから年末に掛けての忙しさに向かう鋭気を養うこととしましょう。
 皆さんも今年最後の10日間を、どうか悔いのないようにお過ごしください。





       柚  子  数  へ   日  を  か  ぞ  へ  を  り   風  盆  地        文挾夫佐恵