6/8版
朝のうち晴れていたかと思えば次第に曇り、昼下がりには雷鳴が聞こえて、粒の大きい雨が降り出しました。しばらく本堂の軒下で雨宿りをしていたら、雷雨はすぐに遠ざかり、少し日が差すこともありました。 豪快に雨が降るかとシャッターチャンスの到来を心待ちにしていましたが、何とも‘しょぼい’雨でした。 レーダー画像を見ていると、西の方からやってきて、兵庫県では真っ赤に表されていた雨雲が、京都に入る頃には普通の雨雲に変わっていきました。近畿地方の各所には、1時間に40〜50ミリの雨が降っているという赤い塊が見えていたので、ゲリラ的に降っていたのかも知れません。 草引きの手を止めて、手水舎の軒下で雨の様子を見ていた職員が、いとも簡単に上がった雨に、また草引きを始めました。少し雨が降ってくれたので、土が軟らかくなり、草も引きやすくなったでしょう。
全国的に渇水傾向にあるようですが、近畿の水瓶・琵琶湖の水位も、今年は94年の異常渇水時を下回る水準で推移しているそうです。暖冬による少雪と4月の少雨が原因とか。 お天気にも因果応報を感じます。 小雪・小雨の結果が渇水となって現れ、この渇水の結果としてまた何か‘症状’が出てくるでしょう。ひょっとしたら、境内の木々も水切れで弱って、紅葉の色づきが悪くなるかも知れません。 もっと大きな目で見れば、私たちの日々の営みが‘因’となって気候変動に大きな影響を及ぼし、地球温暖化という‘果’をもたらしつつあります。紅葉の時期が次第に遅れていくことにも、気候変動の影響を身近に感じます。 美しい自然を守るためにも、綺麗な紅葉をいつまでも見るためにも、自分の生活を考えなければいけない気がします。 草 引 く や 土 の 穴 か ら 草 の 息 寺田眉天
今年は毒毛虫の 近くの哲学の道では蛍の姿が見られるようになったと聞きます。蛍はもっとも季節を感じさせてくれる虫の筆頭ではないでしょうか。 目を凝らしていたら、 草蜻蛉はお腹から出す粘液の糸の先に卵を産みつけて、それを葉の裏にぶら下げます。ボクが見つけた時は、産卵をしようとしていた矢先かも知れません。邪魔をしてしまいました。
「 「ここで会ったが優曇華の・・・いざ尋常に勝負、勝負」とか、「ここで会ったが百年目。 「盲亀の浮木」とは仏教の喩えで、目の不自由な亀が、百年に1度だけ水面に浮かび上がり、海に浮いていた木切れの節穴に頭を入れてしまうという、あり得ないような偶然をいいます。 優曇華とは、『法華経』に「優曇波羅の如く、仏に会いたてまつることはさらに難し。諸難をまぬがれることもまた難し。願わくは我が出家を許したまえ」と記されている、3千年に1度、如来が現れる時に咲くといわれる伝説上の吉兆の花です。 しかし不思議なことに、優曇華の華は、日本では、火事になる、病人が出るなど凶事の兆しとされています。虫が卵を産み付けたままにしないよう、しっかり掃除をしなさいという戒めなのでしょうか。 自坊の門のところで、山桜の種を運んでいる蟻に出会いました。たった1匹で、自分の数十、数百倍もあるような食料を運んでいました。あまりに重たくて真っ直ぐには引っ張っていけず、種と一緒にクルクル回りながら、それでも一定の方向に向かって着実に進んでいます。少しずつしか進んでいないように見えて、ちょっと目を離していると、意外なところまで到達しています。 この着実さが大きなことを成し遂げるのだなぁと気付かされ、蟻にお礼を言ってその場を去りました。1匹ですが、「アリガトウ」。
菩提樹の開花のことです。 それほど目立つ花でもないのに、どうして皆さん菩提樹の花を気になさるのでしょう? 聖樹だから? シューベルトのファン? 今年はいろいろな花が少し遅れています。開花まであと1週間ぐらい、見頃は20日頃でしょうか? 外れても怒らないでくださいね。 紫陽花もそろそろ見頃が近づいてきました。もっとたくさんの紫陽花を楽しんでいただけるよう、目下、挿し芽をして大増産していますので、数年後にご期待ください。もちろん、今でも鐘楼の脇でご覧いただけます。 11日は、暦の上では「入梅」。近畿の梅雨入りは、もう少し遅れそうです。 南 天 の 花 咲 く さ か り と も 見 え ず 坂間晴子 |