12/9版
6日に降った雪が、まだ大文字山の「大」の火床にうっすら残り、北山や比叡山、愛宕山でははっきり白く見えています。 なかなか寒くならず紅葉の色づきを案じていましたが、紅葉がほぼ終わってから、今までの遅れを取り戻すかのように急に冷え込み、勢い余って寒中のようになってしまいました。何だかいきなりの感がします。 気象台によると、「昨冬は氷点下を初めて記録したのが1月2日で、12月の平均気温も8・6度と、平年を6・9度上回る暖冬だった。この冬は既に11月下旬に初氷も観測されるなど、冬の訪れが早い」とのこと。明日から1ヶ月の気温も、平年より「低い」という予報です。
本堂と三重塔の間のもみじは、ほぼ全部の葉を落とし、樹下には掃除をして集められた落ち葉が、運ばれるのを待っています。 総門をくぐって本堂前まで来た人が、「門の前が一番綺麗でしたねぇ」と話しておられました。 総門前に1本、正面参道の階段の下に1本、途中に2本と、紅い葉の残っているもみじが、数えられるようになってきています。 正面参道の左右の坂道脇にある生け垣と竹垣に囲まれた空間では、わずかに残る紅葉と散り積もった敷き紅葉が楽しめます。 特に、右側の吉祥院前の垣の中は、紅葉の赤と銀杏の黄色の落ち葉が楽しめ、先週以来、境内一番の見どころになっています。 本当はもうそろそろ落ち葉を集めて掃除をしたいところですが、まだ紅葉見物にお越しになる方がおられ、何も見どころがないのではお気の毒なので、そのまま“お取り置き”してあるのです。 でも、次第に乾いて精気を失い、もうそろそろ限界。週があけたら、一気に落ち葉掻きです。
透き通るような赤になる前にチリチリに乾いて、大半が落ちてしまいました。敷き紅葉もあまり綺麗ではありませんでした。 いつもなら遅くまで残してある敷き紅葉ですが、職員さんが「今年は置いておいても仕方がない」とでも思ったのでしょうか、今日見に行ったら、すっかりきれいに掃除されていました。 京都府立植物園は、今年の紅葉が遅れ、あまり綺麗でなかったのは、京都市内の気温が11月に入っても高かったために葉を色づかせる色素が順調に増えなかったことや、夏場からの雨不足などが原因ではないかと分析しています。 いつまでも、「今年は綺麗じゃなかった」「チリチリだ」と言っていても、もみじが気の毒です。このあたりで、「今年もご苦労さま。有り難う。残念〜!」と終止符を打ちましょう。 来週、このページを更新する頃には落ち葉掃除も一段落し、焼き芋の楽しみも終わって、冬ざれの境内の様子をお届けすることになるでしょう。 落 葉 踏 む 地 球 は か く も 柔 ら か し 津田ひびき
3月の東山界隈での点灯が人気を呼んだことから、嵯峨・嵐山に“2匹目のどじょう”を狙ったものです。 露地行灯を並べ、竹林や小倉山の小径、渡月橋などをライトアップしたり、各流派の生け花の展示、嵐山大堰川の水上舞台での雅楽、エリア内での雅楽やクラッシックコンサートなど、様々な行事が予定されています。 紅葉シーズンが終わって落ち込む観光客を何とか京都に誘致し、そのままお正月へ、そして冬の旅へとシーズンの隙間をなくして、「5000万人観光都市・京都」を実現しようとしているのでしょう。京都が丸ごと大きなテーマパークになり、次第に騒がしく、軽薄になっていきそうです。冬ぐらい、静かにさせてください。 今年の京都・冬の旅の定期観光バスの「うるわしコース」は、「『功名が辻〜山内豊和の妻』放映記念 戦国に生きたうるわしき女性たち」ですって。もう始まっているみたいですよ。
来週には、山内の若手僧侶たちが集まって、本堂のすす払いを行います。「40、50は鼻たれ小僧」という妖怪?の世界のようなお寺社会。もちろん、ボクも“若手”です。 自坊では、年始の挨拶と墓参に来られた方の水塔婆書きを、夜なべでしています。昼間は落ち葉掃除、雨が降ったら塔婆書き。夜は毎日塔婆書き。 最近は、肩や腰のこりに効能があるという入浴剤が手放せません。 落ち葉での焼き芋では、5キロ入り2箱のお芋を完食する日も間近。千載一遇のご縁があって、焼き芋を焼くボクに出会われた方には、ホカホカに焼き上がったお芋をさし上げま〜す! 空気が乾燥しているのか、1年ぶりに静電気の痛さを思い出しました。お風邪を召されませんように。 猫 に 顔 見 ら れ ゐ る な り 漱 石 忌 林 淳実 |