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     勇ましく歩む若人の横で、本官は休憩中/ 墓参の親子連れ   マウスを載せれば写真が変わります
 18日、近畿、中国、東海、関東甲信地方の梅雨明けが宣言されて以降、この5日間の平均最高気温は34.8度。連日の猛暑です。
 扇子であおいでも暑い風しか来ず、本能的に日なたより日陰、日陰よりエアコンを求めてしまう気がします。
 京都の最高気温の平年値を見ると、7月7日に30度台に達し、以後毎日0.1度ずつほど上がって、7月30日から8月5日までの間、33.4度という日が続きます。
 暑さの本番は、まだこれから。先が思いやられます。23日は「大暑」です。
 この暑い中、境内に来られる方は、参詣や墓参、トイレを借りに来る近所のお宅で作業をしている植木屋さん、郵便局の保険担当の人たち、巡回途中の警察官など、何か目的のある方が多いようです。
 皆さん、十中八九、まずは手水舎へ行き、手や口を、あるいは顔を洗い、頭に水を掛け、ハンカチで汗や水をぬぐって、しばらく動けなくなっておられます。
 今日も、本当に水が恋しくてならない日でした。私はアイスクリームを2つ食べてしまいました。

     自坊の百日紅。今年は色鮮やか   マウスを載せれば写真が変わります
 祇園祭の巡行も終わり、京都を観光されている人は、学校の夏休みを利用した大学生同士、家族連れなどが多くなったように思います。
 「よりによって、こんな暑い時、わざわざ京都にお越しにならなくてもいいのに」と、住んでいる者は思いますが、お越しになったからには、覚悟を決めて京都を満喫していただきたいとも思います。
 毎年、祇園祭の巡行の頃になると、夕立があったり、巡行当日の天気が心配されますが、今年は案じることもなく、無事に終わりました。
 でも、巡行で祇園祭がすべて終わったわけではありません。今月末まで、花傘巡行、還幸祭、神輿洗、夏越祭などのさまざまな行事が、ほぼ毎日行われています。
 同じ観光をされるなら、せっかくの行事をご覧になってはいかがでしょう?


       四   五   人   の   心   お   き   な   き   旅   浴   衣      星野立子



  夏の夕暮れの境内  マウスを載せれば写真が変わります
 夏の京都といえば、鴨川の納涼床も風物詩の一つ。地元の人には、「暑い」「虫がいる」と案外人気がありません。川原で花火をする人がいて、その煙が漂ってきたり騒がしかったりと、風情がないこともしばしば。
 京都観光ブームの中、床に出店する店がここ数年、毎年1割ずつ増え、今年は二条通から五条通間の鴨川沿いに、過去最多の88軒が営業をしているのだそうです。
 以前、祇園などでも東京資本がなだれ込んでいると書きましたが、鴨川の床でもそうなのでしょうか。
 そんな中、「床上で踊っていた」「臭いや煙が来る」などの苦情も増え、営業期間や営業時間、床の工事開始時期など基本的ルールを守らない店も出始めたそうです。
 京都ブームも結構ですが、取って付けたような、実際にはあり得ないような張りぼての「京都」を演出して一儲けしようとする企てが、京都の情緒を確実に壊し始めている気がします。


鬼百合の花とそのムカゴ     マウスを載せれば写真が変わります
 これから、自坊はお盆を迎える準備などで多忙になります。「迎春準備」といいますが、「迎盆準備」。卒塔婆をかいたり、夜なべ作業が続きます。
 今日、金魚の水槽に入れる藻を買いに行ったら、普段はとても無愛想な店員さんが、「いやぁー、これから大変ですね。暑い盛りですからねぇ」と、饒舌に話しかけてきました。
 いつもとあまりに違うので、私も即応できませんでしたが、確かにお盆はなかなか大変な行事。私の意識の中では、数週間前からカウントダウンが始まっています。
 お盆の話題に続く殺生な話ですが、今年は鰻の価格が過去最高に迫る勢いだそうですね。28日は土用の丑の日。高価な鰻を無理して買っても、かえって身が細る思いがするだけかも知れません。
 遠い昔に平賀源内が言ったことに、いまだに乗せられているというのもおかしな話です。
 今年は、「土用の丑の日にはゴーヤチャンプル!」でも、いいじゃないですか?
 酷暑盛り、どうかご自愛ください。


         身   に   貯   へ   ん   全   山   の   蝉   の   声       西東三鬼