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日が傾いた本堂前    マウスを載せれば写真が変わります
 コートがいらないような、あたたかく穏やかな日になりました。
 昨日と比べ、最低気温はさほど変わりませんが、最高気温は5度も高め。
 でも、「春はもう間近かな・・・」と喜ぶのはまだまだ早い。日曜日から寒くなり、その後、今年一番の寒さがやって来るそうです。
 天気予報は「猫の目のようにお天気が変わります」などと、最近のお天気を評しています。猫の瞳孔が明るさによって広がったり細くなったりすることから、変わりやすいことの代表のように使われます。
 境内を我が物顔に闊歩する三毛猫ミーコも、今日のお天気が嬉しいのか、屋根の上で“猫背”になりながら「ミャァ〜 ミャァ〜」と鳴いていました。


         叱  ら  れ  て    目  を  つ  ぶ  る  猫    はる  となり      久保田万太郎



木々の枝もキラキラ光っています/昼寝しても気持ちよさそうな回廊 マウスを載せれば写真が変わります
 27日は、真如堂の開祖戒算上人の953回忌。「開山忌」の法要が本堂で勤められました。来月12日は、真如堂開創の願主東三条女院藤原詮子の1005回目の「女院忌」。
 節分を挟んだこのお二人のお命日の頃が、真如堂の一番寒い時。女院忌は、真如堂の麓の換骨堂で行われますが、雪が降ることもあって、数年前には袈裟衣姿に長靴を履いて行ったこともありました。
 ボクが本堂の法要に出仕するようになって20年以上経ちます。20年前の血気盛んな時でも、開山忌の時に本堂の床が冷たくて辛かった覚えがありますが、年々そうでもなくなってきたような気がします。歳を取って、感覚が鈍ったのでしょうか・・・まさか。
 木々の様子を見ていても、確かに温暖化は進んでいます。
 国立環境研究所が、27日、『地球温暖化が日本に与える影響について』を公表しました。  それによると、「ソメイヨシノ(サクラ)の1989〜2000年の平均開花日は平年(1971〜2000年)より3.2日早くなった(全国89地点)。イロハカエデの紅葉日が1953〜2000年に約2週間遅くなった」とのこと。50年間で2週間とはすごいスピードですが、確かに遅くなったことを実感します。
あたためられた擬宝珠。「宝永元年」の銘/乳金物もあたたまる マウスを載せれば写真が変わります
 この他、「亜熱帯から熱帯に生息する南方系のクマゼミが、2001年には東日本でも確認された。/近年、マガンの飛来時期が遅くなり、旅立ち時期が早くなった。越冬地が本州のみならず北海道にも拡大した。個体数も増加傾向にある」など、既に地球温暖化が原因と思われる影響がたくさん出ているとしています。
 2071年〜2100年には、「日本の夏(6〜8月)の日平均気温は4.2 ℃、日最高気温は4.4 ℃上昇、降水量は19%増加。真夏日の日数は平均で約70日程度増加。また、100mm以上の豪雨日数も平均的に増加」と予測しています。大変なことですが、そんな先のことなら体験せずに済みそうです。
 全然関係ありませんが、クジラとカバの先祖が一緒だったことが最新の化石分析でわかったとか。そんなバカな・・・。

年末に切った梅に花が咲いてきました/メジロは何羽いるでしょう?  マウスを載せれば写真が変わります
 来月3日は節分。真如堂でも、「日数心経にっすうしんぎょう」という、般若心経を1年の日数365回唱え、息災を祈る行事が行われます。
 京都では、節分に「四方参り」といって表鬼門 北東の吉田神社、裏鬼門 南西の壬生寺、南東の伏見稲荷大社、北西の北野天満宮に参拝する風習もあるそうですが、実際に今も4ヶ所をお参りしている人は稀でしょう。
 壬生寺の大念仏狂言や廬山寺の鬼踊り法楽、吉田神社の追儺式なども、節分ならではの行事も楽しみです。
 また、節分の夜、祇園町あたりを歩いていると、女性がハゲ頭のカツラをかぶってちょび髭をつけていたり、いい年をした男性が舞妓さんの扮装をしていたりするのに出会うことがあります。「お化け」です。
 もともとは民家で行われていた行事で、年があらたまる時の厄除けに、女性が「お化髪ばけ」という髪を結ったのが起源とか。化け物のような人が徘徊する日という意味ではありません・・・そう見違えるような人もウロウロしていますが。
 今は主に花街などで行われて、普段は艶やかな芸妓さんや舞妓さんたちも男装したり、それぞれ過激に変身。今年は義経や弁慶が流行るかも知れません。ヨン様にも出会えるかも知れませんよ!
 鬼やらお化けやら、何だか面白そうな節分の行事。そこには1年の息災を願う気持があることも忘れられません。
 1週間後は立春ですね。春が来るのは嬉しいですが、スギ花粉の大量飛散に脅えておられる方も多いでしょう。今すぐに花粉症対策をお始め下さい。


       ある    あ  り   或  日  あ  り  つ  つ   春  を  待  つ        後藤比奈夫