2/17版
寒さが弛む日が続きましたが、今日はまた少し逆戻り。それでも、寒さの質が「冬の寒さ」から「浅春の寒さ」へと確実に変わった感じがします。
19日は「雨水」。いまの季節、京都に降る雨は、芽吹きに向けて少しずつ動き出そうとしている木々を潤す恵みの雨ですが、北国の人にとっては、ようやく見えてきた冬の終わりの気配を感じさせてくれる嬉しい雨なのでしょう。 昨日の稚内の最高気温は−2度。石垣島は27度。なんと気候の違うことでしょう。稚内の冬の辛さ、春の待ち遠しさは、石垣島の方にはわっかないでしょうね。 その北国の方でも、「京都の冬は寒い」と仰います。寒さの質が違うのでしょう。山で囲まれた京都の冬は、冷気が溜まりやすく、寒さが足元からじわじわと忍び寄ってくる「底冷え」が起きます。そんな季節ともお別れしましょう。 梅 一 輪 一 輪 ほ ど の あ た た か さ 服部嵐雪
いつもは境内の主役である犬の散歩の人たちは、撮影のスタッフに制止されてお決まりのコースをたどれず、「はい、よぉ〜! スタート!」「はい、オッケーです」などという掛け声のする場所を遠巻きに避けながら、通って行かれました。 昼前には騒がしかった境内もいつもの静寂を取り戻し、浅春の陽射しが、時折雲に遮られながら、境内の参道や木々、瓦などに満遍なく降り注いでいました。 静かな境内を散歩していると、野鳥のさえずりが盛んに聞こえてきます。鳴き方も少し変わったように思いますが、野鳥たちの「嫁求む」や「なわばり宣言」の兆しなのでしょうか。 空を眺めていたら、スズメ、カラス、ハト、シジュウカラ、メジロ、ヒヨドリ、ムクドリ、ジョウビタキ、ルリビタキ、モズなど(知っている鳥を列挙しました)、いろいろな鳥が単独で、あるいはつがいで、群れで行き来しています。葉のない枝に留まる鳥、杉や桧など葉が生い茂った木に留まる鳥など、見ていて飽きることがありません。いろいろな鳥の声が回り中から聞こえきますが、聞こえてきた方向を見てもすでに姿がなかったり、枝の茂みに隠れていたりで、どの声がどの鳥の声なのか、さっぱりわかりませんでした。 鳥たちは木々よりも一足早く春を感じているようです。何とか写真を撮ろうとしばらく待っていましたが、次第に体が冷えてきたので諦めました。
そういえば、先日来、モクゲンジの木の下に小さな枝がたくさん落ちていました。強風が吹いたわけでもないのにどうしてなのだろうと思っていましたが、犯人はカラスだったのですね。 しばらく見ていたら、カラスは次から次へと枝をくわえて引っ張っています。生の枝は折れませんが、枯れた枝はボキッと折れます。カラスはそれをくわえてどこかに飛んでいく素振りでもありませんが、ただ悪戯をしているようにも思えません。 繁殖期に先だって、巣材を集めているのではないでしょうか? カラスの巣は、外側には小枝、木片などの硬い素材を使い、内側には動物の羽毛、わらなどの柔らかい素材を利用して、直径50〜80cm、厚さ数10cmの皿状のものを作るそうです。外側には、なぜか、クリーニング屋さんの針金製のハンガーもよく使うそうです。 境内の木にカラスの巣があるのを見たことはありませんから、おそらく、お隣の黒谷(金戒光明寺)の真如堂寄りの雑木林あたりに作っているのでしょう。 カラスは、高い木の上や堂塔の屋根の上から、墓地にお参りされる人をじっと観察しています。そして少しでも隙があれば、お墓に供えられたものを盗って飛び去っていきます。
カラスの知能は犬や猫より高く、猿に匹敵するか、それ以上ともいわれます。カラスが好んで折っているモクゲンジの枝は、真っ直ぐではなく、くねくね曲がっていますが、そのほうが、巣作りには都合がいいのでしょう。ちゃんとよく考えて材料を選んでいるのですね。偽装はありません。 来週は雲に押され気味のすっきりしない一週間になるそうですが、冷たい冬の空気から暖かい春の空気に入れ替わるそうです。春に向かってますます加速ですよ! 全 身 を 声 に す る 鳥 春 近 し 石井秀子 |