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         「梅雨明けした模様です」と発表してもよさそうな日射し   マウスを載せれば写真が変わります
 もう梅雨の明けを宣言してもよさそうなお天気。今日の最高気温は35度まであがり、ついつい「暑いですねぇ」と挨拶してしまいました。
 京都は、祇園祭まっただ中。祇園祭に他府県から観光に来られた方から、「この暑さにバテています」というメールが来ました。急に暑くなってからの入洛、お気の毒です。
 週末・連休と重なった今年の祇園祭。ホテルは半年前から満室。巡行の有料観覧席も、発売開始当日の午前中に売り切れたとか。
 昨日の宵々々山の人出は20万人。今日の宵々山、明日の宵山はそれをはるかに超えることは確実で、テレビのニュースで生中継の映像が流れるたびに、「エッ、エーーーーー!」と声を上げてしまうほどのすさまじい人出でした。
 宵々山に集まったこの人たちは、いったいどうやって帰るのでしょう・・・どうか事故のないようご無事で。

     着慣れない浴衣を着て宵々山に向かう若者   マウスを載せれば写真が変わります
 午前中、哲学の道を通りがかりましたが、歩いている人はパラパラ。哲学の道でさえ人が少ないのですから、真如堂に人が来られるわけがなく、いつもにも増して閑散としています。
 今日の拝観客数はおそらく“片手”以下だったのではないでしょうか。
 これも祇園祭効果?
 真如堂の近くに住んでいる人でしょうか、宵々山に出かけるべく、浴衣姿で境内を横断して行かれました。
 でも、見るからに着物は不慣れ。帰ってこられる頃には、きっと、あられもない姿になっておられるでしょう。足には豆ができているかも知れません。
 京都に住む若い女性が浴衣を着る機会というのは、やはりこの祇園祭が第一でしょう。浴衣に興味などなさそうに見える女性が、祇園祭やお盆の送り火の頃に浴衣を召しておられるのを見て、ハッとすることがあります。
 最近は、下駄込みの浴衣一式が4千円ほどで売っていて、若い人でも気軽に着られるようになりました。毎年の流行を追ってリーズナブルな浴衣を買うもよし、伝統模様の浴衣を着るもよし。祇園祭は女性を美しくしてくれます。
 地元の地方銀行の四条付近の支店では、祇園祭にあわせて、カウンターの女性などが浴衣で接客されたりもします。今年は宵山・巡行が休行日なので、浴衣姿は今日のみ。あの浴衣は支給品? 自前? 補助が出るの? と、毎年気になっています。


       ゆ  く  も  ま  た  か  へ  る  も  祇  園  囃  子  の  中      橋本多佳子



  見頃に入った木槿 / 透かして見ても綺麗・・・電線が邪魔ですが  マウスを載せれば写真が変わります
 境内のむく槿が見頃を迎えてきました。これから1ヶ月以上、次々と花を咲かせてくれます。本当に花期の長い花です。
 花期は長いですが、「槿花一朝の夢」「槿花一朝の栄」などと言われるように、朝開いた花は夕方には散ると言われています。
 しかし、暑い中にもかかわらずジッと観察していたという人の話によると、2〜3日開いて閉じるを繰り返した後、落花するとか。
 そうかも知れません。1日で花を落としていたら、あんなに長い間、次々と花を咲かせることはできないでしょう。
 1日にしろ、2〜3日にしろ、日本では木槿にはかさを見い出しますが、韓国では違います。
 木槿は韓国の国花。韓国では、木槿は1本の木にたくさん蕾をつけて、一つの花が散ってもまた次々と咲き続けるところから、永遠性や民族の生命の強さを感じ取ります。また、その清らかな色は気高い心を表しているとされています。
 確かに、暑い夏に蓮や木槿の清らかな花を見ると、気持がスッとします。ありがたい花です。

向こうに伸びていく道は「大」の右下部分。市街地の中、一番手前に見えるのが真如堂と黒谷の森。その向こう、左は平安神宮、右は吉田山。右寄り奥に見えるのが京都御所 / 右寄りに真如堂の本堂と塔。左端は黒谷の本堂。向こうのビルは京大病院  マウスを載せれば写真が変わります
 朝一番に見た青空に刺激されて、久しぶりに大文字山に登ってみました。
 とにかく暑く、歩き出すと同時に、汗がボタボタ落ちてきました。
 髪の毛のある人は、頭にかいた汗が髪をつたって落ちてくるのでしょうが、丸坊主のボクはそのままダイレクトに流れてきます。
 丸坊主から滝のような汗が流れ落ちている姿をご想像下さい。マンガのようでしょう?
 登っている人の半数以上は常連さん。「今日は遅かったなぁ」などと声をかけあっておられますが、かなり高齢の方や女性も多く、バテバテで登っているボクはちょっと恥ずかしかったです。
 途中の水源で汲んできた水を沸かしてコーヒーを入れ、乾しマンゴーをかじりながら、「四条は祇園祭で賑わっているだろうなぁ・・・来月の今頃はこの山が送り火の準備で大変だろうなぁ・・・」などと京都市内を見渡しながら思いに耽り、小一時間座っていました。昼寝したら気持ちよかったでしょうねぇ・・・
 季節を春に戻し、暑さを忘れさせてくれるかのような、鶯の声がさわやかでした。


         夏  鶯   さ  う  か  さ  う  か  と  聞  い  て    る       飯島晴子