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     朝日が差してきたばかりの境内    マウスを載せれば写真が変わります
 連日の熱帯夜に寝不足が募ってきました。湿気がなければまだ楽なのですが、京都の夏はとにかく 蒸し暑く、今頃から8月初め頃までがその極み。8月に入れば少し湿気が下がって、暑いなりにもまだ過ごしやすくなるような気がします。
 先週発表された週間予報では、今週は太平洋高気圧の勢いが強まって、梅雨が明けたようなお天気になるということでしたが、まったく外れました。向こう一週間も、梅雨前線や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多いとか。梅雨明けはまだもう少し先になりそうです。
 そんな中、今朝は久しぶりに青空を見ることができました。木々の葉を透かして差してくる朝日の眩しさがとても嬉しく、若葉の頃とは違うもみじ葉の色を実感したりしました。
 朝8時頃にはますます晴れ渡り、梅雨であることが不思議なくらいの、真夏のように濃く碧い空が現れましたが、それもほんの束の間でした。

    朝9時前の真夏の太陽 /昼前の黒雲と青空    マウスを載せれば写真が変わります
 お経をあげに京都市内の北の方に行き、一気に伏見まで下がろうと車で走り、出町の少し北あたりに来たら、道路が濡れていました。打ち水をした跡なのかとも思いましたが、それにしては広範囲です。水滴の着いている車とすれ違い、雨だとわかりました。
 南の空には黒い雲。西の方には成長めざましい入道雲。やがてその黒い雲の下に入ってしまい、一気に夕方のように暗くなりましたが、雨には遭いませんでした。
 またしばらく走って伏見に至る頃には、黒雲の傘下から抜け出して、まぶしいような青空。サングラスをかけました。
 1時間経って、来た道を逆に走るフロントガラスから見えた空は、青空や黒雲、入道雲などバラエティーに富み、真如堂に帰り着くと、その上空は黒雲に覆われていました。きっと、ゲリラ的なピンポイント通り雨が、あちらこちらで暴れていたのでしょう。
 明日からの連休、祇園祭もいよいよ本番。今日のお天気からも、「あ、祇園祭の頃がやってきたなぁ」と、しみじみ感じました。



      雷   晴   れ   て   一   樹   の   夕   日   蝉   の   声       正岡子規




   総門前の木槿 / 雨に濡れた木槿の花      マウスを載せれば写真が変わります
 午後からはほとんど灰色の雲に覆われて、時折、大粒の雨が降ったり、雷鳴が少し遠くから聞こえてくるようなお天気でした。
 その音が静かになると、「ヂィ〜〜」というニイニイ蝉の声が絶え間なしに聞こえて来ました。
 先週のこのページで、蝉の声が空耳だったかも知れないと書きましたが、まるで蝉がこのページを見たかのように、その翌日から、「我こそニイニイ蝉なるぞ」というような力強い声が聞こえてきました。
 アブラ蝉の声はまだ聞こえません・・・こう書いたら、明日あたりから聞こえてくるかも知れません。
 盛夏の花、木槿むくげの花も、そろそろ本格的に咲き出しました。暑い盛りに、長きにわたって美しい花を見せてくれる木槿は、本当に貴重な花です。花は1日で萎んでしまいますが、次々と咲いて花期が長いため、ハングルで「無窮花むぐんふぁ」と呼ばれるとか。「むくげ」は、この音写だそうです。
 蝉は鳴き、木槿の花は咲いて、夕立が来るようになって、いよいよ盛夏の気配。梅雨明けにふさわしい準備はすべて整ったように思います。さぁ、いつ「梅雨は明けたと思われます」と発表されるでしょうか?


     夕刻、写生をする人 / 金仏と灯火    マウスを載せれば写真が変わります
 降ったり止んだりの雨にも負けず、夕方薄暗い中を、大きなキャンバスに向かって、紫陽花を写生している方がおられました。
 紫陽花の花はほとんど終わり。色も褪せ、形も崩れてきています。人なら齢を重ねた美しさがありますが、花にそれは求められません。もし、紫陽花が人の言葉を話すことができたなら、「一番綺麗な時に描いて欲しかった」と、きっと言うでしょう。
 薄暗くなってから、蝋燭とお線香を金仏さんに供えている方がおられました。
 今日は、月に1度の「六阿弥陀巡り」の功徳日。定められた功徳日参りを3年3ヶ月続ければ、無病息災、家運隆盛、祈願成就がかなうと伝えられています。「六阿弥陀巡り」は江戸時代に木食正禅上人が始めたもので、巡拝の方は、1番の真如堂から、永観堂・清水寺阿弥陀堂・安祥院・安養寺・誓願寺を巡られます。
 午後のにわか雨にお参りを阻まれて、夕方にしかお参りできなかったのかも知れませんが、どうしても続けてお参りしたいお願い事がおありなのでしょうね。
 今日の夕刻は、定番の犬の散歩の方だけではなく、いろいろな光景に出会えました。夕立のお蔭かも知れません。


    黒谷・極楽池の蓮の花 / 蓮弁に落ちた蜘蛛のシルエット  マウスを載せれば写真が変わります
 さて、いま京都は祇園祭一色。今夜から四条通などは歩行者天国になり、ただでさえ蒸し暑い京の街が、さらに人の熱気でサウナのような状態になります。裏通りは、人でさえ一方通行。ここに夕立でもあれば、雨宿りをする人たちが我先に急いで、どんなにパニックになるでしょう。
 「宵山や宵々山などには絶対に行かない」と決めていましたが、12日、鉾の曳き初めをしている鉾町をぶらり歩きして、菊水鉾の上にも登ってきました。
 京都に生まれ育ちながら、山鉾巡行を間近で見たのは、恥ずかしながら一昨年が初めて。鉾の上に登ったのも、何年ぶりでしょう。
 さすがに「動く美術館」といわれるだけあって懸装品は豪華絢爛。町衆の方々も活気に溢れていました。京都が、日本が世界に誇るべき祭礼に違いありません。
 しかし、一方で、たとえば祇園祭が疫病退散の祭礼だということを、宵山や宵々山、巡行を見に行く百数十万人の何%の人が知っておられるでしょう。どうしてちまきに「蘇民将来之子孫也」と書いてあるのか、その由来や意味も知らずに買って帰る人が大多数ではないでしょうか。
 いろいろなことを知った上で祇園祭に行けば、感動もグレードアップすること間違いなし! 偽物の町屋や京料理が横行し、京都の文化が空洞化しつつある中、ぜひとも‘本物’の祇園祭を大切にしていただきたいと思います。
 



     コ  ン  チ  キ  チ  ン   電  話  し  ば  ら  く  切  ら  な  い  で      山本翠公