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今月に入って35度を超えなかった日は、今日を含めて3日だけ。今日は時々パラッとにわか雨の降る曇天で、気温があがらなくて助かりました。 今日からお盆休みに入った方も多く、交通機関は混雑しているそうですが、境内もお盆休みを感じさせるような光景が見られます。 「息子が東京から帰ってきましたので、お墓参りにきました」と、いつもはご夫婦でお越しになる方が、3世代6〜7人でお越しになったり、「孫を連れてちょっとブラブラ」とおっしゃるご近所の方、家族連れで京都観光に来られたと思える一行など、今日の境内は家族連れの人の姿が目立っていました。
でも、せっかく真っ新な網と虫籠を持って境内にやってきたものの、子供は蝉が怖くて触れない様子。大きな声で鳴くオスはなおさら怖いようで、蝉とりを楽しんでいるのはむしろ親。昔取った杵柄で、蝉がいっぱい入った虫籠を子供の顔に近づけては、また怖がらせておられました。 数年前、捕っても捕ってもクマゼミばかりという年がありましたが、今年は満遍なく捕れているようでした。 夜明け頃にはヒグラシが鳴き、日中はアブラゼミやクマゼミが、日暮れ時にはまた「カナカナカナカナ」という鳴き声が聞こえて来ます。 昨日、今年初めてツクツクボウシの鳴くのを聞きました。蝉もそろそろ秋の訪れを感じているのでしょうか? 裏 畑 に 声 の し て ゐ る 盆 帰 省 村上喜代子
盂蘭盆は『盂蘭盆経』という仏典に書かれた、お釈迦さまの弟子の目蓮尊者が餓鬼道に堕ちた母親を救い出すために、お釈迦さまの教えに従って、7月15日、夏の修行が終わったすべての僧侶たちに、御飯などを供養した。それによって、母親は餓鬼道から救われたという話が起源と言われています。 この『盂蘭盆経』は、儒教の「孝」の倫理の影響を受けて中国で成立した偽経だろうと言われています。 お盆の迎え火や送り火、精霊流し、盆踊りなどの行事には、「祖先の霊を迎える・喜ばせる・送る」という意味が含まれていますが、それは『盂蘭盆経』にも記されていない、日本の風習です。 中国のお盆を、日本に昔から伝わっていた習俗などとミックスして、日本人の精神性、日本の風土にあうように加工して定着させたもの、それが今のお盆の行事なのでしょう。15日という日付も、満月と何か関係があるのではないでしょうか? 今自分があるのは、営々といのちを繋いで来た祖先のお蔭に変わりはありません。様々な説話や行事も、それを実感させるためのものだったのかも知れません。 「お墓に精霊を迎えに行った後、お墓には何もいないのですか?」「送った精霊はいつお墓に戻ってくるのですか?」「迎えに行かなければ先祖は帰ってこないということは、普段の仏壇には何もいないということですか?」と、難しい質問をする人も最近なくなりました。 理屈を考えずに、素直に感謝して拝めばよろしいんじゃないですか。
ネジ花の種がこぼれ、墓地の通路などにたくさん生えたこともありましたが、今では除草剤で一網打尽にされてしまって、通路も“きれい”になってしまいました。 写真の鶏頭は、“保護区”の中で、毎年、実生で生えて大きくなり、花を咲かせてくれているものです。 書いていて思い出しましたが、鶏頭も珍しいですが、鳳仙花は久しく見ていません。熟した種が勢いよくはじけて飛ぶのが面白かったのですが・・・。その頃よく見かけたブルドッグやスピッツも、最近見ることがありません。人を譬えるのによく使いましたが・・・。 更新作業をしているパソコン近くの窓辺に、カラスウリの花が咲きました。夜咲いて朝には萎んでしまいますので、ご存じない方も多いと思います。白いレース編みのような形で、涼味を漂わせる繊細な花です。 夕方の墓地には、たくさんの赤とんぼが飛んでいました。 さぁ、お盆の棚経もあと3日。頑張ります! 花 見 せ て ゆ め の け し き や 烏 瓜 阿波野青畝 |