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  梅雨がまだ明けていないとは思えないほどの青空  マウスを載せれば写真が変わります
 抜けるような青い空。もくもくと湧き起こる入道雲。
 一昨日の最高気温は34.8℃、昨日は35.3℃、そして今日は35.6℃という酷暑の日が続いています。
 「今日あたり出るかなぁ」と梅雨明けの報を待っていましたが、梅雨前線がもう一度下がってくる可能性があるのでしょうか、今年は気象庁も慎重です。本格的な夏の日差しは日曜日頃からで、梅雨明けは来週に持ち越されそうです。
 これまでの近畿地方の一番遅い梅雨明けは、2003年の8月1日ですが、ひょっとしたら今年は1951年以来、最も遅い梅雨明けとなるかも知れません。
 例年は7月下旬から8月上旬の暑さが最も厳しいのですが、今年は梅雨明けの遅れた分だけ暑くなる時期が遅れたのか、8月は平年よりも暑いという1ヶ月予報が出ました。今年のお盆は酷暑との戦い? 今から覚悟を決めておかなければなりません。


        木の葉を貫いてさしてくる日射し      マウスを載せれば写真が変わります
 京都といえば、「夏は蒸し暑く、冬は底冷えがする」といわれます。盆地であるために、夏は風が弱くて熱気が溜まりやすく、夜は風があまり吹かないため、毎年20日ほどの熱帯夜があります。
 京都の夏は決して評判はよくありませんが、7・8月の最高・最低気温の統計を見ると、大阪市のほうが京都市よりも暑く、特に最低気温は両月とも1度以上、大阪のほうが高くなっています。これに湿度などが加わると、京都のほうが暑く感じるられるのでしょうか?
 ここまで書いて、どっちが暑いか競っても何の慰めにもならないことだと、空しく思えてきました。暑いことには変わりありません。
 今年も忘れずにやってくるお盆の日々が、少しでも涼しいことを、ただただ祈るばかりです。

 朝・昼・夕方それぞれ、木々や境内の建物の見え方や色も違います。行き交う人も、例えば朝はウォーキングをする人や犬の散歩をする人、お参りをする人、それらすべてを兼ねる人の姿が見られます。昼は境内を通り抜ける人に混じって、たまに拝観をされる方がおられます。最近は、涼みに来る人の姿も見られます。夕方は、ほとんどが犬の散歩の人。
   待ってました!‘千両役者’の夕立       マウスを載せれば写真が変わります
 毎日同じように見えても、365日、その様子は微妙に、あるいは大胆に変わっています。
 2時半頃、今日3度目の撮影をするために境内をぶらついていたら、写真家のN氏に出会いました。いろいろなことを教えていただいたりしているうちに、空が黒い雲に覆われて、遠雷の音が聞こえてきました。
 「雷ですねぇ。でも、この雲は降らないでしょう」と言ってお別れし、自坊に戻って、「ろくな写真がないなぁ」とぼやいていたら、ザァーという音が聞こえてきました。
 「えっ、まさか?」 2人の予想は見事に外れ、まさかまさかの夕立でしたが、更新ネタに乏しい今の時期の急な天気の変化は、ボクにとっては願ってもない‘ネタ’。「夕立でもあれば‘ネタ’になるのですが・・・」と、N氏と話していたばかりでした。
 「やったぁ!!」とはやる心を抑え、滑って転ばないように気をつけながら、ザァーザァー降りの境内に飛び出しました。



      一  寸  ほ  ど   地  に  浸  み  込  ん  で   夕  立  や  む      谷野予志





     木槿の花も今年は小ぶり    マウスを載せれば写真が変わります
 蝉の声が次第に大きくなってきました。
 1日中蝉の声を聞いているわけではありませんが、今の蝉の声の勢力分布は、ニイニイ蝉45%、アブラ蝉35%、クマ蝉15%、ヒグラシ5%といったところでしょうか。
 今の時期は、ニイニイ蝉の声が通奏低音のようにいつも聞こえていて、その上にアブラ蝉の声がほぼ間断なしに流れ、クマ蝉が時おりシャンシャン囃して、ヒグラシは1日の最初と終わりを知らせるかのようにわずかに鳴いています。
 真っ新な虫取り網を持った、蝉取りにかけては‘素人’の親子連れには、蝉を見つけるのはそう容易くはないでしょう。蝉殻もまだあまり多く見かけません。やはり、いろいろな花が遅れているように、蝉たちの出足も遅いようです。
 蝉たちにも種類によって、住んでいる場所が違います。ニイニイ蝉は、浅い山地から農村的環境を好み、市街地では社寺林や緑豊かな公園で見られます。アブラ蝉は、京都市のほぼ全域、特に市街地で多く見られます。クマ蝉は、市街地に多い‘都会派’。植樹をされた明るい公園や中央分離帯の並

    水が恋しくなる暑さ / 猫が寝る草むらは涼しかろう    マウスを載せれば写真が変わります
木などに多く、田舎は嫌いなようで、山林にはいません。ヒグラシはクマ蝉とは対照的な‘自然派’。標高100mを越える山林や山裾の社寺林などにはいますが、御所や糺の森などでも見られない、高い自然度を要求する蝉です。
 この他、真如堂では、8月の中旬以降にツクツクボウシが鳴き出します。また、稀にチッチ蝉を見かけたり、近年はミンミン蝉の声が聞こえるようになってきました。
 蝉の分布からみると、真如堂は‘都会’と‘田舎’や‘山林’の入り交じった環境にあるようですね。
 クマ蝉が「シャーシャー」鳴くと、余計に暑く感じます。子供の頃は、ツクツクボウシに次いで、捕まえたことを自慢のできるクマ蝉でしたが、今はたくさんいすぎて、値打ちも暴落してしまいました。


    夜に咲く花、烏瓜 / 元から成長する西洋ヤマゴボウの実  マウスを載せれば写真が変わります
 夕立はすぐにあがって青空が顔を出しましたが、8時頃になって、また夕立がありました。今度は雷が近くにいるようで、ちょっと冷や冷やしながらパソコンを使っています。あっちへ行っておくれ!
 難産の今日の更新も、最後に撮るのはこの写真と決めていました。烏瓜からすうりの花です。
 自坊の2階のトイレの窓から見える位置に毎年咲くのですが、今日、トイレがあまりにも暑かったので窓を開けたら、ちょうど今晩咲きそうな蕾を見つけました。
 日が落ちて薄暗くなってきた7時過ぎ、窓から覗くと、白いレースのような花が咲いていました。
 トイレのタンクに肘を載せ、窓からカメラを突き出して、「パシャッ!」。トイレから撮ったとは思えない花でしょう?
 花がレース状に広がっているのは、夜行性の蛾を引き寄せて受粉を手伝ってもらうためだと考えられています。蛾もレースを見て綺麗だと思うのでしょうか?
 毎年、花は咲くのですが、いまだに実一つなったことがありません。雌雄異株なので、雄花か雌花かのどちらかしかないのかも知れません。せっかくレースを綺麗にまとっているのに・・・。
 夕立、雷雨。梅雨明けを思わせる、祇園祭の頃のようなお天気でした。そろそろ梅雨明け宣言しましょう!
 酷暑の候、どうかご自愛ください。



        花  見  せ  て   ゆ  め  の  け  し  き  や   烏  瓜        河波野青畝