11/25版
小春日和を繰り返しながらも、次第に冬を感じる日が多くなってきました。
11月20日から10日間ほどが人出のピークで、26・27日は凄まじい人と車になるでしょう。 23日の拝観者数は1700人、24日は1900人と、週末に向かって増えていっていますが、真如堂に来られても、拝観をされる方は1割にも満たないでしょうから、それから考えると、境内には2万人、3万人といういう人が来られているのかも知れません。野鳥の会のメンバーに、双眼鏡とカウンターを持って数えて貰えばわかるかも知れません。 普段の真如堂に慣れている檀家の人などは、この騒動をご覧になって、「こんな真如堂は初めてです。
墓参に来られるという方に、「朝早く、9時までにお参りいただいたほうがよろしいですよ。すごく混んでいますから」と申し上げても半信半疑。実際にお越しになって、「いやぁー、こんなにすごいとは思っていませんでした」と、やっと信じて貰えるような状態です。 「隠れた紅葉の名所」などと言われたのは、いつのこと。今は、すっかりメジャーな紅葉の名所です。 落 ち 葉 焚 い て 小 春 の 日 和 定 ま り ぬ 高浜虚子
今日の時点で、紅葉はまだ最高潮には達してはいませんが、これから少しずつ紅葉が進んでいって、どこまで綺麗になってくれるのか・・・ どうでしょう。自信がありません。 ボク個人の印象では、今年の紅葉は残念ながら平均点以下で、お世辞にもよいとは言えません。 遠くから見たり、日に透かしてみると色鮮やかに見えるのですが、近くで見ると葉がチリチリになっていたり、煤けたように黒くなっています。木によっては葉の色が白く色が抜けたり、あるいは茶色く枯れてきてしまっているものさえあります。 美しい紅葉には、充分な日照、5度前後の最低気温、適度な水分が必要だと言われます。さらに、徐々に気温が下がってゆっくりと季節が変わっていくのが最も良く、残暑や急激な気温変化は好ましくないのだそうです。
年によっては、紅葉しないで、枝に葉が付いたまま枯れていくことがあります。今年は、今日よりももっともっと美しくなっていくのか、途中で息切れして、抜けるような赤色になり切れずに枯れてしまうのか、とても心配です。 最近のイロハカエデの紅葉日は、京都では12月にずれ込んでいます。紅葉日とは、葉っぱの80%くらいが紅(黄)葉した最初の日をいいます。それだけで考えると、次の更新日のほうが美しくなっているとも言えますが、どこまで粘りを見せてくれるでしょうか。「ど根性大根」にあやかってほしいものです。
境内の至る所に照明器具が配置され、高さ7〜8メートルはある鉄骨のタワーが3つほど建てられたり、カメラ用のクレーンが用意されたりと、かなり大規模な準備でした。 生中継の行われる直前まで調整が行われ、夜10時半頃にいざ本番! わずかな見学者に、「すみませ〜ん。携帯電話を持っておられる方は、スイッチをお切りください。影響が出る場合がありますので」というコールの後、「はい、本番! 10秒前 9・8・7・・・(本番) はい、OK!」。わずか、2分少々でした。 以前にもテレビ中継のためにライトアップされたことはありましたが、ここまで大規模なのは初めてでした。 ライトアップされた境内は、まさに幽玄の世界。素晴らしい光景を見せて貰いました。千載一遇のチャンスなので、写真を撮って回りましたが、ライトアップの写真ってなかなかうまく撮れないものですね。
ご覧になった方から、「見ましたよ! よく見ると、そんなに綺麗な紅葉ではなさそうなのですが、さすが見事な照明効果とアングル! 幻想的な感じで最高でした〜♪ 」というメールが来て、「やっぱり、バレていたか・・・」とガッカリ。 でも、冬の夜の透明感あふれる紅く幻想的な境内の雰囲気が、映像から充分味わえた素晴らしい中継でした。 これで人がまた増えてしまいます。いつもライトアップしていると思って来られた人が、今頃、真っ暗な境内で呆然とされているかも知れません。
紅葉と人混み一色の中、この白く清楚な花を見ると、何だかホッとします。 吉祥草も、道ばたの日陰に静かに咲いています。 この花が咲くと吉事がある、これを植えている家には吉事が起きるなどという言い伝えがあるそうです。滅多に咲かない花と思われていたそうですが、実際は強健でよく咲き、自坊でも毎年咲いています。吉祥院に吉祥草。いつも目出度いことばかり? 来週はもう師走。あちこちの社寺の迎春準備の話題も聞かれます。南座では、必ず「京に師走の訪れを告げる」という枕を付けて紹介される「顔見世興行」の「まねき上げ」が、今朝行われたようです。 紅葉後の大仕事、毎日の落ち葉掃除が大変になってきました。師走気分はまだまだです。来週には焼き芋が楽しめるかな! あ た ゝ か き 十 一 月 も す み に け り 中村草田男 |