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          秋の深まりを感じる本堂前        マウスを載せれば写真が変わります
 今日は文化の日。朝は少し肌寒かったものの、日中は青い空から差してくる日の光があたたかく、晩秋を満喫するには絶好の日和でした。
 市内には他府県ナンバーの車がたくさん入ってきて、道路が渋滞し始めました。四条通や錦小路も人だらけ。結婚式や七五三など、様々な行事が行われていることも、服装からわかりました。
 境内にもたくさんの人が訪れるようになりました。旗を持ったガイドさんに引率され、旅行会社名の入ったツアー・バッジを付けた、一目瞭然バス・ツアー客の人たちが、息を切らしながら裏参道を登って来られるようになりました。ツアー客は拝観は希望者だけ、他の方は境内散策というのが多いパターンです。
 2日の拝観者数は60名ほど、今日は120名ほどですが、23日の勤労感謝の日頃には、拝観者だけでも2千人ほどにもなります。拝観される人は境内を訪れる人の1割以下程度。境内の賑わいは推して知るべし。これから日に日に大変なことになっていきます。


       夕暮れの「花の木」 / 夕暮れ近い手水舎       マウスを載せれば写真が変わります
 残念ながら、境内のもみじは、枝先の葉の色が少し変わってきたとはいえ、まだ色づき始めたとまではいえない状態です。
 弱った木や枝に付いている葉はすでに紅くなっていますが、よく見ていただくと、赤紅色だったり縮れていたりで、‘紅葉している’とは言いかねます。
 京都府立植物園は、「10月の気温が高かったため、紅葉の見ごろは例年より1、2週間遅れて、11月下旬から12月上旬になる見通し」と発表しましたが、最近、京都市内の平地の紅葉のピークは毎年その頃です。
 温暖化が進んだら、紅葉の見頃が年末や年始になるのではないかという声もありますが、12月上旬を過ぎると、もみじも紅葉せずに茶色くなって枝に付いたまま枯れてしまうことが多いので、年末年始に紅葉しているという景色は見られないでしょう。
 10月〜11月の年中行事をこなしていく中で、かつては本堂の床が冷たくて、立っているのが辛い時さえありました。でも、今ではそういうこともなくなりました。10月の更衣を11月に遅らせて欲しいと思うほど。こんなに温かくては、紅葉が冴えないのも無理ありませんね。

    ベンチの後ろで待機する猫 / 「お尻がちゅめたいよぉ!」    マウスを載せれば写真が変わります
 今日11月3日は「晴れの特異日」とされています。
 11月3日も、第2次世界大戦前は確かに晴天の回数が多かったそうですが、1950年代から1960年代初めにかけて雨が降ることが多くなり、1980年代〜1990年代は持ち直したものの、2001年以降は晴れの確率があまり高くないそうです。気候も長い目で見ると変動しているのですね。
 せっかくの紅葉狩りには、お天気さえよければ、ぜひお弁当持ちでお越しください。
 旅行誌に載っているようなお店は、紅葉の時期には大行列ができます。その上、高いだけで大して美味しくなく、地元の者も行かないようなところが多いのです。
 無駄に時間とお金を使われるよりも、少々贅沢な京料理のお弁当をデパ地下で買って境内にご持参になり、紅葉を見ながら召し上がってはいかがですか? 本堂前は混んでいますが、鐘楼は穴場です。境内での飲食をお勧めするお寺など、稀ですね。
 お弁当を召し上がっていると、たぶん野良猫がおねだりに伺いますので、ヨロシク! ただし、ゴミはお持ち帰りくださいね!




        野  良  猫  と  同  じ  ベ  ン  チ  や  文  化  の  日        森戸柚斎





       銀杏の青葉 / 黄色くなってきた無患子むくろじの葉    マウスを載せれば写真が変わります
 晴れた日は木々の葉が一段と美しく見えます。まだ青いままの葉も、黄色く変わってきた葉も共に美しく、これから真っ赤に染まってくるもみじ葉は、時には息を呑むぐらい美しい光景を見せてくれます。
 木の生えている場所と光の当たり具合によって、最も美しく見える時間はそれぞれ違っています。特に、見る見る日が沈んでいく夕方などは、「また後で写真を撮ろう」と、境内を一回りしてからその場所に戻ってみると、すっかり景色が変わってしまっていたりします。美しい光景は一期一会です。
 ずいぶん朝早くから写真を撮りに来る方がおられますが、境内に日の光が差してくるのは9時頃ですから、あまり早く来られても甲斐がありません。逆に、夕方4時半になるともう薄暗くなってしまいますが、その前の筆舌に尽くしがたいほど美しい光景が見られることがあります。ここは粘りどころです。
 オススメは、3時過ぎ頃にお越しになって、まずは本堂を拝観! 今月は、大きな刺繍の『観経曼荼羅(当麻曼荼羅)』が特別公開されています。「涅槃の庭」をご覧になって、4時前頃に本堂を出て境内を散策。夕焼空になってきたら、本堂正面の回廊に腰を掛けて、西の空に日が沈んでいくのをゆっくりご覧ください。その頃には境内もすっかり静かになって、犬の散歩をされる方々の姿が目立ってくるでしょう。
 お帰りの頃には真っ暗になっているでしょうから、くれぐれもご注意くださいね!

         吉祥院老住職主催の菊花展       マウスを載せれば写真が変わります
 10月末から、自坊の吉祥院の菊花展が始まりました。
 住職が40数年来、丹誠込めて作っている菊で(ボクは手伝いません)、3本立てにした大菊が80余鉢、嵯峨菊などが40鉢ほど、いろいろな色の小菊の懸崖などが展示されています。
 見ていただきたくて仕方がないのですから、もちろん入場無料。見頃は今月半ばのようです。
 これからの京都は異常に混んできます。23〜25日頃がピークで、観光地は人と車であふれて身動きが取れないほど。その上、紅葉もイマイチならば、いいことは何もありません。お避けになることをお勧めします。
 もし、12月の初旬にご都合が付くのなら、その頃お越しになってはいかがでしょうか? 嵐の後のような静けさにホッとされるのではないでしょうか。道もお店も空いてくるでしょうし、ホテルも値下がりしてくるでしょう。
 さぁ、これから1ヶ月、観光地には近付かないようにしようっと! あっ、真如堂もいつの間にか観光地? 逃げられない・・・。




     今  日  は  ま  た  今  日  の  こ  ゝ  ろ  に  菊   暮  る  ゝ       松尾いはほ