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            わずかに咲いている萩      マウスを載せれば写真が変わります
 「今日は快晴だ!」と喜んでいたのも束の間、昼頃からすっかり曇ってしまいました。ちょっと損をしたような気分です。
 気温は34度近くもあり、とても爽やかな秋の日とはいえません。
 どうしたことか、今日は拝観などに訪れる人が少し多いようです。
 書店などには、秋の観光シーズンに向けた雑誌などがたくさん平積みされ始めました。紅葉特集も多く、真如堂が取り上げられているものも少なくありません。
 そんな雑誌を目にして、「京都へ行きたい病」を再発させている方も多く、中にはもう紅葉していると本気で思いこんでいる人もおられるようです。まだ9月ですよ!
 今日、境内にお越しになった方のうちの何人かは、そんな辛抱できなくなった方かも知れません。
 今の京都は暑さが残っているだけで、特に見るべきものはありません。せめて10月まで我慢なさってはいかがでしょうか。

境内全体の色も少し変わってきました / 紅く変わってきた「花の木」の先端    マウスを載せれば写真が変わります
 本堂前の「花の木」の天辺の葉色が、この1〜2週間でずいぶん紅くなってきました。もみじも、木によっては くすんだオレンジ色になってきています。
 「花の木」は境内で一番早く紅葉するカエデで、見頃は11月初〜中旬。この木の紅葉がすっかり終わってから、もみじの紅葉が本格化するのが最近の傾向です。
 ボクが子供の頃の11月はもっと寒く、紅葉の見頃も今より早かった気がします。わずか○○年しか経っていませんが、紅葉は確実に遅くなり、美しい紅葉が見られるのも10年に1度程度になってしまいました。温暖化がその要因であることに疑いの余地はないでしょう。
 先日の新聞に、日本では過去約100年間に大雨の日と雨が降らない日が増加した一方で、弱い雨の日が減り、雨の降り方が2極化傾向にあるという記事が載っていました。
    汗を拭く参拝者 / 本堂内から望む「花の木」    マウスを載せれば写真が変わります
 確かに、最近の雨は降り始めたら滅茶苦茶降る、スコールのような雨が増えたと思われませんか? 100年前と今を比べると、1日に100ミリ以上雨の降った日は25%増えているそうです。
 大雨が増えた原因の一つは、温暖化で大気中の水蒸気量が増え、積乱雲などの雲ができやすくなったためで、温暖化が進む今世紀末には、大雨の日がさらに増え、集中豪雨による洪水や土砂災害が増加することが懸念されています。
 悪口が聞こえたのか、4時半頃から、京都は横殴りの雨と雷の大荒れの天気に急変しました。奈良県と滋賀県には大雨洪水警報も発令されました。申し上げたとおりでしょう?
 天気予報は「晴れ」でしたのに。


          一   米   四   方   も   あ   れ   ば   虫   の   村        五味 靖




      色付いてきた紫式部の実とバッタ / 夏のなごりの百日紅   マウスを載せれば写真が変わります
 今日は重陽の節句です。
 中国の陰陽説では、奇数は“陽”。その中でも“9”は一桁の奇数では一番大きく、「陽の極まった数」として、陽数を代表する数と考えられました。
 月の数と日の数が同じ数字となる日付を「重日」といいますが、その中でも「陽の極まった数の重日」ということで、「重陽」となったわけです。
 重陽の前日から菊の花に綿を巻いて菊の香りと露をその綿(着綿)に移し、重陽の日にこの綿で身を清めて、不老長寿や無病息災を願う日本独自の風習があったといいます。
 以前からこれをやってみたいと思っていましたが、新暦の9月9日では露地ものの菊が咲いていません。菊なら墓地に行けばいくらでも供えてあるのですが、ハウスものでしょうし・・・。ハウスものと思っただけで情趣が損なわれます。
 中国ではこの日には茱萸しゅゆ(山椒)の実のついた枝を身につけて丘など高い所に登り、菊を賞でながら、お酒を呑んで詩を詠じたりする風習があったといいます。
 端午の節句には菖蒲を用いますが、節供に芳香のある植物を身につけ邪気を払うという風習が中国にはあったようです。ハーブ好きだったのですね。オシャレ!
 いま、京都市内では、関白藤原頼通が平安中期に造営し、栄花物語などで壮麗さをうたわれた邸宅 高陽院かやのいんの発掘が行われています。高陽院は当時の貴族としては破格の約6万平米もの敷地を持ち、南北140メートルの平安京跡最大の池もあったそうです。
 重陽の日には、きっとここでも、貴族たちの雅な行事が執り行われたのでしょう。



           一  足  の  石  の  高  き  に  登  り  け  り      高浜虚子