9/15版 




   「花の木」も色が変わってきました / 萩ももう少しで見頃に    マウスを載せれば写真が変わります
 すっかり涼しくなり、あの35度を超える日々が嘘のようにも思えます。
 8月後半から次第に雨がよく降るようになり、9月に入ってからは秋雨前線が活躍して、すでに8月の雨量を超える雨が降りました。その雨が、熱を蓄えていた大地を冷ましてくれたのか、彼岸を待つまでもなく、暑さはそろそろ終焉を迎えようとしている気がします。
 13日には1日の平均気温が19.8度と、一気に10月初旬の気候になりました。それまで何の迷いもなく着ていた半袖では薄ら寒く、かといって着込むのも何だか‘若くない’気がして強がっていたら、鼻風邪を引いてしまいました。若くはないことを痛感し、これからは体感には素直に従おうと反省しました。
 今日は、曇りがちながら、まずまずの秋日和となりました。陽の当たるところにいたり、少し歩いたりすると汗が滲んできますが、日陰にいると爽快! 「8月もこんな気候だったら、どれだけお盆が楽だったろう」と、あの暑さを恨めしく思いました。


朝日の中は「ワンワン極楽」 / 今年の紅葉はどうでしょう?  マウスを載せれば写真が変わります
 訪れる人の服装を見ていると半袖長袖とまちまちで、服装だけを見ても夏なのか秋なのかはわかりません。最近は真冬でも半袖を着る人がありますのでますますわかりませんが、‘一般的’に、彼岸を過ぎる頃までは、その日の天気に応じて、着たり脱いだりを繰り返さなければいけないのでしょう。朝、判断に悩むことがありそうですね。
 お盆が終わって1ヶ月余もすれば、すぐに秋のお彼岸です。すでにお彼岸の墓参に来られた方が何人もおられます。かと思うと、8月末頃に「遅くなりましたが、お盆のお参りに来ました」と恐縮しつつお越しになる方もおられます。
 遅目のお盆、早目の彼岸、月命日と、9月初旬はそれぞれのご自分で‘心に決めた’目的でお参りに来られるので、経木塔婆を書いて差し上げるときに、「今日は何のお参りですか?」と聞かなければならない時があります。
 明日からの連休には、旅行を兼ねた遠方の方などが、少し早いお彼岸参りにお越しになるでしょう。



         秋   簾   と   ろ   り   た   ら   り   と   懸   り   た   り        星野立子




やっと満開、塔脇の百日紅/ 鐘楼脇で見上げてください。オオモクゲンジの花   マウスを載せれば写真が変わります
 「9月15日」と聞くと、いまだに「敬老の日」のような気がしてなりません。
 敬老の日は、兵庫県のある村が、農閑期で気候もよい9月中旬の15日を「としよりの日」と定めて敬老会を開いたのが始まりだそうです。3年前に祝日法が改正され、ハッピーマンデー制度が適用されてから、9月の第3月曜日が敬老の日になりました。
 今では趣旨が替わって、連休を増やすのが主な目的になってしまった気がします。今さら休日など関係のない高齢者の方には、祝日作りに‘名義貸し’するより、医療費の減免や、所得税の老年者控除を復活してもらったほうが、よほど実利があってうれしいに違いないでしょう。
 2009年は9月21日が敬老の日。23日は秋分の日で、間に挟まれた22日は祝日法によりお休み。ということは、19日の土曜日から23日水曜日までの5連休。「ゴールデン」ならぬ「シルバー・ウィーク」出現となりそうです。


     花芽が上がってきた彼岸花     マウスを載せれば写真が変わります
 都合でお彼岸の墓参を前後にずらす人間と違い、この花は彼岸が近付いてくると違わずきっちり咲いてくれます。彼岸花です。この花を見るたびに、「この律儀さがボクにも欲しい」と思います。
 彼岸花は芽が出た翌日には20センチにも伸び、最終的には50センチほどまで成長します。5日目頃には蕾が赤く色づいて、7日目頃に開花します。何もなかったところが、1週間後に行った時には彼岸花の花盛りになっていることもあります。すごい成長のスピードです。
 いま、境内のあちらこちらで彼岸花の芽が出て、早いものはもうかなり伸びてきています。ちょうどお彼岸のお中日の頃には、盛りを迎えることになるでしょう。
 萩も段々咲きそろってきました。お彼岸頃には、見頃を迎えているでしょう。真夏の花の少ない時期を過ぎ、ようやく秋の花々が境内に増えてきた気がします。このページの更新も、ちょっと楽になってくるかな?


         あかのまんまと露草虎杖いたどりの花      マウスを載せれば写真が変わります
 犬蓼いぬたでの花もたくさん咲いてきました。
 「イヌ」や「カラス」が付く植物は、役に立たない(食べられない)ものに付けられることが多いらしく、同じ蓼でも柳蓼やなぎたでの葉にはピリッとした辛味があって薬味や刺身のつまに使われますが、犬蓼は辛みもなくて役に立たないのだそうです。本当にそうなのか試しに食べてみましたが、ただ青臭いだけでした。本当につまならない。
 でも、どうして役に立たないものに付くのが「イヌ」なのでしょうね? 犬好きの方、納得がいきませんよね。ボク個人としては、「ネコ」でなくてよかったと思いますが・・・。
 「蓼食う虫も好きずき」という諺があります。柳蓼のようにピリッとした辛いものでも好んで食べる虫がいることから、好みはさまざまだという意味に使われます。本当にその通り! ヘビやトカゲをペットにする人の気が知れませんが、それも好きずき。ただ、絶対に逃げ出したりしないようにしていただきたい。また、万一逃げ出しても、ニュースでその映像を流したりしないようにお願いしたいものです。ちょっと脱線しました・・・。
 犬蓼は「赤のまんま」とも呼ばれます。飯事ままごとをする時に、この花を赤飯に見立てて遊ぶことに由来します。役に立たないと「イヌ」を冠して呼ばれるよりも、「赤のまんま」のほうがずっと可愛いですね。
 ボクはもっぱら木登り、チャンバラ、忍者ごっこ、木の上の‘隠れ家’造りなどで、赤のまんまで遊んだことがありませんでした。惜しいことをしました。
 せっかくの連休ですが、秋雨前線と台風の影響で天気が大きく崩れそうです。残念ですが、被害さえなければよしといたしましょう。お風邪を召されませんように。



       わ  が  心  や  さ  し  く  な  り  ぬ  赤  の  ま  ま         山口青邨