5/11版 





      迫り来る若葉の参道 / 油断大敵、日傘必携   マウスを載せれば写真が変わります
 朝から快晴ですが、気温はあまり上がらずに肌寒く、風の強い日となりました。
 一昨日、京都の最高気温は31.7度まで一気に上がり、今年初めての真夏日となりました。一転して、昨日の最高気温は21.4度。強風が吹き荒れ横殴りの雨の降る嵐の1日でした。そして、今日と、‘個性あふれる’日が続いています。
‘個性あふれる’ということは、人とのお付き合いの場合でも大変なことが多いようで、ボクもよく「B型ですか?」と聞かれます。「ご明察!」 いろいろご迷惑をおかけしているようで・・・。話がそれました。
 一昨日は真夏の格好、昨日は横殴りの雨にズボンまで濡らされ、今日は一度片付けた服を引っ張り出して着ています。猫の目のように変わるお天気にも困ったものです。
 本来、5月は晴れる日が多いはず。でも、「五月晴れ」というかと思えば「五月雨」ともいいます。「五月晴れ」というのは、もともとは旧暦5月の梅雨の晴れ間をいう言葉だったそうです。
 これからもお天気は周期的に変わるそうです。お天気も悩みながら夏本番に向かっているようですね。


    境内を若葉色に染めるもみじ   マウスを載せれば写真が変わります
 境内の緑はまた一段と色濃くなりました。
 それでもまだまだ「新緑」の気配にあふれ、今日のような天気のいい日には、風にもまれる若葉の間から日の光が差してきて、地面の光や影もゆらゆら動いています。
 もみじなどの新緑に遅れをとっていた菩提樹も、もうすっかり新しい葉が出そろって、早くも蕾が出来ています。その手際のよいことには驚かされます。
 常緑樹の楠や樫なども、今は新芽の季節。新しい葉と世代交代した「夏落葉」が、毎日いっぱい降ってきます。
 本堂前の正面参道にも楠の葉がいっぱい落ちていますが、今日はいくら掃除をして集めようとしても、また風に散り散りにされてしまいそうなので、最初から箒を持つ気にはなりませんでした。
 木々たちにとって、春を迎えて新しい芽や葉を出すということは、本当に大変なプロジェクトであろうと思います。初夏を迎え、それも少しずつ一段落しつつあるのでしょうか? いえ、柔らかい若葉を待っていた虫たちの活動も一気に盛んになり、決して気を抜くことはできないのも5月です。



      夏  落  葉   し  ん  し  ん  と  子  に   こ  と  ば  満  つ        川田由美子




      「花の木」の種 / 白砂の上にもびっしり!    マウスを載せれば写真が変わります
 前回のこのコーナーで、「花の木」の赤い種が風に吹かれてヒラヒラと飛んで落ち始めたと書きましたが、昨日からの風でそのほとんどが落ち、地面は種だらけになりました。
 種はヘリコプターの羽根のようにクルクル回りながら、風に運ばれて遠くまで飛んでいきます。30メートルほど離れた本堂のすぐ前まで到達しているものもたくさんあります。
 落ちている種の中に立っていると、風が吹く度に種が動かされて、「カサカサ カサカサ」とあちこちから音がしてきます。その様子がとても愉快。
 「だるまさんがころんだ」という遊びがあります。オニを決め、他の者はオニから少しは離れたスタートラインに立って、「はじめの1歩!」で、ゲームスタート! オニは皆に背を向けて目をつむり、「だるまさんがころんだ!」と大きな声で数を数える‘呪文’を叫んでから振り向きます。皆はその間にオニに近づくのですが、オニが振り向いた時に動いていた者は捕まって、オニに手で繋がれます。
  種を拾う子。点々とする種/ 「飛んでくだちゃ〜い!」    マウスを載せれば写真が変わります
 関西では「だるまさんがころんだ」とは言わず、「ぼんさんが屁をこいだ!」と叫びます。2度目は、「匂いだら臭かった!」と続けます。どうしてこんな‘呪文’を? ・・・・・このことを説明したかったのではありません。
 いっぱい落ちている種の中に立って目をつむっていると、あっちでカサコソ、こっちでカサコソという音がして、あたかもオニが目をつむっている間に他の子たちが動いているような気配がしてきます。
 境内に遊びに来ていた保育園の子供たちが、保母さんに教えられて花の木の種を集め、パッと上に投げてクルクル回って飛んでいくのを大喜びしていました。
 ボクも童心に返ってやってみたい・・・。でも、きっと「B型だとは聞いていたけど、とうとうおかしくなった」と言われるのがおちでしょう。

        自坊吉祥院の大躑躅      マウスを載せれば写真が変わります
 境内に咲く花がすっかり少なくなり、いま咲いているのは躑躅つつじだけになってしまいました。躑躅が終われば、紫陽花まで花は途絶えてしまいます。
 その躑躅も、今年は花付きがよくありません。他の躑躅の名所などでもそういう傾向にあるようです。
 自坊の前に門の高さほどの大躑躅があります。桜や梅の枝が覆い被さって年々花付きが悪くなってきたので、昨年、両方の木の枝を思いっきり切りました。梅は春に切ったので、その後、日当たりがよくなって、その直下の部分は今までにないほどたくさん花が咲いています。桜は冬を待ってつい3ヶ月程前に切ったので、その効果はまだ現れず、その影になっていた枝の花付きはいま一つ。いかに躑躅には日当たりが大切かを実感しました。
 花の時期も終わって、これからはますます緑濃くなる日々。京都は春の修学旅行シーズンに突入です。沖縄からはもう早、梅雨入りの報が聞かれる頃です。
 不順な天候に体調を崩されませんように。




      母  の  日  の   常  の  ま  ま  な  る  夕  餉  か  な           小沢昭一