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昨日は20度を超える小春日和だったのに、今日の最高気温は14度に届かず。午後からは少し時雨れ模様で、「今日、雨が降るなんて言ってなかったですよね!」などと、天気予報がやり玉にあげられていました。行楽客は天気に敏感。ちょっと悪い目の予報を出しておいたほうが、恨まれずに済みそうです。 境内を訪れる人はやや少な目。「今年の紅葉は遅い」という情報が行き渡っているからかも知れません。 17日頃から人出は一気に増えて、23〜25日頃が人出のピーク。いよいよ覚悟を決めて臨まなければなりません。 何度も京都にお越しになったことのある方ならよくご存じでしょうが、紅葉期の京都は異常な混雑です。道路、ホテル、飲食店など、どこへいっても人、人、人。渋滞に巻き込まれて新幹線や飛行機に乗り遅れたという人を、今までに何人も知っています。ぜひとも、それなりの覚悟を持ってお越しください。
紅葉期の京都の移動の鉄則は、地下鉄などを使って、バスは当てにしないことです。多少遠回りになると思っても、結局それが一番。「急がば回れ」です。 南禅寺辺りから京都駅へ行くのなら、「蹴上」から地下鉄に乗って「御池」で乗り換えて京都駅へ。嵐山からなら絶対にJR。地下鉄や電車を乗り継いで、できるだけ京都駅近くまで行き、最後はバスかタクシー、最も確実なのは徒歩です。余裕を持った行動を心がけてください。
11月に入っても寒いと思うような日がほとんどなく、まだ蚊さえ飛んでいるのですから、紅葉は期待すべくもありません。まして、澄んだ色の紅葉など。 かえでの紅葉・黄葉もあまりいいところなくピークを過ぎた感じで、本堂の前の「花の木」も今年は‘不作’の年。冴えた朱色にならずに、黄色いままで散りつつあります。 いま色付いているもみじは、ほとんどが‘体調の悪い木’。元気な木はまだ緑がちです。 境内で一番多く写されているもみじは、正面参道を上がりきったところの、三重塔と茶所の間にある古木でしょう。その木と塔をバックにすれば、誰にでも素晴らしい記念写真が撮れます。 そのもみじの古木は遠目には赤く紅葉して見えますが、近付いてみると色は濁って葉は縮れ、茶色い種がいっぱい付いているのがわかります。この木も‘往時’は素晴らしい紅葉を見せてくれましたが、今では‘高齢’に加え、暑い夏と小雨の影響で、近頃は美しい紅葉が見られなくなりました。 去年の夏が暑くて雨が少なかったため、もみじは危機感を感じて子孫を残そうといっぱい種を付けたのですが、その種が次第に茶色くなってきて、木全体を濁った色に見せてしまっています。他の多くのもみじもそういう状態です。 今年の紅葉のピークは11月下旬〜12月初旬。たとえ今後厳しく冷え込んだとしても、スッキリ綺麗な紅葉は期待できそうにありません。おそらく来年も・・・。 皆さんに、真如堂の紅葉の真骨頂をご覧いただく日はいつになるでしょう。 旅 人 と 我 名 よ ば れ ん 初 時 雨 松尾芭蕉
でも、今日はまだそこまで過密してなくて、比較的ゆっくりと境内でお過ごしいただけたのではないでしょうか。 ベンチは空いている時も結構あり、ベンチで何かを食べている人をやっと見つけた猫は、そのおこぼれに預かろうと気長におねだりをしていました。 でも、ピーク時はそんなわけにはいきません。カメラを持った中高年の人たちがドッと押しかけてきて、絶好のビューポイントを長時間占拠したり、陣取り合戦が始まったり。何とも傍若無人で情けない光景です。 そう考えると、紅葉はまだピークに至っていなくても、ゆったり過ごせる今のほうが、総合評価では上かも知れません。
走り回っている子もいれば、1枚1枚吟味して丁寧に落ち葉を集めている子もいます。お母さんたちはおしゃべりに興じていたり、子供の後を追って走ったり。子供たちは普段こんな落ち葉の中で遊ぶことなどなく、面白くてしかたがないのでしょう。自然は子供たちを元気にしてくれます。落ち葉の中で遊ぶお子さんの写真を年賀状に使おうというお母さんもいて、それぞれの思惑が入り乱れ、収集がつかない感じでした。 この子供たちは、大きくなってからも、真如堂で遊んだということを憶えていてくれるでしょうか? 懐かしく思い出してくれればいいのですが・・・思い出すには、ちょっと小さすぎるでしょうね。
小春日和の快晴で、境内を練り歩くには少し暑いくらい。とても、初冬の法会とは思えませんでした。 でも、これから1週間は冬型の気圧配置が強まって一気に寒くなり、荒れた天気となる見込みだとか。そろそろ「木枯らし1号」などという話題が聞かれるでしょうか? 冷え込みで紅葉が進むのはいいのですが、あたたかさに慣れた身には寒さが堪えるでしょう。 お十夜法要が終われば、真如堂の大きな年中行事はもうありません。一気に歳末、迎春準備へと、気忙しくなっていきます。 でも、その前に大混雑が始まるよ! えらいこっちゃ! 初 冬 や 訪 ね ん と お も ふ 人 来 り 与謝蕪村 |