10/28版
午前中は雲一つない快晴。ポカポカしてきて、野山に出かけて行きたくなるような爽やかなお天気。天気予報は的中し、2時頃からは少し曇りがちになってきました。 予報によると、天気は今夜から崩れて、土曜日は雨。その雨が上がると、来週初め頃は少し寒くなるようです。 寒くなって当たり前。寒くなって貰わないと困ります。だって、もうあと数日で11月ですもの。いつまでも暖かくては、紅葉が進んでくれません。 今秋の紅葉は、暖かい日が続いていたために、全国的に大幅に遅れている模様です。今、もみじの紅葉が見頃を迎えているのは北海道。東北地方では山寺(山形)がもうすぐ見頃、中尊寺(岩手) が色づき始めたなど、平年よりずいぶん遅れています。
まだまだ緑が基調の中で、「桜の葉、椋の葉こそ、いとはやく落つれ」(『枕草子』)との言葉通り、桜の葉はいち早く赤くなっては散り、カエデの葉もかなり色付いてきました。 晴れ渡った青空に、木々の間から差し込んでくる光。緑のもみじ、赤く色づいた桜やカエデの葉。それらが渾然となって、今朝の境内は万華鏡のようでした(ちょっと言い過ぎかも・・・)。 たまに人が訪れるだけの境内のベンチで、野良猫のミーコが、あわよくば誰かが広げたお弁当のおこぼれに かわいそうに、待ちぼうけです。 行 先 ち が ふ 弁 当 四 つ 秋 日 和 松永典子
11月に入ると、圓光寺、永観堂、清水寺、天龍寺宝厳院、宝泉院、知恩院、実相院、南禅寺天授庵などが順次これに続いていきます。 黒谷(金戒光明寺)の山門など、多くの社寺で特別拝観が行われます。また、古文化保存協会の秋期特別拝観でも、上賀茂神社や冷泉家が公開されたりと、秋の観光シーズンも全開も間近という感じです。 ライトアップもすっかり定着した感がありますが、人工的な明かりに照らし出された紅葉は、また“別物”な気がします。 ライトに照らされた紅葉は、光と闇のコントラストのためか、昼間より綺麗に感じることがあります。でも、近づいて見ないほうが無難。
まぁ、それはそれとして楽しめばいいのですが、ライトアップされている木々を見ると、「あー、かわいそうに。夜まで働かされて。夜ぐらい、ゆっくり休ませてあげたいなぁ」と思ってしまいます。木々たちに労働組合があれば、労働条件改善を訴えること必至でしょう。 真如堂にも、時々、「ライトアップを見に来ました」という方がお越しになります。ライトアップしていません! 近くの「堂」の付くお寺と間違って来られる場合や、紅葉の名所だから当然ライトアップしているだろうと、勝手に思いこんで来られる方などいろいろですが、真っ暗な境内にビックリして帰っていかれます。お気をつけて!
気象台では鳥、植物、昆虫などを使って「生物季節観測」を行っています。「イロハカエデの葉の大部分が赤く色付き、緑色が目立たなくなった最初の日」を「紅葉日」として観測していますが、京都の平均紅葉日は12月1日。昨年は12月2日、一昨年は9日でした。 ただ、真如堂のほうが気象台より少し気温が低いためか、紅葉のピークだと思われる日とこの「紅葉日」とは1週間近いズレを感じます。たとえば、昨年の12月2日には、境内の紅葉は、「大部分が赤く色付く」どころか、ほとんど終っていました。 今年の紅葉のピークは、真如堂では一昨年の紅葉日12月9日からズレを補正するために1週間引いて、12月2日? ・・・・ それではちょっと遅すぎるから、やはり11月末ということにしておきましょう。 さぁ、当たりますでしょうか? 黄 落 を あ び 黒 猫 も ま た 去 れ り 中嶋秀子 |