9/22版
今日の京都の最高気温は34.1度。朝から夕方まで墓前回向をしていた身には、かなり堪える暑さでした。 墓参にお越しになった方と、「これでは、お盆もお彼岸も(暑さが)変わりませんねぇ」「よく、こんな暑い盛りにお参りになりましたねぇ。水分補給してくださいね」などと会話を交わしながら、ボク自身、いくら水分を摂ってもすぐに汗になって追いつかない感じでした。 でも、この暑さもそろそろ終焉。明日頃には秋雨前線が西日本にまで南下してきて強い日差しも遮られ、厳しい暑さは落ち着くそうです。強力な今年の太平洋高気圧とも、いよいよお別れなのでしょうか。少しも惜しくはありませんが、「暑くない」ということが想像できないほど慣らされてしまった気がします。
今年の花は少し色が薄く、花付きもあまりよくないように思います。荒れ地でもよく育つ強健な萩ですが、水切れには弱いそうで、8月の小雨が花付きの悪い原因かも知れません。 せっかく咲いているのに、通りがかっている人はあまり気にもとめない様子。勿体ないですねぇ。暑いので、花を愛でながらゆっくり歩く余裕はないのでしょうか? 真如堂の近くに「萩の寺(迎称寺)」と呼ばれる時宗のお寺があります。真如堂と共に寺町今出川からこの地に移転してきた4軒の寺の一つで、朽ちかけた土塀ぎわに咲く紅と白の萩の美しいお寺です。 「萩の寺」と呼ばれるだけあって、萩の仕立て方はさすが。この寺の萩の手入れを偵察して、「新芽の上が摘んであった、うちもそうしよう」と職員と真似をしてみるのですが、境内の萩はいつの間にか暴れて姿が乱れてきます。「萩の寺」のは萩は美しく枝垂れ、実にお行儀の良い枝振りです。何か秘法があるに違いありません。来年こそは・・・。 境内にお越しの際は、ぜひ萩をご堪能ください。手本としている「萩の寺」は真如堂の総門を出て、たばこ屋の前を右に行った突き当たりです。 萩 寺 と い は れ て 掃 か ず 萩 の 花 上木流泉
お参りになる方にも一定の傾向があります。たとえば、「入り」の日は、平日でもお参りになる方が多い。いずれの日も、朝のうちに2/3がお参りになる。1時〜2時頃は人の足が止まる。当然、お中日(祝日)、日曜が多い、など。今日は土曜日でしたが、思ったよりもお参りの方は少な目でした。 自坊にお参りになった方がおられれば、寺から‘伝令’が来て、墓地に出ている住職とボクに知らせます。真如堂の墓地は奥行き約200メートル、幅50メートルほどありますので、‘伝令’が来ないと、どなたがお参りになっているのかわかりません。‘伝令’は「チ〜ン」という金の音を目当てにボクたちを探しますが、それもなかなか大変。そこで、今年はITを活用。携帯のメールで自坊から墓所にいるボクに連絡を入れるようにしました。これは今のところ大成功! でも、お墓でメールを見ている坊さんって・・・。 おまけに、今日はデジカメを袂に入れて、ちょっとでも人が途絶えたら境内の写真を撮っていました。笠をかぶってデジカメで写しているのも、不思議な光景だったかも知れません。僧衣に笠の出で立ちに、人目も加わって、写真は実に撮りにくかったです。
秋の彼岸が来ると必ず咲いてくれる彼岸花。「今年も咲くだろうか?」などと案じる必要はありません。彼岸花の‘体内カレンダー’の正確さにはいつも感心させられます。 お彼岸が終わると、いよいよ秋が深まっていきます。 25日は中秋の名月。江戸時代の書物には、「中秋の名月、十年に九年は見えず」とも書いてあるそうですが、今年はどうでしょう? 十六夜、立待、居待、寝待、更待、どれかは見えるでしょう。月を愛でる心のゆとりも大切ですね。ちなみに、満月は27日です。 今日、境内の紅くなったもみじを一所懸命写している方がおられました。「それ、枯れかけているだけですよ」と言ったら、「えっ、これだけ紅葉が早いのかと思っていました」と驚かれていました。紅葉はまだまだです。 空高くアキアカネが飛び回っているのが印象的な、暑い彼岸の空でした。 人 ゐ て も 人 ゐ な く て も 赤 と ん ぼ 深見けん二 |