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どうやら雪は今夜から明日土曜日にかけて降るようで、大粒のボタン雪がシンシンと降り続いて5センチ程度積もるだろうとのこと。今度は当たるかな? センター試験を控えている人やそのご家族は気が気ではないでしょう。 今日は大寒です。京都が一番寒いのは平年値では今月28日頃から立春にかけて。これからますます寒さが厳しくなるのは間違いなさそうです。 日本の南北間で温度差が最も大きくなるのも大寒の頃です。今日の予想最高気温は、北海道の旭川が−6度に対して沖縄県の石垣は26度と、実に30度以上も違います。あたたかい地方にお住まいの方は、北国の大雪のニュースをご覧になってもピンとこないかも知れません。
地面から約1.5メートルの顔あたりの気温が3度でも、腿あたりでは気温は2度、足首は1度、足元の気温は0度くらいだとか。 「今朝は氷が張っているのに、最低気温は2度なの?」というようなことが時々ありますが、気温の観測は地面から約1.5メートルの高さで行われるそうですから、その違いなのでしょう。 足元の冷え対策に、最近は靴の中に入れたり、靴下に張るカイロがありますが、寒い朝のお勤めに備えて足袋にカイロを張っていて、あまりの熱さに途中で剥がした僧を知っています。使用法にはくれぐれもご注意ください。 き び き び と 万 物 寒 に 入 り に け り 富安風生
寒い本堂で、いつお越しになるかわからない拝観の方を待っているのは、いくら詰め所に暖房が入っているといっても、気分的にはお寒いでことしょう。 たくさん来られれば来られたで、「御朱印を書き過ぎて、手が腱鞘炎になりそうです」というぼやきも出てきますが、やり甲斐がまったく違います。 しばらく境内の人の動きを見ていましたが、時おり人影は見えても、本堂に上がられる方はほんのわずかでした。おそらく、今日も拝観者は一桁に違いないでしょう。 外仕事が好きな職員さんにとって、人の少ない今は、思う存分に動き回れる季節。今日のようにお天気がいいと、余計に外へ出たくなります。適度に動けば体も温まって、新陳代謝がよくなっているのを実感できます。 同じ屋外作業でも、草引きはいけません。じっと座って草をひいていると、背中から寒さが忍び寄って、体の中にしみ込んできます。
JR東海の「そうだ 京都、行こう。」のホームページに、京都の「冬のよさは、『静か』で『寒く』て『お庭』がいい」と書いてあります。 冬のお寺は秋の行楽シーズンと比べると、拝観者が少なく、静かに、自分のペースで拝観できる。寒くて緊張感のある境内は、いちばんお寺らしい、背筋がシャンと伸びるような雰囲気が感じられる。木々が葉を落とし枝だけになった庭は、本来の姿が浮き彫りになり、タイミングがいいお庭を独り占めできる、などと説明されています。 仰るとおりだと思います。境内が美しいのは、桜や新緑の頃、そして紅葉の時だと思いますが、一番お寺らしく、落ち着いた時間を過ごせるという意味では、断然今がオススメです。 でも、行事などをするとなると、話は別。この時期の寒さは堪えます。 髪の毛はほんの少しでもあると保温効果がありますが、ツルツルに剃った坊主頭には寒さがダイレクトに襲ってきます。−10度ぐらいになると、帽子をかぶらずに外を歩いていて頭が痛くなるそうですが、それは頭髪がある人の話。露出したスキンヘッドの耐寒温度は−2〜−3度ぐらいではないでしょうか。ボクが寒さを感じるのは、まず頭からです。 また、冷え切った本堂の板の間を歩く時に、痛いほどの冷たさを感じることがあります。「早く畳の上にあがりたい!」と思いますが、法要の時はそういうわけにもいきません。カイロも使い方を間違えば、先述したような“事故”も起きかねません。 そんな寒の時期ですが、やはりボクも寒中の凛とした雰囲気の真如堂が一番好きです。
聞くところによると、やはり水仙やタンポポの成長が大幅に遅れ、梅や椿なども開花が少し遅れるだろうとのこと。この冬の異常気象が植物のサイクルに影響しているようです。境内の馬酔木や山茱萸の開花も遅れるかも知れません。 気の早い方は、桜が遅れるのかどうかと心配されるのではないでしょうか? 桜の開花まで3ヶ月もありません。春の旅行の予定を、そろそろ考え始めないといけませんね。 夕暮れの頃、西の空に小さなゴミのような塊が動いていました。よく見たら鳥のようです。ユリカモメが鳥柱を作って大空を舞い、東山を越えて琵琶湖に帰っていくのでしょうか。「ああ、冬だなぁ」と実感しました。 自転車に乗って帰る職員さんに、「今日は何人でした?」と聞いたら、「昨日と一緒です」と指を4本立てて答えてくれました。やっぱり・・・。 雪 か ぶ る 日 も あ り て 咲 く 冬 椿 高浜虚子 |