10/7版
今日から3連休。京都市内には他府県ナンバーの車がたくさん入ってきて、道は混雑していましたが、真如堂にはあまり‘関係がない’感じで、「歩こう会」風のリュックを背負った団体が来られたぐらいで、訪れる人も微増の域を出ませんでした。今頃の真如堂にお越しになっても, 「静かさ」以外にめぼしいものがないことを皆さんご存じなのかも知れません。その静けさこそが‘絶品’なのですが。 墓参に来られた方でしょう、「ちょっとの間だったら雨は大丈夫だろう」と思われたのか、車の中に傘を置いて本堂にお参りされている間に、雨が降り出してきてしまったようです。母親と女の子が雨の中を小走りに車に戻り、女の子が本堂の軒下で待っている祖母と妹のために傘を持って折り返し石段を駆け上がって行きました。せっかく傘を届けたのに、本堂に着いた頃にはほとんど雨は上がっていました。それでも、女児はしっかりと傘を差し、祖母もその子に気をつかってか、用のない傘をさして参道を降りて行かれました。 いつ傘が必要になるのかわからない1日でした。
野良猫ミーコにおやつをあげておられたので近付いていくと、「あ、お坊さん!」と即座に見抜かれてしまいました。普通のズボンとシャツに帽子をかぶって変装していたつもりでしたが、足元が白い鼻緒の草履だったのです。鋭い観察眼! 彼女は水墨画家で、個展に向けての作品を描いておられるのだとか。古風な姿の真如堂の塔が好きだとおっしゃってくださいました。 彼女はバッグから袋を出して、「飴をさし上げます。イチゴ、リンゴ、レモン、花のくちづけ、どれがいいですか?」と聞かれたので、ボクは躊躇しながら、「じゃぁ、花のくちづけ」と答えると、「やっぱり!」と言われました。どうして、「やっぱり」なの? 暑い中を持って歩いたことがすぐにわかる、小袋から出にくい飴をいただきながら、「うしろからだったらいいですか?」と許可をもらって写真を撮らせて貰いました。「うしろからだったら」と限ったのは、失礼だったでしょうか? 彼女が1枚の水墨画を描きあげるまでの間に、曇り、雨、晴れがまた何巡りかしました。 待 つ 間 に も 秋 の 時 雨 の 二 度 三 度 佐土井智津子
せっかくの名月でしたが、流れの速い 「満月は今日ですよ」というと、たいていの方はキョトンとされます。名月は昨日6日でしたが、実は満月は今日7日。肉眼ではよくわかりませんが、昨日は少し欠けていたはずです。 中秋の名月が満月なのは、2000〜2009年の間では2002〜2005年の4年間だけ。これは旧暦の朔日(1日)の決め方にほぼ1日分の幅があること、新月から満月までの平均日数が本当は15日ではなく、平均14.76日であることなどが原因です。 昨日は雲に遮られがちでじっくり見ることができなかった月も、今日も雲は多少あるものの、昨日よりずっとよく見えます。「今日こそ名月だ!」と思って、ほろ酔い気分で境内を歩いてきました。 ボクはこの日になると、数年前に中国の西湖で見た月を、いまだに思い出します。多くの詩人に歌われた中国屈指の景勝地西湖。晴れても降っても‘総べて相い宜し’という西湖の名月。あれを越える月にお目にかかれるでしょうか?
六曜は、月+日÷6で計算した余りの数字で決まるそうです。8月15日は、8+15÷6=3、余り5となります。余りの数が、0=大安 1=赤口 2=先勝 3=友引 4=先負 5=仏滅 という法則で、余り5の8月15日は「仏滅」になるのだそうです。 仏滅は六曜でもっとも「凶」の日とされますが、六曜は江戸時代の暦にはほとんど記載がなく、明治政府が吉凶付きの暦注は迷信であると禁止したことが逆に六曜の人気を高め、第2次世界大戦後に爆発的に流行したのだそうです。戦後という不安な世相も手伝ったのでしょう。 今でも「結婚式は大安の日に」などという傾向がありますし、京都市の火葬場は友引を考慮して休場日を決めています。しかし、六曜は元々中国の賭場の遊び人や勝負師などの間で用いられたもので、何の根拠もなく、もちろん仏教とも一切関係がありません。それでも、気になってしまうのですから、人間って弱いものだと思います。
境内の木々の色づきは、先週と変わっていませんが、やはり季節が進んでいるのだなぁと思わせる花を見つけました。蕎麦の花と貴船菊(秋明菊)の花です。蕎麦は可愛く、貴船菊の白は清楚な印象で、どちらもボクの大好きな花です。 蕎麦は、ずいぶん前に聖護院の河道屋の先代さんに種をいただいたのを蒔いたもので、以来、毎年花を咲かせてくれて、わずかながら実もなります。悲しいかな、最近ボクの視力が落ちてしまい、カメラ任せにオートフォーカスで写真を撮った後、拡大してからでないと、この花の可愛さがよくわからなくなってしまいました。はっきり見えないほうがいいものもありますが、こんな可愛い花はしっかりと肉眼で見たいものです。 貴船菊も秋の深まりを感じさせる花です。白やピンク、赤紫色、一重・八重とありますが、花びらのように見えているのは萼なのだそうです。風があるときには前後左右に大きく揺れて、写真に撮りにくい花です。 落ち始めた銀杏を、毎朝競って拾いにくる人たちがおられます。ボクはかぶれると嫌なので、決して拾いません。どんぐりの方がよほど好きです。そのうち椎の実が落ちてくれば、散歩の時に拾って、ちょっと生で食べてみましょう。それもこれから秋が深まっていく時の楽しみの一つです。 大きく動いているようには見えませんが、少しずつ着実に秋は深まっています。明日8日は「寒露」です。 名 月 は 蕎 麦 の 花 に て 明 け に け り 河野李由 |