9/15版
おまけに、ここ最近のお天気の不安定なこと! 「あー、今日はいい天気だなぁ」と思っていたら、にわかにかき曇ってきて、雷鳴がとどろき、大粒の雨が降ってきたり。「曇後晴一時雨、雷を伴う」「雨時々曇後晴」などという天気概況を見ただけでも、お天気のめまぐるしさがわかります。 天気の目まぐるしさは気象台のせいではありませんが、天気予報などまったく当てにはならず、傘を持って出かけるかどうかは‘自己責任’です。 今日も朝は快晴。まだ夏色の名残のある素晴らしい青空が広がっていました。ところが昼前には薄暗く曇ってきて、夕方にはまた雨。この1週間で雨が降らなかったのは1日だけでした。 秋が深まっていくのを夏が引き戻そうと抵抗しているような、ここしばらくの空模様です。
ところが、いつの頃からかミンミンゼミが加わり、今年最後の一声をどちらが出すかを競い合っているかのように鳴いています。どちらかというと、今ではミンミンゼミの方が主流派。某党首候補のように、多数派工作に勝ったのでしょうか? ツクツクボウシは北海道から南西諸島に分布し、関東以西では平地から低山地に生息。ミンミンゼミは北海道から九州に分布して、西日本では山地に生息しているそうです。真如堂は山地というほど山深くありませんが、温暖化の影響で住み着くようになったと考えればいいのでしょうか? いずれにしろ、蝉の生態が確実に変わってきているのを実感します。 境内の気配も秋めいてきて、蝉の声も不似合いな季節になりつつありますが、蝉たちはまだ至って元気。昼間は秋の虫を凌駕して、大きく伸びやかな声で鳴いています。蝉が鳴き止むまで、秋本番はまだお預けのようです。 一時姿を見せていたアキアカネは、どこかの高地に避暑に戻ってしまったかのように、姿を見せなくなってしまいました。 暑 か り し 日 を 思 ひ つ ゝ 残 暑 か な 高浜虚子
朝早く、4〜5台の車が次々とやって来て、中からカメラを持った60才ぐらいの男女が降りて来られました。聞いてみたら、真如堂を撮影会の集合場所にされていたようで、行き先は近くの「萩の寺」や哲学の道だとか。「今日は法要なども多いので、参詣者以外の方が駐車するのは困ります。1時間以内にしてください」とお願いしましたが、あまり聞く耳を持たない感じ。季候がよくなると、こういう人たちが増えてきます。 「萩の寺」の萩はまだほとんど咲いていないのに、あの人たちは一体どこへ‘秋’を撮りに行かれたのでしょう? 2時間ほどしてやっと車は消えていましたが、案の定、法要に来られた人たちが車を駐めるのに難儀されていました。 萩は、ほぼ例年並みの開花です。見頃はお彼岸のお中日過ぎでしょう。
帰って、去年や一昨年と比べてみると、今年のほうが1〜2日程度開花が遅れている感じがします。20日は彼岸の入り。その頃には、正面参道の両脇の草むらの中などで、燃えるように紅い彼岸花が見られるでしょう。 すすきの穂も開いてきました。25日の中秋の名月の頃には萩も満開になり、あとはお天気次第。その頃には、もう少しお天気も安定しているでしょうか。 あのー、萩もすすきも、お持ち帰りなさらないでくださいね、念のため。
少し前から咲いている水引草ですが、自坊の門内には紅い「水引草」、白い「銀水引」、黄色い「金水引」が並んで咲いています。一見、放ったらかしにしているように見えるかも知れませんが、実は野趣あふれる庭の演出です! 鐘楼堂の近くを歩いていたら、頭の上の方で「ブーン」という大きな羽音がしました。オオモクゲンジの花に吸い寄せられた、たくさんの蜂たちの羽音です。しばらく前から咲いているのは知っていましたが、羽音が聞こえてきたのは今日が初めてでした。 地面には黄色い花粕がいっぱい散らばって、一面が黄色くなっています。まさに‘Golden rain tree’。 オオモクゲンジは自坊の前にあるモクゲンジの近種ですが、こちらは葉にギザギザがありません。また種を包む袋果はモクゲンジは熟すと茶褐色ですが、こちらは淡紅色と、微妙に違っています。。 花は木々に囲まれた高いところに咲いているので、見上げてもなかなか見つかりません。まず、地面が黄色くなっているところを探して木を特定し、藤棚の辺りから斜めに見上げてみてください。木に咲く花の少ない時期に咲く、貴重な花。盛りはもうあと数日です。 さて、来週はお彼岸。秋はさらに深まっているでしょう。天候が不順です。急な雨とお体にお気を付けください。 近 道 の 昔 の ま ま に 水 引 草 小谷久子 |